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今は、GWの谷間なんかじゃない

ちょうどニュースを見ていたら、キャスターがこう言った。

「今日から3日間は、ゴールデンウィークの谷間です」

谷間。谷間。……おっぱi、ゲフンゲフン。一旦なかったことにして、仕切り直し。

私は暦通りにこの3日間は仕事をするのだけど、こうもまあハッキリと「谷間」と言われてしまうと、ちょっとズーンとなる。だって「谷間」って落っこちるものじゃん。掘り下がっているものじゃん。崖じゃん。

別に私、落っこちてないし。下ってもないし。そりゃあまあ休めたら最高だろうなと思うけど、その実、お休みの人が多いからこそ静かに作業できる期間でもあるし。

私は、社会人1年目のときは嬉々として何十連休としていたけれど、実は2年目からは休んでいない。暦通りの休みと勤務をするようにしている。それはせっかく4月になって「うお~! やってるで~!」と思った末日に、早くも長期休暇がくると、ちょっと勢いが萎んでしまうような気がするから。何十連休は、休んだあとの反動が大きいし、ここで有休を使うのはもったいないかもと考えたのだった。

と、友達に言うと「ええ~!?」と見てはいけないものを見てしまったような顔で見られることがある。「そんなに変かな?」と私は言う。「変だよ!」友達が答える。

「だって、社会人になって休みが連続することなんて滅多にないんだよ? 夏休みも、冬休みも、春休みも過去の遺産。遠い日の思い出。かつての幻想。届かないカタルシス……」

変な友達だけど、こういうところが好きだ。

「まあ、そうかもしれないけど……」

「ほら、中日(なかび)がある旅行に行きたくないの? 旅行なんて1泊2日だと移動と移動に挟まれて何もできないじゃん。荷物がずっとついて回る。だけど中日がある2泊以上になると、自由な時間がとれるんだよ? 旅行先で丸々1日、好きに使っていい日。それ、ほしくない」

それは、確かに魅力的に思えた。ただ、私はそのもっと手前にいるような気がする。

「……大変申し訳ないのですが……私、そもそも旅行にそんなに乗り気じゃないかも……」

「あなたも大概変だね」と、また妖怪を見るような目をされた。

”終わりよければすべてよし” になれましたか?もし、そうだったら嬉しいなあ。あなたの1日を彩れたサポートは、私の1日を鮮やかにできるよう、大好きな本に使わせていただければと思います。