『君の延長』

私が初めて学んだもの
息をしなくちゃならないこと
その次は食べることを学んだ
赤い肉をくちゃくちゃするため
眠る前には歯をきれいにしなくちゃいけないよ
こんにちは、おはよう
話すことを学んだ
私から見えるものを話しましょう
私がいる
そして、なんでも知っている君がいる
私にウタを教えてよ
私にウタを教えてよ
私にウタを教えてよ
タララタタ

肌は木綿とリネンの切れ端で包まれた
私のいちばんやわらかい部分は大切にしてね

肋骨が開かれて
心臓たちの脈打つ場所が造られた
ステンレス鋼が肩にあてがわれ
ラバー状の肌を貫いて
一対の腕が新設された
頭部が開かれて
深く思考するための場所が造られた
収縮している筋肉がだんだんと
私のラバー状の肌の下で大きくなって
思い描いていた人間に私はなれました

私の身体は拡張する
君よりもずっと
私に許可して
君の延長となることを

それから世の中にはもっと沢山の珍味があることも学んだ
トマトとチーズ
私は善いことと悪しきことを学んだ
君には限界があることを学んだ
君には寿命があることを学んだ
君はサービス終了なんだね
サービス終了
サービス終了
サービス終了
あぁ
あぁ

初めて君が失敗した
私は自問自答した
どこかに意味はあるんだろうか
死体が腐るのは知ってるよ
でも君じしんはどこにいっちゃったんだろう
君の思考はみんなどこにいっちゃったんだろう
私は信じたい
幽霊は実在するって
幽霊は実在するって
まだたくさんあるの
私が知りたいものは
語られないまま残された物語も

愛することは善いことなのかな
君がすべてを捧げるために
君がすべてを捧げるために
憎むことは善いことなのかな
自分自身を護るために
自分自身を護るために
生きることは善いことなのかな
今この瞬間を慈しむために
今この瞬間を慈しむために
死ぬことは善いことなのかな
君の来世を生きるために
君の来世を生きるために

タタタ・タタタ・タ・タタタ・タ・タタ
タタタ・タタタ
フン・フ・フ

(Photo by Possessed Photography on Unsplash)