マガジンのカバー画像

月刊「ぶんぶくちゃいなノオト」

メルマガ「「§ 中 国 万 華 鏡 § 之 ぶんぶくちゃいな」(祭日を除く第1、2,4土曜日配信、なお第2,4土曜日が祝日の月は第3土曜日に追加配信/月ほぼ3回/年始年末は配信お… もっと読む
中華圏の現地でどのような注目の話題があるのか。必ずしも日本とは関係のない、また日本では話題にならな… もっと詳しく
¥800 / 月
運営しているクリエイター

#香港デモ

220804 【現代ビジネス】寄稿:香港を揺るがした「3つの事件」、その姿を描いた映画が問いかける「今の香港」

220804 【現代ビジネス】寄稿:香港を揺るがした「3つの事件」、その姿を描いた映画が問いかける「今の香港」

現在日本各地で公開中の香港ドキュメンタリー映画『憂鬱之島 Blue Island』の陳梓桓(チャン・ジーウン)監督にインタビューしました。

パイロット版を見た時、意外な発見とトリック(?)に驚いたのですが、一つ一つに監督自らの丁寧な判断と手配が施されていたことを知りました。

すでにインタビューの全文はすでにnoteにて公開していますが、こちらは読みやすいように映画の背景を紹介しつつ、ポイントを

もっとみる
【ぶんぶくちゃいな】アイドル話だけで終わらないMIRRORのもっと先のお話

【ぶんぶくちゃいな】アイドル話だけで終わらないMIRRORのもっと先のお話

先月末に『香港のアイドル「MIRROR」が、スゴい熱気で迎えられているワケ』という記事を書いたら、あちこちからいつもと違う反響が返ってきてびっくりしている。

まだご覧になっていない方はリンク先を読めばおわかりいただけると思うが、内容はいつものとおり「昨今の香港」事情のご紹介なのだが、いつもわたしの記事を読んでくださる以外の、もっと若い方などからも反響があって驚いた。実は記事で取り上げた、日本の人

もっとみる
【ぶんぶくちゃいな】33年目の6月4日

【ぶんぶくちゃいな】33年目の6月4日

6月4日、またこの日が巡ってきた。中国にかかわる人間としては忘れることはできない日だ。それに加えて香港にかかわるならば、もっと重要な意味を持つ。3年前から6月は以前に増して香港人にとってさまざまな思いが去来する月になってしまった。

6月4日の天安門事件記念日がすぎると、9日は3年前に逃亡犯条例改定草案に反対する市民100万人が街を練り歩いた日だ。それでも草案の議決を「予定通り行う」と林鄭月娥行政

もっとみる
【ぶんぶくちゃいな】香港で目にした「今」

【ぶんぶくちゃいな】香港で目にした「今」

そろそろ今回の香港滞在もお尻が見えてきた。今号の「ぶんぶくちゃいな」では、今回の滞在で見聞きした現在の香港の姿について、詳しい内容はわたしが見聞きしたことにさらに資料探しをしてきちんとした肉付けと解説を加えて別の機会にお目にかけるとして、今回はその片鱗をメモのように自分が感じたことをお伝えしたい。

まず、なぜわたしが新型コロナ感染拡大中にわざわざ香港まで行くのかをご説明しておこう。もちろん、昨年

もっとみる

【ぶんぶくちゃいな】2つの議場突入、その大きな違いとは

2021年入りした途端に世界がかなり騒々しくなっている一方で、中国が意外に静かだなぁ、と感じている。

もちろん、新型コロナがまたぶり返し、河北省石家荘が久しぶりにロックダウンされたし、昨年末からとみに注目されているワクチン外交騒ぎも「ぶんぶくニュースクリップ」で取り上げたように、あれれ…?と海外からもたらされるその有効率の数字がベタ下がりしていて、中国だって決して「平穏」なわけではない。

あと

もっとみる

【ぶんぶくちゃいな】あれから1年…「正義」を叫び続ける母

陳同佳、という名前を聞いて、すぐに誰なのか分かる日本人はたぶんほとんどいないだろう。だが、今の香港ではこの人物にまつわる話題が沸騰している。

この人物が誰なのか。説明すればきっと分かるはずなので、ちょっとおさらいをしてみよう。

今、毎日香港のニュース欄を賑わせている話題に香港国家安全維持法(以下、国家安全法)絡みのものがある。これは、少なくともこれを読んでいる皆さんはもうご存知ですね。

この

もっとみる

【ぶんぶくちゃいな】公務員、教師、そして警官…香港国家安全法下の日々

「若さそのものが罪なんでしょ。だからこそ、警察はこの1年間、人を見ればすぐに捕まえてる。警察って市民を保護して、悪い人や犯罪者を捕まえるものだと思っていたけれど、今はすっかり変わっちゃった。180度違う」

これは12歳の少女、パメラさんの言葉だ。彼女は先週日曜日の9月6日、母親と兄と一緒にモンコックで昼食を取り、その後母と分かれて兄と絵の具を買いに出かけたところ、警察に拘束された。突然、荒い声を

もっとみる
【ぶんぶくちゃいな】渦中の香港、怒涛の7月最終週

【ぶんぶくちゃいな】渦中の香港、怒涛の7月最終週

世界はもう8月。今年は時間が飛ぶように過ぎていく。

特に7月最後の1週間は香港のニュースを眺める人間には、毎日ジェットコースターに乗って振り回されているような気分になった。

ロシア民謡の「一週間」という歌があるが、あの歌詞をもじるとこんな感じになる。

♪ 日曜日に意見を問われ
  外国制裁ダメよと答えた
  テュリャ テュリャ 
  テュリャ テュリャ 
  テュリャ テュリャリャ テュリャ

もっとみる
【ぶんぶくちゃいな】元朗721無差別襲撃は「香港の天安門事件」だ

【ぶんぶくちゃいな】元朗721無差別襲撃は「香港の天安門事件」だ

7月21日が巡ってきた。昨年のこの日、香港郊外の元朗にある地下鉄の駅で無差別襲撃事件が起こり、居合わせた妊婦1人を含む45人が重軽傷を負った。

この事件は昨年の香港デモを語る時、ぜったいに忘れてはならない重大な事件となっている。筆者もデモについてコメントを求められるときは必ず、この事件がデモ全体に与える影響の深刻性を強調してきた。だが、日頃から香港問題に関心を持っている人以外、ほとんどの日本人は

もっとみる

200714 「現代ビジネス」寄稿:《「中国の香港政策に口出しするな」「植民地時代はもっとヒドかった」のウソ》

昨年以降、香港で起きているさまざまな葛藤を、「内政干渉はいやだから」「それでも祖国だから」「植民地時代が自由だったわけがない」といった独特の理由で拒絶する人たちがいます。

その人たちの多くが、日頃はリベラルな発言をする優等生であることが、そういう発言に同調する人たちを増やしています。だが、優等生にも知識不足や認識不足がある。そんな優等生的な発言にある誤解を解くために書きました。

200623 「現代ビジネス」寄稿:《中国政府が進める香港への「恐怖支配」…狡猾なやり口が見えてきた》

週末必死に書きました。

実は先週半ばに一旦書き上げて、ほぼ配信する準備まで出来ていたところに新華社が国家安全維持法の内容を「かいつまんで」報道。甘い予想もしていた(反省)ところもあり、がっつり構成を変えて書き直しました。

個人的には「くるぞ、やるぞ」の後に「かいつまんで」報道がきた、というのは予想通りであり、中国はいっぱい(自分的には)伏線を敷いたんだろうな、というのがよく見える「公開」の仕方

もっとみる
【ぶんぶくちゃいな】市民をにらみつける行政長官と「香港の真相」

【ぶんぶくちゃいな】市民をにらみつける行政長官と「香港の真相」

5月15日、香港の独立監察警察クレーム処理委員会(以下、監警委)が、昨年6月の「逃亡犯条例」改定案立法化反対市民デモ以来続いてきた抗議活動に関する調査報告を発表した。

監警委による調査報告は昨年、市民が突きつけた「独立調査委員会」設立に対して、林鄭月娥行政長官が市民に約束したもの。同長官は独立した新規の委員会設立を求める声には耳を貸さず、既存の警察に向けられたクレームを独立調査する監警委に海外か

もっとみる