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福島第一原発視察に行くことになりました

お仕事ではありません。日本ペンクラブを通じてお誘いいただきまして、完全に“個人的な興味”で行きます。

私は今の仕事をはじめるまで、社会に、世界に興味を持っていませんでした。何をどれだけ頑張ったところで報われることなんてないし興味なんて持ったって期待なんかしたって裏切られるだけだし苦しいだけだし。

そういう風に考えていた私が、今、社会に、世界に興味を持っています。何をどれだけ頑張れば報われるかなんてわからないし保障なんてないし結局裏切られるだけかもしれないし、それでも、無意味に不謹慎な好奇心と、小さいころ封じ込めたつもりだったしょうもない正義感が頭をもたげて、じっとしていられないのです。

興味がなかったから、知識なんて何もありません。注意書きを読まなければ、デジカメが使えない(放射線で壊れる)ということすら知りませんでした。

今もほとんど何も知りません。私はジャーナリストでもなんでもないから、取材のやり方だってわからない。的外れなものを見て的外れな見解を持つだけの結果になるかもしれない。

それでも、不謹慎にも、自分の好奇心を満たせるということにとても興奮しています。

社会のためでも世界のためでもなく、自分のために行ってきます。
そして紡ぎ出した文章が社会か世界のためになればいいなと思って書きます。

そのためにアナログなフィルムカメラを買わなければと必死になってAmazonを検索し、気付けば2時間ぐらい経っていました。ようやく購入ボタンを押したさっき。

まだ主婦だった頃、私は自分の人生を消化試合と呼んで自分を嗤っていました。勝っても負けても先なんてないのに戦わなければならない消化試合に挑まなければならないなんて、ああなんて人間は人生はしょうもないんだとか斜に構えて、そのくせ「不謹慎なことをしてはいけません」と偽善者ぶっていたように思います。

今思うことは、私がこういう不謹慎な好奇心を表に出せるほど他人を信頼できるようになったこと、それを見知った人が侮蔑もせず引き留めもせず「行ってきなさいよ、作家なんだから」と言ってくれることが、とても幸福だなと。「社会のために行くんです」なんてかっこつけなくてもいいんだな、と。

信頼関係。それがあるだけでこんなにも人生は充実するのかと思い知っています。ありがとう。

「これ読んどいたほうがいいよ」みたいな新聞記事や本があれば教えていただけるととてもうれしいです。全部読めるかはわかりませんが、可能な限り読んでいきたいと思っています。

一生入らないと思っていた場所に入った私は何を思うのか、今から楽しみです。

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