【読んでみましたアジア本】2020年を前に読んでおきたいアジア本

さてさて、年末です。恒例の「読んでみました」は年度振り返り版です。

今年はいくつかこれまでの「読んでみました」とはっきり違う点がありました。

まず、読書対象が「中国本」から「アジア本」へと拡大したこと。正直なところ、日本で出版される中国本の世界や視点がどうにも限られているなあ、という思いと、まだ日本では関心が薄いものの、中国が視野に入れ始めたアジア、特に東南アジアをもっと知っておくべきではないか、という危機感からの拡大でした。

わたし自身、ご存知の通りの中華系バカなので、中華圏を除くとアジア全体のことはほとんどわかっていません。口では「アジア、アジア」と言っている日本人のなかにはこういう人は意外に多いはずです。実際に福岡に居を移して気づいたのは、この地で「アジア」というと、かなりの割合の人たちが「韓国」を思い浮かべるということ。これまで「アジア」といえば筆頭が「中華圏」な人たちを相手にしてきた自分にはかなりの衝撃でした。

「アジア」といえども、ところ変わればイメージする場所がかなり違うんですね。環境要素です。

加えて、昨年2ヶ月間参加したフェローシップで、アジア各地のジャーナリストたちと一緒に過ごしたのも大きかった。実際にそれぞれの国から来た人たちと知り合うと、アジアってのは本当に多種多様なんですよね。当たり前なんだけど、やっぱり直接触れてみるとすごく違う。特にこのフェローシップでは「ムスリム」の存在が自分にとって具現化されたのは大きかったです。

とはいえ、いまだにムスリムについてはよくわかっていない。加えて韓国の本も読めてないですね。この辺は今後精進します。おすすめの本があったらぜひおしえてください(ただ、エンタメ系、映画化作品原作や恋愛小説系はしばし遠慮します)。

次は、自分でもちょっと意外だったのが、小説が多かったこと。数えてみたら半分を占めている。社会人になってから小説を読む機会がぐっと減り、また興味もなくなった自分としては、ちょっと意外な結果です。ただ、やっぱり国情をよく知らずに読む小説は、どこまで自分が理解できているのかがよくわからず、不安でもありました。

国情も知らないままイギリスやアメリカの(推理)小説はさんざん読んできたくせに、と思わなくもありませんけれど。やっぱり、今から読むものはその国の理解(もちろん、著名著者の存在やその意義も含めて)につなげたいので、ただ「楽しむ」だけじゃダメなんですよね、基本的に。なので、こちらもやはり今後精進していかなければならないですね。

いろいろ反省点の多い、今年の「読んでみました」でした。でも、読んでよかった!と思える本もやはり多かったので、ぜひ以下のラインアップを参考にしてみてください。

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