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眠っている1000兆円を「スタートアップ」に流せば、日本はもっと良くなると思う

これは、Funds Advent Calendar 2023 25日目の記事です。


いま日本では1000兆円を超える資金が有効に使われていません。ほとんどが預貯金として滞留しています。

日本は世界で見ても圧倒的に預貯金の多い国だというのは聞いたことがあると思いますが、これはやはりもったいないことだと思っています。

誰が預貯金をしているのかというと、ほとんどがご高齢の方。この層の方たちはお金をあまり使いません。そういう人たちがほぼ金利のつかない銀行口座にお金を置いている。いわば1000兆円が眠っているのです。

国も対策していないわけではありません。新NISAの導入もあり、資産運用の注目度は以前に比べて格段に上がってきているように感じます。先日の日経新聞の記事によると、年明け1月から始まる新NISAに向けての積立予約が月2000億円にものぼるとのことです。

これは非常に大きな進歩であり、素晴らしいことだと思います。

ただ、個人的に少し気になっているのは、そのお金の行き先です。投資の内訳を見てみると、世界株や米国株に投資するインデックスファンドに人気が集中しています。もちろんインデックスファンドの積立投資は資産運用の王道ですし長期運用には最適かもしれません。それが盛りあがること自体はすごくいいことです。

ただ一方で「日本の成長」を考えると、海外投資にだけ偏重してしまうのは、すごくもったいない。日本の投資資金がアメリカやその他の国々に流れたところで日本の企業が元気になることには直接つながりません。
「お金の流れる先」も考えたほうがいいと思うのです。

眠っているお金を、スタートアップに流す

僕はそういった「眠っているお金」が、もっと日本の企業に流れていくことが大切だと思っています。1000兆円のいくばくかでも日本の企業に流すことができれば、それが日本の成長につながるはず。

特に成長している企業やスタートアップにお金が流れることが大切です。
いまスタートアップに流れているお金は年間で8,700億円ほどです。この数年で急速に規模が拡大しています。しかし、アメリカと比べるとぜんぜん小さい。

日本は「スタートアップ育成5か年計画」のなかで「スタートアップに流れるお金を年間10兆円にしていきましょう」と掲げています。

仮に滞留している預金1000兆円の1%でも日本の成長企業に流すことができれば10兆円です。いまスタートアップに流れているお金の10倍になる。これはものすごくインパクトがあることだと思うのです。

「成長期」の会社には多くのお金が必要

成長企業は多くのお金を必要とします。

成長期の子どもがたくさんご飯を食べるように、企業も成長するときにお金をたくさん使う。僕らが優秀な方を採用できたりマーケティングできたり事業を作ったりできるのも資金があるからです。

スタートアップは優秀な人を採用するためにどんどんお金を使う。設備投資や広告にもどんどん使う。すると、企業は成長できて、その結果売上が上がれば従業員に流れて消費にまわっていきます。

成熟しきった大企業にお金が流れてもそこまでのインパクトは生み出せないかもしれない。やはり成長企業やスタートアップにお金を流すことで、滞留していたお金はどんどん使われるようになると思うのです。

「上場スタートアップ」にも必要な成長資金

ここで言う「スタートアップ」は上場前の会社だけではありません。実は上場後のスタートアップもまた、成長資金を必要としています

上場したものの成長資金を十分に調達できず、成長が限定的になってしまっっているスタートアップが実はたくさんあります。

上場後は意外と資金調達の方法が限られてしまいます。

いまは10年前と比べてスタートアップの調達環境はだいぶ良くなりました。未上場であっても、魅力的な事業であれば、VCなどから数億円、数十億円の調達をすることも可能です。一方で、上場するとVCからの調達は選択肢からなくなります。

「上場企業なのだから、普通に株を発行して市場から調達すればいいじゃないか」と思う人もいるかもしれません。

しかし上場したあとに株式を発行して資金調達するのは意外とハードルが高いのです。株価がある程度高くなければ、まとまった資金を市場から調達することはできません。また新たな株式の発行は既存株主の持ち分を希薄化させるため市場から嫌気されることもある。

上場はしたものの一度も市場から調達をせずにいる企業も実はたくさんあるのです。

銀行からお金を借りることも簡単ではありません。

上場してから間もない場合、財務的にまだ盤石ではない会社も多い。そういった会社は、銀行から大きなお金を借りることが難しいことがある。しかも銀行は、運転資金であれば貸してくれるけど、まだ実績のない新規事業やM&Aのためのお金は貸してくれない場合もあります。

「上場」と聞くと「大きな会社」を想起しがちなのですが、現実は違います。日本のグロース市場はアメリカでいうとレイターステージ、つまり未上場スタートアップの終盤ステージと同じぐらいの規模感です。

世間的には「上場したらお金に困らなそう」と思われていたりしますが、そんなことはないのです。

上場後にうまくいっているスタートアップがメディアで目立つので、スタートアップはみんな上場した後も順調に成長しているイメージがあるかもしれません。しかしこれは一部の成功事例なんです。

「上場スタートアップ」こそ日本の伸びしろ

そもそもスタートアップを「上場か未上場か」で分けるのはナンセンスです。上場はあくまで市場で資金調達をしやすくするための選択肢のひとつでしかありません。

だけどなぜか世の中では「未上場の会社はみんなで手厚く応援していこう。上場後は自分で頑張ってください」という感じになっている。

上場したスタートアップのなかには、いい会社がたくさんあります。
体制はしっかりしているし、法令遵守の意識も高い。ガバナンスもしっかりしている。あとはそこに成長資金さえ流れればググッと伸びていく。

成長するポテンシャルはすごくあるのに、十分な資金が供給されていないために成長が限定的になっている。そんな会社がたくさんあるのです。

そういった会社をもっと応援することができれば、その会社も、ひいては日本全体ももっと元気になるはずなのです。

投資したお金がそのまま企業に流れる

僕らのサービス「Funds」は個人が上場企業にFundsを介してお金を貸すことができるサービスです。

株式投資ではないので、はじめから利回りと運用期間が決まっていて値動きもありません。とてもシンプルな投資で誰でも気軽に始めることができます。

このサービスのユニークなポイントは「個人が、企業に、お金を直接届けることができる」ところです。

たとえばFundsを通じて企業に100万円を投資すれば、そのお金はそのままその企業に流れて新規事業やM&Aなどの成長資金として使ってもらえます。

企業にお金を届けたければ「会社の株を買えばいいのでは?」と思う人もいるかもしれません。しかし、市場に流通している株を買っても、そのお金はその会社ではなく「その株を持っていた人」に流れるだけです。株を買っても会社のお金が直接増えるわけではありません。

一方ファンズで投資するとダイレクトに企業が使えるお金が増えるのです。
Fundsで調達したお金で、いい会社を買収したり、新規事業を立ち上げるなどして、うまく業績が上がれば、株価も上がるかもしれません。そうすれば今度は株式を発行して、さらに大きな金額を調達することもできるようになります。

そういった成長サイクルを回すきっかけとして「ファンズ」が使われるとすごくいいなと思っています。

高齢の方の投資額が増えている

いまFundsへの投資額は、高齢の方の割合が増えています。

利用者数は30〜40代のほうが多いのですが、利用金額でいうと50〜60代のほうが多い。Funds全体の平均投資額は150万円ぐらいですが、60代以上に限ると300万円を超えています。

僕は60代以上の方に、もっとFundsを使ってもらいたいなと思っています。高齢の方が有効活用できていないお金を、これから日本を支えていく成長企業に流しこんでいく。そうすれば世代間のお金の流れをしっかり作ることができるからです。

これがユーザー側から見てもいい投資になるはずです。

株を買うこともその企業の応援になるのでいいと思いますが、グロース株はどうしてもボラティリティが大きく高齢者の運用先としてはリスクがある。企業分析やチャート分析なども必要になってきます。

また、インデックスファンドの積立は長い期間保有することで長期運用のメリットを得ることができます。つまり「上がったり下がったりするけれど20〜30年持っているとプラスですよ」という商品。一方で、高齢の方が何十年も保有するというのは現実的ではありません。

そういう人にはFundsのような「円建てで、最初から期限が2〜3年と決まっていて、2%くらいの金利がついてくる」商品のほうが相性がいいはずです。

銀行に置いておいてもインフレに負けて目減りしていく。Fundsであれば1〜2%くらいは手堅く増やすことができます。

Fundsは、高齢者の方が残りの人生を豊かに過ごすために、安全にお金を運用できる手段だと思っています。

一方でそのお金がスタートアップや成長企業に流れこんでいけば、そこからお金が循環していく。そうすれば、日本全体が元気になっていくことにもつながります。

1000兆円を活用する新しい選択肢

僕らは表向きは「資産運用の会社」ですが、「滞留している1000兆円を上場前後のスタートアップや成長企業に流していく」こともミッションだと考えています。

「眠っている1000兆円」と「上場前後のスタートアップ」をつなぐ。その選択肢のひとつとして僕らのサービスには大きなポテンシャルがあると思っています。成長投資が加速して、会社が伸びる。そうすれば眠っている1000兆円も有効活用されるし、日本の経済全体も元気になっていく。

ここは使命感を持ってやっていきたいと思っています。

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