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生産量について

当店では小型の焙煎機を使って豆を焼いています。おいしいコーヒーを健やかに愉しむためには、豆の鮮度が大切なので、つくり置きをしておりません。毎日、焼きたての豆を発送するようにしています。

焙煎機に入れる豆の量は、火力や排気の関係から、ちょうどいい量というのがあり、毎度同じ量を投入します。当店の場合、焼き上がりがおよそ「600g」です(焼き加減によって異なります)。そして、1日に焼くことのできる回数を「7回まで」としています。これがちょうど、ふつうの仕事でいうところの「9時~17時」の感覚でしょうか。

無理をすれば、まだ焼くこともできますが、これ以上を一気に焼くと、排気がつまって後味が重くなり、心地良い味になりません。そのため、7回でリセットをして、明日のために時間をつくって掃除します。焙煎機の手入れは、毎日かならずやっています。これでまた、気持ちの良い味に焼き上げることができます。

焙煎と同じくらい、豆の仕込みにも時間がかかります。希少性や話題性を追ったりせずに、毎日のコーヒーとして、地味ですが質の良い豆を選んで仕入れていますが、最後はやはり自分たちの手で整えてやる必要があります。ひとつひとつ、手作業の選別も含めて、きちんと用意できる量としても、「1日焙煎7回分まで」というのは、ちょうどいい生産量だと感じています。

さてさて、当店には豆の種類が4つあるので(浅やき/中深やき/深やき/季節の豆)、シフトを組むような感じで、1日分の仕事(7回)の振り分けをします。たとえば、今日は「浅1回・中深2回・深2回・季節2回」といった感じです。「ドリップバッグ」や「水だしこうひい」も、ストックではなく、その日その日でつくっているので、それらのための焙煎もこの中に入ってきます。焙煎の日程は、そのようにして決まっています。

そのため、豆の種類や量、他のご注文の入り方によって、ちょうど明日用意できることもあれば、1週間後になることもあります。その時々という感じなのですが、たいして混むような店ではありませんので、ほとんどの場合、1週間程度あればお届けできています。

出会いもあれば別れもありということで、店を続けていくためには、まだまだ新しく知っていただきたいという欲もあるのですが、このように生産量に限りがあるので、ほどよい加減を保っていたいという欲もあります。求めてくださっているお客さんにとって、「いつ行っても満席にはなっていない」というような、それでもずっと続いているような、気楽で息の長い店であれたらと思っています。

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