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売上0→ARR10億超の営業経験から考える、営業責任者の役割の変化

こんにちは!
スタメンで直販・アライアンス営業部門を管掌する執行役員をしております、丸岡と申します。

スタメンや直近の丸岡の仕事についてはぜひこちらのnoteを見ていただきたいと思いますが、弊社はTUNAGというHRSaaSを提供する会社で、ありがたいことに設立4年で上場、今期2023年にはグループ経営体制に移行するなど、みなさまに支えながら右肩上がりで成長を続けられております。

私自身は、創業時にビジネスサイド1号社員としてスタメンに参画し、プレイヤー→マネージャー→部長→執行役員として、役割を変えながら営業組織に携わってきました。

直近はアライアンス部門の立ち上げに加え、直販営業部門2つのチームに携わり、フェーズが違う3つの営業チームのマネジメントを行うことで過去の自身の営業組織のマネジメントについてもようやく言語化できてきた気がします。

今回のnoteでは、スタメン創業の売上0〜現在のARR10億を超えるまでの営業マン、マネジメントとしての自身の経験を振り返ることで、これから0→1や1→10、10→に挑戦するみなさんの参考になったら嬉しいです!

事業フェーズごとのマネジメントの役割

今回は事業フェーズを0→1、1→10、10→の3つに分けさせていただいた上で、マネジメントの役割や重要アクション、特にマネジメントが見るべきKPIについてまとめてみました。

事業フェーズごとのマネジメントの役割

それぞれ、説明させていただきます。

0→1フェーズ

2017年の1月に私はスタメンに正式に入社したのですが、この当時は売上がないことはもちろん、プロダクトのリリースもされていない状況でした。
当時は社長が営業部長を兼務しており、(資金調達はしていたものの)売り上げをつくらないと会社も自分も死ぬという状況ですので、とにかく自身で圧倒的に売上をつくるを使命として、がむしゃらにアクションしていました。

0→1フェーズの営業において最も重要なのは、マーケットへの仮説検証を最速で回してPMFを目指し、1円でも売上を積み上げることで、そのために、プレイヤーとして意識していたことは以下です。
■初回商談数の担保(月30件と決めていました)は死に物狂いで、でも息を吸うように当たり前にやる
・初回商談数の担保=行動目標の達成は、『やるかやらないか』で決まる(アクション量をやれば理論上、必ずできる)
■行動目標について社長やマネジメントに触れられるのは論外、マーケットや事業についての議論を積極的に行う
■提案内容の改善を最速で行い、とにかくマーケットに出す
・仮説があるなら、マーケットへのストーリーを構築、まずはターゲットへのテレアポ100件で顧客の反応を見る
・提案資料は1商談ごとに改善、改善だけでなく意図的に抜本的な提案ストーリー変更も試す

繰り返しにはなりますが、KPI達成や経営からのオーダーをこなす営業に価値はなく、圧倒的な数の提案をマーケットに行い、サービス提供価値を言語化することで事業を育て、売上をつくることこそが、0→1フェーズの営業の価値です。

また、これは当時の営業部長が推進していた部分ですが、プライシングの仮説検証を圧倒的な速度で行っており、結果として2018年→2019年で平均MRRが約1.5倍に大幅に上昇しております。

平均MRRの推移

既存顧客が少なく、わかりやすい機能開発もしやすい0→1フェーズだからこそ、サービス価値やプライシングの検証を行い、PMFを目指すことが重要です。

1→10フェーズ

2019年半ばくらいから、私自身もマネージャーとなり、チームを持って自身で予算を持ちながらもマネジメントを行うようになりました。
プレイングマネージャーとしての苦労は、ここでは書ききれないのですが、メンバー1人1人に徹底的に向き合い、ヒトを育ててチームで成果を出すことが非常に重要です。

そのための基本は、山本 五十六の名言「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。」に集約されていると考えています。

■自分が先頭に立って売上をつくりながらも、メンバーに同席をさせて真似をさせるところから始める
■メンバーが自ら考える機会を意図的につくり、挑戦させつつ、考え方や思考プロセスのズレを中心に細かくフィードバックを行う
■チームのWill(ありたい姿)を言語化した上で、メンバーのWill(ありたい姿)と常に接続されている状態を目指してメンバーと徹底的に対話する
■コミュニケーション量が信頼関係に影響する、メンバーが増えたり、お互い忙しい中でもできれば対面で、難しければ電話で1日数回会話する機会をつくる
■営業チーム独自のバリュー策定を行い、案件進捗に加えてバリュー体現のアクションについてもチームで称賛し合う

これらの試行錯誤を行い、メンバーの可能性を最大限に引き出してチームで成果を出す成功体験が積めたのがこの時期でした。

また、マネジメント対象が10名未満のこのくらいのフェーズまでは、おおよその案件状況を頭に入れることがギリギリ可能だと思うので、チーム全体の案件管理を行いながら、継続商談の設定数/率の低下の兆しがないか、を常に見ることが重要だと考えています。

リードタイムが長い商材において、手前の指標として何をKPIとして見るかは非常に重要ですが、継続商談を組めていない=サービス価値を適切に伝えられておらず、初回商談に課題があるケースが多く、該当メンバーは商談の抜本的な見直しが必要であることが多いです。

継続商談の同行によってクロージングを中心としたメンバーの営業力向上を行い、初回商談をメンバーに任せつつもメンバーごとの継続商談数/率を日次でモニタリングして、必要に応じて初回商談への介入を行う役割を果たすことが1→10フェーズの営業マネージャーには求められると思います。

10→フェーズ

2022年から私は部長となり、直接顧客を持つことがなくなりました。
また、2023年現在は部長に権限以上を行い、ありがたいことに私はアライアンス営業部の立ち上げに軸足をおいて業務を行えています。

■権限移譲を行うときは徹底的に任せる
・チームの会議や飲み会まで極力顔を出さず、チームカラーを新任のマネジメントがつくりやすいようにする
■足元の売上についてはマネージャーに任せつつ、来月以降の売上に影響するパイプライン数/率を見て必要に応じてアラートを出す
■私自身は、意図的に前例がないことに挑戦するようにすることで、メンバーの道をつくり、広げることに注力する
を行っていたりしますが、まだまだ周りに助けられ、日々勉強をしながら前に進んでいる最中です。

10→フェーズにおいて、人や顧客だけを見て売上をつくるために原因対処をしていく思考ではダメで、問題の原因となる『オペレーション(仕組み)』を問題発生前から常に疑い、『オペレーション(仕組み)』を構築する力が求められます。

私自身は、苦手な領域ではありますが(笑)、恐れずに手を動かす仕事を積極的に手放して、新しい挑戦や未来のためのオペレーション(仕組み)構築に時間を使っていこうと思っています。

最後に…

権限移譲を積極的に進めていくと、うまくいくチームも踊り場になるチームも必然的に出てくると思っていて、その時にチームのフェーズやマネージャーの状況を見極めた上で、適切に役割を変えてチームをフォローできる存在でいることが営業責任者としてのあるべき姿なのかな、と考えています。

そんなスタメンの営業部門ですが、0→1フェーズ、1→10フェーズ、10→フェーズそれぞれの営業チームが存在し、どのチームでも積極的に新メンバーを募集しています!

事業開発セールスと呼んでいますが、どのチームも単なるSaaSセールスではなく、マーケットに向き合い、開発部門や他部署と連携しながら、事業開発を行っていくことが求められる営業の仕事になります。

少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひお話ししましょう!

#私の仕事

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