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#6 共創の旅 ~2023年ワークショップの振り返りと2024年への決意~

こんにちは、ワークショップデザイナーの相内洋輔です。年の瀬が迫ってきておりますが、皆様いかがお過ごしでしょうか。

私は早起きして、2023年を振り返っていました。今年は60回超の登壇機会をいただきまして、なかでも「共創」に関するご依頼がとても多かったことが、とても印象的な一年でした。

正確には数えていませんが、ご依頼のうちの30%程度はアイデア発想のワークショップだったように思います。どの回でも「まだここにない未来」の可能性を垣間見せていただき、私自身もすごく楽しい時間を過ごさせていただきました。

私は独立してからの5年で、「組織開発」「コミュニティデザイン」「自己探究」と、テーマや対象を絞らずにワークショップをご提供して来ました。

これまでは多様なワークショップを、一定以上のクオリティで運営できることを強みとしてきたのですが、2024年以降は「共創」を軸にしていきたい、徹底的に「共創」に取り組みたい、という意欲が湧いてきています。共創の面白さにハマってしまったんですよね。

そして少し大げさに言えば、「私がアイデア共創に没頭することは、日本の未来への貢献だ!」と思えたのです。

こうした自覚が強まった背景には、今年開催した2つのアイデア共創ワークショップがありました。


 狛江市 スマートシティアイデア発想

ひとつ目は、狛江市で開催したスマートシティアイデア発想ワークショップです。DX戦略の一環として狛江市からご依頼をいただき、地域にお住いの方々をお招きして、市民のWell-Being向上に向けたアイデアを発想しました。

ご参加いただいた方々には「2050年、住民のWell-Beingがトップの狛江市になっているとしたら、どんな施策や取り組みが行われた結果か?」という未来志向のお題に取り組んでいただきました。

結果として240個ものアイデアが集まり、その多様性とユニークさには目を見張るばかりでした!

それからグループごとにアイデアを組み合わせ、スマートシティ施策案を具体的に検討いただきました。各グループ共通していたのは、複数のアイデアを結集して、上位のコンセプトを紡ぎ出していた点です。

大量のアイデアが発想された場合は、土台となるアイデアを1~2個選び、さらなる付加価値を考えることで収束へ向かうことが多いのですが、

新しいコンセプトのもとに複数案を束ねるという収束手順はかなり珍しく、とても新鮮でした。

そして何より嬉しかったのは、ワークショップ後も参加者の興奮が冷めず、会場での交流が続いたことです。

竹林一さんが書かれた『たった1人からはじめるイノベーション入門』という本に、

コミュニケーションのないところにモチベーションはなく、
モチベーションのないところにイノベーションは生まれない

たった1人からはじめるイノベーション入門

という一文があるのですが、まさに住民どうしのコミュニケーションから、「狛江をより良い街にしていこう!」というモチベーションが湧き上がっていたように思います。

ワークショップデザイナーとしての冥利に尽きる光景でした。


宮城県人材活躍フラグシップ企業育成事業 人材シェアリング

ふたつ目は「企業間での人材シェアリング」に関して、具体的な制度設計を行うワークショップです。こちらは宮城県人材活躍フラグシップ企業育成事業「人材活性塾 2023」の一環としてご依頼をいただきました。

私は東北地方に暮らす者として、人口減少&超高齢化社会の訪れに強い危機感を抱いています

こちらのNHKニュースに最新の予測がまとまっているのですが、抜粋すると下記の通りです。

2050年までの30年間で人口の減少率が最も大きいのは
 
▽秋田で42%、
 ▽青森が39%、
 ▽岩手と高知が35%などとなっていて

全体の人口に占める65歳以上の割合は、
 
▽秋田が最も高く50%と半数を占めるほか
 ▽青森で48%
 ▽岩手で46%などとなる見通しです。

人口減少の日本 2050年にはどうなる 最新データからわかること https://www3.nhk.or.jp/news/html/20231222/k10014296071000.html

こちらは全国ニュースなのにも関わらず、東北の状況が大々的に強調されているんですよよね.…。

つまりここから何が言えるかというと、「企業の人材ポートフォリオを既存の延長線上で考えていると破綻する」可能性が極めて高い、ということです。地方都市ほど、労働人口が減り高齢化する社会への備えを、今から急ピッチで進めていかなければなりません。

こうした文脈において、企業間の人材シェアリングを通じた従業員の育成、自社部門の強化・補充、ナレッジのシェアを通じた相互成長の可能性 などを探っておくことは、とても価値があることだと思うのです。

参加者の方々にはこの前提をお伝えしたうえで、①他社に提供できる資源の発見 ②自社が目指す理想の確認 ③トライアル施策の検討 といったステップでディスカッションを進めていただきました。

ワークショップ終了後には「実際にトライアルを行ってみたい!」という声が複数の参加者から共有され、会場には笑顔の花が咲いていました。


これからの日本ではアイデア共創の重要性がますます高まる

私は上述したように、これらのワークショップをご提供したことで、「アイデア共創は、日本社会においてますます不可欠な存在となっていくはずだ」と確信が深まったんですよね。

異なるバックグラウンドや視点を持つ人々が集まり、柔軟で創造的な発想を通じて新しいアプローチや解決策を生み出す「アイデア共創」のプロセスは、未来の課題に対処し、幸福な社会を作る鍵となるはずです。

なぜなら今後の日本社会では、急激な人口減少や高齢化という環境で、最新の技術をどう使うか? を模索し続けなければならないからです。

そして、どのような案を実行すれば良いか、この分野に関してはまだ先進事例も少ないんですよね。正解らしい取り組みがあまり存在していないなら、皆が「これを試してみたい!」と思えるアイデアを作り、試してみるしかありません。

ですが、多くの地域や企業では、アイデアを共創する機会に乏しく、有効な実践方法への知見も不足しています。これは、日本社会全体にとって、大きな損失です。

こうした背景のため、私はワークショップやiU情報経営イノベーション専門職大学と協働研究をしている「妄想学」、一緒に開発をしてきた妄想アイデアトレーニング「モウトレ」を通じて、アイデア共創を日本の文化にしていきたいという気持ちが日増しに強くなって来ているということを、改めて実感した年末の朝でした。

2024年は、モウトレ(アイデア発想ワークショップ)で出されたアイデアをデータベースに蓄積し、様々なシーンでご参照いただけるように整備していくプロジェクトが始まります。

来年はぜひ多くの方々とコラボレーションを深め、アイデア共創を盛り上げる1年にしていくことができたら、アイデア共創を広める仲間をたくさん増やすことができたら、とても嬉しいなあと感じています。

この投稿をご覧になって、何かご興味関心が湧いた方がいらしたら、ぜひ気軽にお声がけください!

今から2024年が楽しみです。
相内 洋輔


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