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「ワクチン忌避排除」というWHOの世界戦略が「異論を許さぬ不寛容社会」をつくっている

「当たり前の話」が許されない不寛容なムード

コロナワクチンを接種した直後、あるいは数日以内に亡くなった人が2193人も存在している。接種後の副反応報告も3万7000件を超えており、中には重い後遺症に苦しんでいる人もいるーー

こういう「現実」を突きつけられれば、「コロナワクチンの安全性はどうだったのか」「接種をしたくない」という感情が芽生えるのは、人として自然な心の動きではないでしょうか。

しかも、死亡事例を国が調査した結果は「評価不能」。つまり、亡くなった2193人について、政府は「ワクチンのせいなのか寿命なのか、なんだかよくわからない死に方をした人」としているわけです。「あれだけ接種しろと呼びかけておいて、それはさすがに無責任じゃないか」と一部の医療従事者が異論を唱えるのは当然のことです。

また、遺族の中にはこれを「薬害」として国賠訴訟に踏み切った人たちもおられます。直前まで元気だった人がいきなり亡くなってしまったことを「評価不能」の一言で片付けられて納得できないというのは、ご遺族の心中を察してあまりあるものがあります。

ただ、こういう「当たり前」の話が許されない不寛容なムードが今の日本社会は強まっています。

「反ワクの主張」に対して政府が「監視」と「対策」

SNSやネットでは、ワクチンの安全性にちょっとでも疑いの目を向けるだけで「反ワク」とレッテルを貼って、陰謀論に取り憑かれたり、特定の政治的イデオロギーから政府を攻撃している勢力だと批判的に見る人が多くいます。実際に接種をして亡くなった人や、後遺症に苦しむ人の話をしているだけなのに、「デマを流すな」と心無い言葉をかける人もいます。

このような「コロナワクチンを疑うな、批判するな」というムードをさらに後押ししているのが、政府です。先日、ダイヤモンドオンラインで、『政府の「ワクチンデマ潰し」「反ワクの徹底排除」がとんでもない悲劇を招くワケ』という記事でも指摘しましたが、4月24日に公表された新型インフルエンザ等対策政府行動計画の改定案で、ワクチン接種や治療薬・治療法に関する科学的根拠が不確かな情報等、偽・誤情報等に関してモニタリングや「対策」をしていくことが盛り込まれました。

ワクチンに関する偽・誤情報を政府がモニタリングして「適切に対処」をしていくと明記

これはワクチンの安全性や効果を疑う人を、国が正式に「社会の敵」として認めて「情報統制」に乗り出していくということでもあります。実際、この行動計画の中にはプラットフォーム事業者側への「削除要請」と思しき項目も含まれています。

言論統制は総務省や法務省によるプラットフォーム事業者への「要請」にも及ぶ

さて、ワクチンの効果や安全性を疑う人たちは、なぜ日本政府や一部の人たちはこんなにも「コロナワクチンを疑うな、批判するな」という方針に固執をするのかと疑問に思われるでしょう。

ワクチン接種は任意であって、あくまで個人の自由意志を尊重すると言いながら、自由意志に基づいてワクチンに懐疑的な人たちを「非国民」のように排除をしていくというのは、あまりにも不条理です。

政府の不条理の陰に「WHOの世界戦略」

その「謎」の答えとして、SNSでは「ディープステートによる人類削減計画」という壮大なストーリーが注目を集めているわけですが、実はこのムードをつくりだしているのは「闇の政府」などではなく、もっとわかりやすい国際組織です。

それはWHO(世界保健機関)です。

WHOはコロナ禍前から「ワクチンを疑うな、批判するな」という運動に力を入れて、世界に広めていたという動かし難い事実があります。それがよくわかるのは2019年にWHOが公表した世界の健康に対する10の脅威の中に「ワクチン接種への躊躇」を挙げていることです。近年、世界中でワクチンが利用可能な状況にあるにも関わらず、ワクチンの安全性や有効性を疑って接種をしないという現象が起きており、「ワクチン忌避」(vaccine hesitancy)と呼ばれています。

世界の健康に対する不安をなくすためには、「脅威」を排除しなくてはいけません。つまり、WHOはもともと「ワクチン忌避を排除する」という世界戦略を定めていたわけです。そんな中で新型コロナウィルスの世界的流行が発生したという流れなのです。

コロナワクチンが開発されそれが世界に広まっていくとWHOとしては当然、その動きに合わせて「ワクチン忌避排除」にも力を入れていきます。21年に「世界の健康にとっての10の課題」として「ワクチンの普及をスピードアップする」と掲げたWHOが、「ワクチンを接種しない人のせいで感染爆発が起きている」「ワクチンデマによって、人の命を奪いかねない」というメッセージを繰り返し発信していたのは「ワクチン忌避排除の世界戦略」に基づいたアクションだったのです。

WHOの世界戦略に日本が無力なのは「喫煙規制」が証明済み

このようなWHOの「世界戦略」に、日本政府は従わざるを得ません。わかりやすいのは2018年に政府が制定した「受動喫煙防止」を目的とした改正健康増進法です。この法律は「原則屋内禁煙」という、喫煙者にはかなり厳しいルールが盛り込まれましたが、当初このようなルールは「日本では不可能」と言われてました。たばこ事業法という法律で「たばこ産業」を保護・育成する財務省、そして、たばこ会社の支援を受ける「自民党たばこ族議員」の政治的圧力が強いからです。実際、この法案ができる直前まで、一部の政治家や官僚からは「我が国に分煙という独自のルールがあるのでWHOの外圧など跳ね返す」という勇ましい声もよく聞こえていました。しかし、私は2016年に「屋内原則禁煙」は間違いなく通ると「予言」させていただきました。「禁煙の世界戦略」を進めるWHOがIOC(国際オリンピック委員会)を介して日本政府に圧力をかけており、「五輪開催」を人質に取られた政府がこれに屈するのは明白だったからです。このあたりに興味のある方は当時執筆した以下の記事をお読みください。

さて、「ワクチンを疑うな、批判するな」という政府や医療関係者の不寛容さのルーツが、WHOの「ワクチン忌避排除世界戦略」に基づいている、という話を聞くと「WHOはなぜそんなにワクチンを普及させたいの?」と首を傾げる人も多いのではないでしょうか。

中には「やはり闇の政府による人類削減計画では?」「我々の知らないところで何か巨大な組織が動いでいるのでは?」と勘繰る人もいらっしゃるでしょう。

もちろん、そういう可能性もゼロではありませんが、WHOという巨大組織内でこの世界戦略を推し進めている主な原動力は別にあると考えています。次回はそのあたりについて書いていきたいと思います。(了)

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