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炊事を通しての成長

 水曜は、八軒自然科学クラブの思い出話です。今回も、サマーキャンプで重視していた炊事に関する話をします。
 サマーキャンプでは炊事を重視していましたが、基本的に子供たちの自主性に任せていました。指導員は「背中で教える」的な感じなので、子供たちのグループによって大きな差があったのです。
 かなり初期の頃、朝食を作るのに6時間かかった子供たちがいたそうです。「いたそうです」と書いたのは、このサマーキャンプの時、私は参加していなかったので伝聞でしか知らないからです。
 朝の6時から炊事を始め、火が消え、また着け、また消え…これが繰り返されたそうです。途中から、そのグループの子供たちは諦めてしまい、ボーッとして座っているだけの子が大半になったとか。そんな中、一人だけ着火の努力を続けた子がいて、何とか12時には御飯が炊け、グループ全員が「朝食」を食べる事ができたそうです。
 さすがに、これ以後、あまりにも手際の悪いグループには、指導員がアドバイスしたり、ほんの少しだけ手を貸したりするようになりました。
 ただ、6時間もかけて朝食を作った経決して決して単なる苦労では終わりません。
 一人だけ努力し続けた子は、炊事に関して様々な事を学びました。その結果、次の炊事からは手際が良くなったそうです。また、同じグループで見ていただけの子供たちは、仲間のありがたさを強く感じたようです。この後、このグループは仲間同士の結び付きが強くなったとか…。
 これは極端な話ですが、子供たちにとって炊事は相当に難しい活動となります。ある種、極限状況と言っても良いでしょう。だからこそ、学び取った事には価値がある…私たち指導員は、そう考えていました。
 その様な理由から、サマーキャンプでは炊事を重視していた訳です。

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