こんにちは、山写（@Photograph_mt）です。

登山と写真で仕事をしている人。の中の人です。

写真撮影では最近プレイングマネージャーのような立場になる事が多いです。若い子は元気いっぱい、お腹痛いです。

さて今回は何事も基礎を疎（おろそ）かにすると取り返しがつかなくなるよ、というお話です。

これは私が専門にしている登山でも写真でも起こる話ですので、多くの分野にも当てはまることだと思います。

応用は基礎の先にある

当たり前の話ですが、基礎ができてこその応用です。算数や数学がわかりやすいですね。足し算引き算があって、掛け算割り算があって、方程式があって、因数分解があって…。

レベルが高くなるほど基礎は「できて当たり前」「前提として組み込まれている」のです。

技術職ではよく下積み時代と言われることもありますが、土台があってレベルが上がるほどどんどん先細っていくものです。それもあって最新技術を「最先端」なんて言うのかもしれませんね。

だから基礎ができなければ応用はできない。それが基本的な考え方です。

しかし現実世界はもう少し複雑で、基礎を疎かにしてももう１ステップ、２ステップ先の領域に行けてしまうのです。それが今回のお話の本題です。

ツールやチュートリアルの罠

成長はざっくり大きく分けて２つあると思っています。

１つは基礎力を鍛えて自力を鍛える成長、もう１つか壁を乗り越えるためにあがいて答えを見つける成長。どっちも必要なことです。

しかし目の前の問題を解決することばかりに注力しすぎると、当然目の前の問題しか見えなくなります。そうなると何が起こるのか…それはツールやチュートリアルに依存するということです。

WEBデザイナーやエンジニアの方であればソースコードをコピペし始める、学生であれば友人からノートやレジュメを借りて試験に乗り切る、そう言い換えるとわかりやすいかもしれません。

どうしても必要に駆られて仕方なく行ってしまうことはありますが、それを常態化してしまうことの危うさはなんとなくわかると思います。

ここで人を破滅の道へ導くイベントが起こります。それが成果に対する評価です。

評価と期待は勉強することすら許さなくなる

誰にでも承認欲求はあります。褒められたい、認められたい、お賃金を得たい。人として生きていくからにはそこから逃れるのは非常に難しいです。

そしてそれらすべては評価がきっかけになって得られるものです。

自力ではない力（ツールやチュートリアルの多用）で得た評価で自分を見失い、過大評価を受け入れてしまった場合、周りからの期待値はそこが最底辺になります。

つまり自力では周りの評価を得られないことを意味します。ここで引き返せればまだ良いのですが、この状態が続くと自分を守るために無茶なことをし始めます。

例えば実力に合わない無謀な登山をする、SNSのフォロワーを買うなんてことが考えられます。他者に高圧的な態度になり自分の評価をあげようとするかもしれません。

そうしないと周りからの期待に応えられないからです。

このように評判形成を行い「周りが期待している自分」を作り出してしまいます。

ここまで来てしまうと、たとえ本人が心を入れ替えて基礎から勉強しようと思っても状況がそれを許しません。

例えばプロの写真家が初心者のライティング講座に参加しているなんてことが見つかって拡散されてしまったら、その人本人も、それを取り巻く企業にも大ダメージです。

身から出た錆と言えばそれまでですが、あまりにも被害が大きくなります。

それほど現代の評価、評判という「顔も名前も知らぬ誰か」は無慈悲です。

そうやって基礎を疎かにしたが故に自分では止まることができずに破滅していくケースを多々見てきました。

基礎が脆弱であるが故に、上に積み重なったものを支えきれなくなるのです。

成功するには基礎を徹底的に鍛えること

基礎は土台です。土台がしっかりしていないと上に登ったときに簡単にバランスを崩して倒れます。

上に行けば行くほど転落したときのダメージが大きいです。それが致死量に至る前に土台をしっかり作らないといつか痛い目では済まない惨事を引き起こします。

では基礎とはなんだろう？

学校の勉強では簡単に分かることでも社会人になると答えが明確にならないため難しくなります。

例えば私の場合、写真家ですから手ブレしないカメラの構え方、肉眼で見た景色からの露出設定の計算、被写界深度のバランス感覚、そういったことをカメラを持てる日は毎日行います。

山岳写真が専門なので筋トレ、ランニング、ストレッチも行います。

これは私の経験則でしかありませんが業務で行う最初の部分、根本の部分を洗練させていくことだと思っています。

まず当たり前のことが当たり前にできるようになってから次のステップに進む。

それでも毎日基礎を見直してその当たり前を洗練し続ける。それが確実な成長だと感じるようになりました。

何事も基礎、という言葉はさらっと流されることが多いですが、破滅への道を回避する確実な手段です。

皆さんも是非基礎を見直してみてください。