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月刊「読んでみましたアジア本」

日本で出版されたアジア関連書籍の感想。時には映画などの書籍以外の表現方法を取り上げます。わたし自身の中華圏での経験も折り込んでご紹介。2018年までメルマガ「ぶんぶくちゃいな」(… もっと読む
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2019年9月の記事一覧

【読んでみましたアジア本】読者がこの本を手にしたとき、ミステリーのトリックが始まる。:雷鈞・著/稲村文吾・訳『黄(コウ)』(文藝春秋社)

本当に偶然だったのだが、9月末の東京出張のとき、ちょうどその週末に台湾で「第6回島田荘司推理小説賞」の授賞式が開かれるんですよ、と耳にした。つまり、7人目の島田荘司さんのお墨付き中華ミステリ作家の誕生である(第3回にグランプリが2人出ているので、6回目の今回選ばれる人は7人目となる)。

この賞が日本で一般に知られるきっかけになったのは、2017年に香港のミステリー作家、陳浩基さんによる『13・6

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