2019年9月の記事一覧
【読んでみましたアジア本】読者がこの本を手にしたとき、ミステリーのトリックが始まる。:雷鈞・著/稲村文吾・訳『黄(コウ)』(文藝春秋社)
本当に偶然だったのだが、9月末の東京出張のとき、ちょうどその週末に台湾で「第6回島田荘司推理小説賞」の授賞式が開かれるんですよ、と耳にした。つまり、7人目の島田荘司さんのお墨付き中華ミステリ作家の誕生である(第3回にグランプリが2人出ているので、6回目の今回選ばれる人は7人目となる)。
この賞が日本で一般に知られるきっかけになったのは、2017年に香港のミステリー作家、陳浩基さんによる『13・6