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稲葉俊郎 著 『ころころするからだ』(春秋社)

医師の 稲葉俊郎さんの本。
医師としての目線によって語られる 、

心の発生にまで考えがおよんだエッセイ集。

太古からの生物記憶。生物の誕生から 40億年。 心と体を良い状態に導くには一体どうしたらいいのか 。

それを茶道や華道や、合氣道とか、そういう「道」に見出している 稲葉さんの深い言葉から、答えが見えてきそうでした。

心の発生を探ることって
本当に面白くて
なんで自分がこのような感情を
持っているのかという洞察に
つながるんじゃないかと思う。

一番心に残ったのは次の文章でした。

「人間とは何なのか、人間はどういう仕組みで生きているのか。悲しかったり怒ったり嬉しかったり恨んだり、そうした多彩な感情は、
果たして何のために備わっているのだろうか。

(中略)
自分という存在にも色々な側面が含まれている。快活で元気で心優しい自分がいる。同時に、陰険でいじわるで嫌味で嘘つきな自分もいる。そんな悪い一面も、何かの条件が整うとふとした拍子で大きく顔を出してくることもあるだろう。

そんな一面は、誰もが人に言いたくもないことだ。見たくない、触れたくない、なかったことにしたい。

ただ、人間が起こす事件は、人間がそうした多面的で全体的な存在だからこそ起きているということも、まぎれもない事実なのだ。」

人間の可能性の中に、
善も悪も光も影も含まれるという稲葉さんの読み解くこころとからだ。

感情に、不必要なものって、本当はないのだと思う。
生物が生き延びていく上で、必要があって発生し、それを大脳が発達した人間が「他者を思いやる」という機能を備えつけつつあるからこそ、
美しい心を持とうと、傷つきながらも努力しているのではないだろうか。

もっとこころとからだを中心にした世界を求めている私には
ぴったりの本でした☆(^o^)

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