ぼくのすきなもの

「つぎはぼくのばんだよー!」
あやちゃんは、いつもげんきいっぱいです。
きょうもようちえんで、みんなとあそんでいます。
ぱぱにかってもらったおきにいりのぴんくのくつで、かぜのようにはしるあやちゃん。
みんなから「すごいね!あやちゃん!」とほめられて、こころがくすぐったくなってしまいました。
「くふふ」とわらうあやちゃん。
そのほっぺたはまるでいちごだいふくのようです。

あるひ、おままごとをしよう!とあやちゃんはおともだちをさそっておすなばへいきました。
おすなばでは、ほかのおともだちたちがあそんでいます。
あやちゃんたちはあいているところをさがし、もってきたすこっぷやばけつをおきました。

みんながおままごとをはじめると、あらふしぎ。
ばけつはおおきくてりっぱなテーブルに、すこっぷはきんいろのすぷーんに、おちていたはっぱやきのえだは、ごうかなさらだやおにくにへんしんしました。
「うふふ、きょうはいいおにくがうっていたの」
「あなたは、さらだをあらって。わたしはおさらをよういするわ」
「わたしもてつだうわ」
「ぼくはすてーきをやくね」
みんなとってもたのしそうにおりょうりをしています。
それをみていたまわりのおともだちは、すこしうらやましそうにあやちゃんたちをみています。
すると、ひとりのおとこのこがやってきました。
「ぼくもいっしょにやってもいいかなぁ」
すこしもじもじしながら、おとこのこはいいます。
あやちゃんたちは「いいよ!」とおひさまのようなえがおでいいました。
あやちゃんはてにもっていたすこっぷを「すぷーんならべてくださいな」とおとこのこにわたしました。
「うん!」とにっこりわらったおとこのこは、あやちゃんのとなりにすわります。
すぷーんをならべていると、おとこのこはあやちゃんにこんなことをきいてきました。
「あやちゃんはどうしてじぶんのことをぼくっていうの?」
「ぼくのすきなひーろーがぼくっていってたから!」
「ひーろーがすきなんて、おんなのこなのにふしぎだね」
「おかあさんとおとうさんがいってたよ。どんなあやちゃんでもすてきだよって。だからひーろーがすきなぼくがだいすきだよって」
これは、あやちゃんがおともだちに「ぼくっていうなんてへんなの」とからかわれたときにおかあさんとおとうさんがいってくれたことばです。
あやちゃんはだいすきといってもらえたことがうれしくて、ずっとおぼえていました。
それをきいたおとこのこはいいました。
「ぼくもおとこのこだけど、おままごとすきなんだ。へんじゃないかな」
「へんじゃないよ、ぼくたちはどんなぼくたちでもいいんだよ」
そして、ふたりでへへへとわらってまたおままごとをはじめました。
まわりをみると、おすなばにいたほかのおともだちもみんなおままごとをはじめています。ぜんいんでつくったごちそうで、さいこうのごはんのじかんがはじまりました。

せのひくいこ、かみのけがながいこ、すこしふとっているこに、おんなのことおとこのこ。
みんなちがったすがたで、たのしそうにわらっています。
あやちゃんは「すごいね!きょうはぱーてぃだ!」とおおはしゃぎ。
それにつられてまわりのこも「わーい!」「たのしいね!」とおおわらいしています。

あやちゃんはしょうらいかっこいいひーろーになれるのかはまだわかりません。
しかし、ひーろーでもかわいいおひめさまでもでもうちゅうひこうしでもなんにでもなれるみらいをもっています。
きっとどんなあやちゃんになっても、あやちゃんはすてきなあやちゃんなのです。
「ぼく、おかわり!」
きょうもあやちゃんのげんきなこえが、おそらいっぱいにひびきわたりました。




 

これはワトが朝活配信のときによんだものだよ!実は、あやちゃんにはモデルになった子がいて、その子のお母さんにプレゼントするつもりだったの!でもまだ勇気がでなくて、渡せてないんだー😂

いつかあやちゃんに読んであげることができたらいいなぁ!

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