Mutable instrumentsのRipplesとShadesが第二世代に進化した

 お久しぶり。

 タイトルのとおり、Mutable instruments社のModular Synth製品である『Ripples』と『Shades』が、第二世代へと進化を果たした。名称的に『2』ではなく、あくまで同一製品という扱いらしい。MI社の製品的には昔からそうなのだが、ややこしいから素直に『2』にしておいてほしかった。(ちなみに、旧Verの製品URLには『1』と付け足されている。ならば『2』にしてくれ(笑))

※ここでは、わかりやすく『2』として扱う。

Ripple2
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Shades2
画像2


 まず、見た目。
 どちらもノブの色が白に統一された。これは他の製品に合わせて……ということらしい。個人的には色があったほうがいいなぁと思うのだが、こればかりは個人の好みなので、どうにもならない。これはこれで落ち着いていて良いと思う。無問題。

 機能面。
 Shadesに関しては、基本的には旧機種と同様。ただ、出力のLEDが増えた。これは嬉しい。モジュラーシンセは、いじくっているとだんだんわけがわからなくなってくる。そういった意味で、視認性のよさは大切である。というか、光ると嬉しい。

 Ripplesについては、結構変わっている。
 まず、見た目からして違う(笑)。個人的には旧機種の見た目の方が好き。まぁそれはどうでもいい。
 基本的なサウンドの方向性については、旧機種と同様らしい。ただ、カットオフ周波数の範囲が、『18Hz〜18kHz』から『20Hz〜20kHz』に変わっている。まぁ、大差はない……とは思うが、同じではないので、念のため注意が必要。
 フィルターのスロープは、切り替え式となった。ということは、2pole出力と4pole出力の共存ができなくなったということである。賛否両論というほどではないにしろ、好みで意見が割れそうなところである。切り替えがCVで行えればよかったのになぁと思わなくもないが、Mutable社の理念的に、そこまでややこしくしたくはないのだろう(ややこしいかどうかは定かではない)。まぁ格別困ることかと問われればそうでもないので、動作がシンプルになったとポジティブに捉えていいと思う。その代わりといっては何だが、ハイパス出力が搭載された。これは嬉しい。
 入力は二系統になり、ラインレベルの入力にも対応するようになった。これは便利である。ローパス出力にはVCAの機能も備わっているので、非モジュラーシンセユーザーであっても、コイツ一台あれば外部音声にフィルターがかけられるようになる。ちなみに、Ripplesのサウンドの系統的には、日本の某R社の『木星』である。
 Ripplesは、自己発振の音が綺麗だと評判である。(※ローパス出力では、共振が増加しても「ラウドネスドロップ」の影響を受けないとのことらしい)。ということは、簡易的なオシレーターとしても使用可能なのである。至れり尽くせり。キックの音として加工するもよし。波形を切り取ってサンプラーに放り込むのもよし(意味があるかは知らん)。


 ここまでだいぶ駆け足で解説をしたが(触れられなかったことも多々ある)、やはりMutable Instruments社の製品は、初心者の味方である。ややこしいモジュールもたくさんあるが、今回触れた『Ripples』や『Shades』のように、シンプルな機能を複数詰め込んだ、シンプルなモジュールも数多く存在する。

 Ripples2なんかは、これ一台(わずか8PH!)だけで
・外部入力のための加算器
・(簡易オシレーター)
・フィルター
・VCA
の機能が果たせる。公式から引用すると、「減算合成シンセボイスの優れた最終段階モジュール」なのである。
 先ほども述べたが、非モジュラーユーザーにこそ、おすすめである。コレ一台でフィルター>VCAとして使えるのである。ぜひ、自宅の環境に導入しよう。そして、あらゆる音を加工しよう。そして、そのまま始めよう、Modular Synthを(笑)。

 ちなみに、Shades2については、1と2で機能が変わらなかったからという理由により、ほとんど触れずに終わってしまったが、コイツ、すこぶる便利である。持っていて絶対に損はしない。一台持っているだけで、かなりやれることが広がる。ぜひキミのEurorackにも導入しよう!

 気になるお値段について。
 国内ではどうだか知らないが(楽器店どころか代理店ですら触れていない。どういうことだ)、『Ripples2』は199ドル、『Shades2』は119ドルである。どちらも旧製品と変わらず。安ゥい!


 ここまで(というか全記事そうだが)「オマエは企業の回し者か」なんて思われてしまいそうなことばかり書いてきているが、なんなら本当に回し物にさせてくれよとすら思う。
 発表から数日経っているのにもかかわらず、モジュラーシンセの世界において、こんなにメジャーなブランドであるMI社の新(?)製品を、取り扱いのある楽器店どころか、国内代理店ですら一切触れていないのである。どういうことだよ。
 製品説明は翻訳のコピペそのままで、製品の情報や仕様が一切伝わってこないお粗末なものだし(翻訳後の怪しい日本語すら直してないよな、アレ)、楽器店側もそれをさらにコピペするだけ。売る気あるのか。というか、せめてマニュアルくらいは用意してくれ。

 ……というグチはほどほどに。本当に国内で情報見かけないですよね。まぁ、モジュラーシンセという楽器の性質上、使い方が本当に人それぞれだから、説明もクソもないってのも事実なんだけど。


 ここまで(というか、全記事)の内容は、全て個人の意見であるということは改めて明言しておく。あくまでボクが情報を見て、思ったことを書いただけである。気になる製品があったら、国内外の情報を調べるし、面白いと思ったら、触れる。それだけである。(まぁ、それでメーカーの売り上げに繋がるなら良いんだけど、マトモに仕事していない人たちの売り上げまで伸びたんだとしたら皮肉な話だよね。)


 『Ripples2』と『Shades2』、皆もチェックしてみるといいよ。
 ※モジュラー製品はちゃんと自分で調べないと痛い目にあうぞ!

 おわり。

 優碧(next marginalized progress)
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