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「香港 ほんこ〜ん」vol.6(2023/6〜更新中)

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日本のマスメディアがきちんと追いきれていない香港の社会事情について、2023年6月から1年間わたしが配信する香港関連の記事を集めたマガジンです。過去マガジンはこちらから:【~20… もっと読む
「香港でいままさに何が起き、何が語られているのか」を知ることができるマガジン。注目ニュースから、わ… もっと詳しく
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#中国政府

【ぶんぶくちゃいな】「Hong Kong is over」がもたらした激震

「Hong Kong is over.」(香港は終わった)と書かれた記事が香港で大激論を巻き起こしている。

記事を書いたのはスティーブン・ローチ氏、元モルガン・スタンレーのアジア地区主席アナリストで、現在は米エール大学の教授を務めている。2007年から12年まで香港を拠点としてアジアの経済分析を担当し、中国に対してどちらかというと楽観的、好意的な論を展開する中国経済専門家としてその名前を知られて

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【ぶんぶくちゃいな】「メッシ欠場は海外組織の陰謀」論が傷つけた香港ビジネス環境

【ぶんぶくちゃいな】「メッシ欠場は海外組織の陰謀」論が傷つけた香港ビジネス環境

すでに日本のメディアも多く取り上げて報道しているが、2月4日に香港大球場で行われたサッカー親善試合の「インテル・マイアミCF(以下、「インテル・マイアミ」)対香港選抜チーム」が大変な騒ぎに発展している。

きっかけになったのは、今サッカー界で人気絶頂のリオネル・メッシ選手とルイス・スアレス選手がベンチに座ったまま出場しなかったことだ。試合は4対1でインテル・マイアミ側の勝利で終わったが、超人気選手

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【ぶんぶくちゃいな】香港区議会選挙の「制度完備」で見えてきた新「下剋上」

香港区議会選挙が今月10日に投票を終えた。

2019年末に行われた前回選挙では、同年6月以降続いた、アンチ政府デモの勢いに乗って民主派が新人候補も含めて全議席の8割を獲得したが、今回の選挙の目的はほぼ、そうした民主派の存在を公的機関から一掃することに置き換えられていることは、「【ぶんぶくちゃいな】仕組まれた権力の罠:『一国二制度』下の香港区議会選挙」ですでに述べたとおりだ。今回はその結果、見えて

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【ぶんぶくちゃいな】仕組まれた権力の罠:「一国二制度」下の香港区議会選挙

12月10日に投票が行われる香港区議会議員選挙への立候補受付が10月30日に締め切られた。そこで、香港民主派の「惨敗」が確定した。

区議会議員の選挙は4年に1度行われることになっている。前回2019年の選挙は同年11月に行われ、投票率はこれまで香港で行われたすべての選挙を上回る71.23%を記録した。区議会はこれまでずっと親中親政府的な立場を採る「建制派」が牛耳ってきたが、この選挙で争われた合計

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【ぶんぶくちゃいな】原発処理水廃棄の反応に見る理性と本音とイデオロギー

今週の中華圏はあちこちでいろいろな話題が花開き、いったい今週は何を取り上げようかと資料を読んでいるうちに、ほぼ1時間ごとに目移りしてしまった。

そんなこんなで実はこれを書いている時点で書きかけの原稿が3つあるのだが、やはりこのタイミングを逃しては新鮮味が薄れてしまうだろう、ということで、心が決まった。

8月24日に始まった、福島第一原発の冷却処理水海洋廃棄を巡る話題だ。

前日に日本政府が廃棄

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