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またやってしまった

「毒からの解脱」という本を出しました! 初小説! 良かったらどうぞ!

またやってしまった。

 先ず絵理は仕事でくたくたで9時に何とか帰れた。
でも今日も昨日同様友達との旅行のお土産を使って鍋を作っておにぎりを買って今から帰ると伝えた。
 でも明日の朝ごはんのお粥(または雑炊)がないし、鍋の材料もないからスーパーに行かないと。絵理は朝ごはんはお粥(または雑炊)と決めている。

 スーパーに行く途中に彼に会った。
絵理は日ごろ自分の方が忙しいのに、家事をしてくれない彼に不満を抱いていた。
 一方、絵理が23時に帰っても床にゴミ袋が散乱し、洗濯物は洗われていなかった。
「お願いしたのにも拘わらず、何でやってくれなかったの」と絵理は聞くと、
「絵理ちゃんが予定日より早く帰ってきたから明日やれば良いと思っていた」と言われた。
 すぐに絵理はごみ捨てをし、洗濯は彼にさせたがすぐ寝てしまったので干すのは自分が行った。ちなみに彼はお盆休みも取得せず、勿論家にも帰らず仕事が終わるとポケモン収集に専念していた。

...という事もあり、あまり話をしたくなかった。
スーパーに一緒に行ったがいつも行くスーパーが閉まり、値段が高めのスーパーに行くことになった。自分の欲しいものの場所が分からない為店員さんにお粥が置いてある場所を聞いた。
 すると3種類(白、梅、玉子)しかなかったのだ。これはコンビニにも行かなくてはと思うとうんざりした。とりあえず玉子と白を取った。
レジの列で並んでいると、彼がやって来て「お粥が3種類しかなかった」と答えると、彼が沢山の種類の雑炊を探して貰って、私の機嫌が悪くなった。何故なら「お前はお粥も探せないのか」と自分が責められているようだったからだ。
 でも彼は私が何故機嫌が悪くなるのか分からない。「先に帰って良いよ」と5回言うと、彼は先に帰った。

「ごはんは作るなら作るけど必要?」とLINEで聞くと「いらない」と言われた。
彼が帰ってきた。その頃には私はおにぎりやおかずの漬物を広げていた。
彼は怒っていた。
「今日は疲れたからおにぎりとおかずだけで良い?」と聞くと怒っていた。
私は、他人がやらないと拗ねるのに自分はやらない彼に対して怒っていた。
私はそのお陰でずっとネガティブな言動を続けていた。「自分と親族以外は全員死ねば良いのに」と。実際、本当にそう思っていた。

「自分の思い通りにならないからって拗ねるのやめなよ、自分はやらないくせに」
「その(ごはんの)為に帰ってきたのに」と彼はチューハイを飲んでいた。

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