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君が選んだ.. Ziggy Stardust

僕の娘がまだ掴み立ちも出来ず、ハイハイをしていた頃の話です。

やはり子供はScary monsterだった…。
好奇心旺盛なモンスターは部屋中を這い回り、興味を持ったモノは全て手に入れていました。

その日のターゲットはテーブル上に置いていた数枚のCD。 
完全にノーガードだった。

君が選んだのは、
David BowieのZiggy Stardust。
1990年にリイシューしたBox入りのリミテッド・エディション。

THE RISE AND FALL OF ZIGGY STARDUST AND THE SPIDERS FROM MARS (1990 Limited Edition)
 - DAVID BOWIE

名盤ですよね!
しかし、モンスターにとって『名盤』とか、『スペシャルエディション』とか…全く関係なかったようです。
迷うことなく外箱を噛んでいました。

結構ガッツリやられました。

今ではすっかり大人になったモンスター。
「そんなことあった?」なんて笑い話です。

まぁ、Disc自体が傷んだわけでもないし、
大切なレコードのジャケットじゃなくて良かったよな〜なんて、僕もポジティブに考えてます。

▫️アルバムについて

このアルバムが『名盤』であることは疑いの余地がなく異論もありません。
ほぼ全曲クオリティが高く、Bowieのアルバムの中で1番好きです。

そんなアルバムについて、今回は少し視点を変えて感じたことを書きます。

【声】
Ziggy Stardustはリアルタイムではなく後追いで聴いたアルバムです。勿論レコードで。
初めて聴いたときは、Bowieの声質にひっくり返えりそうになりました。つまりズッコケそうになったわけです。
カッコいい声からは程遠く、「粘着質で爬虫類みたいな声じゃん」が正直な感想です。

ライブアルバム『Stage』に入っているZiggy Stardust各曲やアルバム『Heroes』の凛々しい声。あのイメージが強かったので、爬虫類系の発声が衝撃的でした。

Ziggy以前の『Space Oddity』『Hunky Dory』も同じ声質だけど、それは余り気にならない。…何故だろう?

実は、グランジロックバンドStone Temple PilotsScott Weiland(Vo.)も野太い声なのに、ライブパフォーマンスの動きが余りにも爬虫類的で衝撃を受けたことがあります。
この二人、『没入』という共通点があると思いますが如何でしょう?
Bowieの場合、火星人に成り切った結果、『火星人の声』に辿り着いたのでは…。

とは言え、耳に馴染むまでに時間がかかったなあ。

【音】
サウンド面ではアコースティックな音が多いことに驚きました。
A面1曲目「Five Years」のドラム、ピアノ、ストリングス、アコギから始まり、アルバムを通してアコースティックギターが鳴っています。
シンプルなアレンジですよね。
初期の作品は殆どそうなんですが、残念ながらその時点で聴いたことがなかったので、Ziggy Stardustは新鮮でした。

Bowieってパフォーマンスが奇抜なので派手なロックのイメージがあります。
でも常に『ロック』に縛られていた(拘っていた)わけではないと思っています。
実はシアトリカル(theatrical)と言うか、グラムロックやベルリン3部作みたいにその時代の主人公を演じたアーティスト。
あくまでも自由なソロアーティストなんですよね。舞踏家Lindsay Kempの影響でしょうか?
そんなわけで、デビューから70年代まではサウンド志向が激しく変化しますが、根底には常にアコースティックなモノ(実は生々しいモノ)が流れているように思います。 

Ziggy Stardustは、このコンセプトやイメージとサウンドのギャップが見事に収まったアルバムなんです。

【曲】
先ほど「ほぼ全曲クオリティが高く」と書きましたが、このアルバムの中でA面最後の「It Ain’t Easy」だけ空気感が違っていて好きになれませんでした。
実はカバー曲なんですよね。
後になってそのことを知り、ちょっと嬉しくなりましたね。音楽にも匂いがあるんだ。それを感じ取ることが出来た…なんて。

忘れた頃にRon Davisのオリジナルパージョンを聴いたら結構カッコ良くて。
スワンプロックなんですよ。言われてみれば確かにそうだよ。
なのに、それ以来Bowieのバージョンも違和感なく聴けるようになった自分の現金さに呆れます。
このアルバムの中ではきっと箸休めだったに違いない。

君も僕も選ぶZiggy Stardust…
どの曲も素晴らしいので全曲聴いてもらいたいところですが、やはりZiggy Stardustを貼っておきます。
しかしですね、皆さんもオリジナルは良くご存知だと思いますので、Bauhausのカバーバージョンで。

オリジナルが素晴らしいと、そのイメージが強すぎてカバーバージョンの評価は厳しいものになりがちです。
このBauhausのバージョンはかなりオリジナルに忠実なアレンジです。評価も人それぞれで賛否は分かれるところと思います。

でも僕は大好きです。
メッチャカッコイイし。
だから、是非聴いて欲しいです。

さて、Bauhausは如何でしたでしようか?

今回も最後までお付き合いいただき本当にありがとうございました。

#洋楽 #DavidBowie #ロック #音楽

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