見出し画像

X(twitter)で話題のdelveという語をdelveしてみた

うみゆきさんのこちらのXでの投稿が話題になっていて、delve「掘り下げる」という意味の難単語が医学論文で使われる割合が2023年以降急増しているとのこと。その原因はChatGPTがこの単語を好んで使うから。そしてかなりの人がChatGPTを利用して論文を書いてるから。さらになぜChatGPTがこの単語を愛用するかというと、人間のフィードバックによる強化学習(reinforcement learning from human feedback)の際に、労働賃金の安いナイジェリア英語からの影響を強く受けているのではないかということだった。

こちらの投稿でははっきり言及されてはいないけれど、おそらく出典はJeremy Ngyuenさんの2024/03/30の投稿と、

それを受けて書かれたThe Guardianのこちらの記事なのであろう。

医学論文内でdelveがChatGPT登場を契機に急増しているのはデータの裏付けもありおそらく全体の傾向としては間違いない。(もちろん個々に普通に個人の語彙でdelveを使っていた人もいるだろうけども)

ただ英検1級受験者からすると、いろいろ違和感のあるところもある。delveはパス単なら頻度Aでありそもそも「難単語」なのか?という疑問である。

こちらの動画はこのdelve騒動が出るずっと前に投稿されているものだが、この話を踏まえて撮られたのかと思うほど見事な煽りになっている(笑)いまこれを見たらdelveという単語を忘れることは決してないだろう!

そこで「医学論文」という枠を外してdelveという単語の使用頻度の歴史をGoogle Ngram Viewerで見てみると、

となり、もともと長く使われている語であったが、ChatGPT登場以前の2000年頃からそもそも使用頻度の上がっている単語であったとは言えよう。

さらに類義語のinvestigateと比べてみると、

となり、かなり頻度に差があったが近年それがやや縮まりつつあり、ChatGPTのAI-eseの偏向によりそれが今後も加速していくのであろうか?

今後のことを考えると、"The Guardian"の記事およびそのリンク先にはちょっとゾッとすることも書いてあって、delve以外にも以下の語はChatGPTによって一般より過度に使用されている語10傑だと言う。

①Explore
②Captivate
③Tapestry
④Leverage
⑤Embrace
⑥Resonate
⑦Dynamic
⑧Testament
⑨Delve
⑩Elevate

英検ライティングやTOEFL・IELTSなどChatGPTを参考に英文を書いたことのある人なら戦慄をおぼえるリストではないだろうか?

た、確かに!
この単語達よく見るわー😳

この微妙にお堅くもお洒落感のある単語、絶妙に使いたくなる。。

これからこれらの単語を使うときには、「い、いやこれは文脈上必然性があるから!べ、別にchatGPTにお勧めされたから使ってるんじゃないし!!」などと無駄に意識してしまうのかしら。

ChatGPT語録は21世紀の『紋切型辞典』(フローベール)となってしまうのか!?

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?