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【ベンチャーマネジメント】引き継ぎの反省ポイントまとめ

※この記事は「ログラスサマーアドベントカレンダー2023」の3日目の記事です。明日はPdMチームの結城さんになります!楽しみ!

こんにちは!浅見です。「良い景気を作ろう。」をミッションに掲げるログラスで、PMMをしています。

私はログラスにジョインしてまもなく2年が経とうとしている(あっという間すぎて怖い)のですが、この度、入社から関わっていたカスタマーサクセス業を完全に引き継ぎ、PMM&新規事業開発に専念することになりました。

カスタマーサクセス組織の立ち上げから創業メンバーと関わり、責任者としても多くのことを任せていただいたのですが、組織がスケールするなかでより適任な方にマネジメントをお任せしていくべきという点、そして自分自身も事業や会社の成長によりレバレッジが効くポイントに集中するという点からマネジメントを引き継ぐことにしました。

"マネジメントを引き継ぐ"、というのはラベル上は簡単に見えますが、実態としてはとてもとても難しいものです。特にベンチャー企業での難易度というのは、引き継ぐ方、引き継がれる方の双方にとってかなり重たいコストだと思っています。

理由として、
・そもそもリソースに余裕がない状態のため、抱えるコスト負担が大きい
・自身が立ち上げてきた経験値をもとに進んでいるものも多く、引き継ぎ要素が現役マネージャーの中に閉じてしまいがち
・組織や事業が急激に変化しているので、そのまま踏襲すればいいわけでもない

などなどがあがりますが、書いていて改めて引き継がれる側の大変さをかみしめて、受け止めてくださって本当に感謝や・・・という気持ちになっています。

ログラスには、"But we go"というバリューがあります。(通称バウィゴ)
これは、先々にある高い壁を必ずと超えることができると信じながら、それを超えていくためにも、今目の前にある最も厳しい現実を受け入れていくというバリューです。

引用:ログラス採用資料より

今回私も引き継ぎをさせていただくなかで様々な試行錯誤をしたのですが、うまくいったこともあれば、大きな反省点もありましたので、"But we go"のバリューに基づいて、しっかりと現実を受け止めて振り返りをし、今後も成長し、変化を続ける未来の組織や同じような悩みや壁にぶつかっている方の力になれればと思います。

なお、マネジメント引き継ぎという重要性の高い内容を取り扱うにあたって、半端な気持ちでは書けないと思い、かなり本音ベースで綴っています。
生々しいお話もあるのですが、どうぞフラットに受け止めていただきながら読んでいただければ嬉しいです。

本題にいく前の大前提

内容については引き継いでいただく側であったsekiさん(のちほどご紹介)にも確認をいただいております。その上で、片側であるマネジメントを引き継ぐ側としての視点で書かれていることをご承知おきください。

"引き継げた"とはどんな状態か

まず誤解を恐れずに言えば、"引き継ぎ=引き継ぎ資料を作成する、任せる"では決してないです。もちろん必要な要素ですが、あくまでプロセスの一部にしか過ぎないと考えています。

前述の通りですが、事業や組織というものは絶え間なく変化をしていきます。とした時に、今まで自分がマネジメントとしてやっていたことが今後の事業の成長においてはやるべきでないことになる可能性もあります。

だからこそ、引き継ぎはやってきたことを伝えて終了ではなく、"これから向き合うべき課題を一緒に考え、その実行をお任せする"までいってはじめて引き継ぎができたと言えるのです。

イメージ的には、リレーでバトンを渡すようなイメージです。

(参考)浅見自身の引き継ぎのあるべき姿イメージ

リレーって、バトンを渡す前に今の走者と次の走者が並行して走る区間がありますよね。
まさにマネジメントの引き継ぎもそんな感じだと思っていまして、一緒に並走し、同じ、もしくはそれ以上のスピード感を引き継ぎ先の方がもてるようになったタイミングでバトンを渡すことがとても大事です。

引き継ぐ側(私)の反省

そんな偉そうな口で語っておりますが、実際にバトンをお渡しできるようになるまで、私自身はめちゃくちゃ失敗をしました。おれみたいになるな!といったしくじり先生風にこの失敗・反省をまとめておきます。

相手がどんな風にバトンをもらいたいか意識できていなかった

私自身、引き継ぎにおいては相手を安心させたい!という気持ちから、率先して最初に引き継ぎの進め方やスケジュールを引いたのですが、これが思ったよりもその通りに進まないことが多面的に見られました。

これは、私自身が考える"あるべき姿"ありきで仕事を進めているという独りよがりなところが露呈しており、本当に至らないところでした。
本来的には相手としてどのような状態でマネージャーを引き受けたいか?進めていきたいか?という部分を擦り合わせて進めていかなければいけない点であったと強く感じています。

結果的に、私自身の評価フィードバックでは以下のようなコメントを上長でもあった代表・布川さんからいただいており、本当にその通りだな・・・と強く反省をしました。
(自身の反省を適切に伝えるためにも、あえていただいた評価フィードバックの内容をままで載せます)

More
・自分の良いと思ったこと、そうあるべきと考えていることに対しては既定路線として話を進めているのではないかと感じてしまう部分が稀にあるため、議論の場においては自分のスタンスを持ちつつも他者の意見に対しても柔軟にハンドリングできるような姿勢が常に見られるとより良い
-複数の関与者から同様のFFが出てきており、ニュアンスは異なるが最も大きな改善すべき点と言える。「自分の意見を最終的に通したいと感じてしまう」「浅見さんご自身の中の明確な答え、方針に近い回答が求められていると感じることがある」といったコメント

布川さんから浅見への評価フィードバックから引用

(補足)
ログラスでは"Feed forward"というバリューがあり、未来に進むための対話を評価フィードバックの面談や日常の1on1で実施しています。
上記のようなコメントも、私自身や組織のあるべき姿へ進むための"Feed forward"としていただいています。ありがたい。
また、便宜上いただいたフィードバックのMoreしか転載をしていませんが、実際にはそれと同じレベルの濃さでGoodポイントもコメントいただいており、とても前向きな気持ちで面談を終えられています。
このバリューの詳細については、以下のnoteを読んでみてください。

タスク以外の引き継ぎに対する意識が弱かった

マネジメントの引き継ぎは、その機能がもつタスクに意識がいきがちなのですが、マネージャーとして期待される行動や発揮すべきバリューについての引き継ぎがもっとも重要です。
特にベンチャー企業におけるマネージャーの役割は、変化の激しいなかでどう事業を成長させ、チームを導いていくか?ということが求められており、この難易度は非常に高いものだと考えています。

ベンチャー企業向けの研修事業を展開するEVeM代表の長村さんも、ベンチャーマネージャーの重要性について以下のように主張されています。

私は起業家と同じくらい、ベンチャーマネージャーは重要な存在だと思っています。

0から1を生み出す起業家は、世の中を進化させる素晴らしい存在だと思います。ですが、どれほど良いサービスを生んだとしても、そのサービスを拡大するために組織を作る、収益を作る、仕組みを作る、このようなことができなければ、せっかくの素晴らしいサービスも日の目を浴びることなく世の中から消えてしまいます

会社を取り巻く環境の変化が激しく、また競合が続出し、自社の状況もコロコロ変わる中で、組織を率いて事業を拡大させていくベンチャーマネージャーの仕事は非常に難しい仕事ですが、企業としての持続的発展にはその存在は不可欠です。
良いベンチャーマネージャーがいるどうかでベンチャー企業の成否は変わると言っても過言ではありません。

素晴らしいサービスを持続発展可能なものにし、真に世の中に貢献するためには、起業家と同じくらい「ベンチャーマネージャー」が必要だと考えています。

【スライド約300枚】ベンチャーマネージャーのマニュアルより引用

そのため、本来的にはログラス社のマネージャーとして意識すべきマインドセットや行動などを主軸に引き継ぎは行うべきなのですが、初手の私はタスクベースしかお渡しができておらず、恒常的な業務等についてはお渡しが進んでいくものの、イレギュラーの発生やイシューが発生した際にはその都度で目線合わせが必要な状況を発生させてしまっていました。

工夫して取り組んだこと

細かな反省はまだまだたくさんあるのですが、上記のような反省を踏まえて取り組んだことも書いていきます。

基本的には、一子相伝的な形にならない推進システムをつくることが大事だなというのが結論です。
なお、考え方は先述のEVeMさんのマネジメント研修で学んだことをベースに、ログラスとして運用するには?というのを自社、そして自分なりに解釈して進めていきました。

EVeMさんの研修はとても実践的であり、かつベンチャーに特化しているのでめちゃくちゃ学びが深かったです!おすすめ!!

型に沿って進め、共通認識を作った

引き継ぎのスピード感や進め方について共通認識をつくる上でも、カスタマーサクセス組織で推進されているタスクを分解し、それぞれについて誰が意思決定を担うのか?実務を担うのか?というのを明記することをはじめました。

その上で、意思決定やマネージャーとして担うべき実務を段階的にお渡ししていく形(下記写真の黄色部分のようなイメージ)をとり、この範囲をどんどんと広げていくことで引き継ぎを進めていこうというシステムです。

(参考)カスタマーサクセスタスクの責務分担リストの一部

このシステムをとることで、以下のようなメリットを得られました。

  • 意図的に一緒に走る仕組み(バトンの受け渡し区間)を構築できる

  • 双方の目線があった状態で引き継ぎを推進することができる

  • 引き継ぎ項目を漏れなくダブりなく(MECE)な状態に整理することができる

  • 引き継ぎの進捗が可視化されるため、感覚的ではない地に足付いたPDCAを回すことができるようになる

  • 引き継ぎ期間はチーム内でも「これって誰に聞けばいいのか?判断を仰げばいいのか?」などがあいまいになりやすいため、これをみることでチーム内の共通認識も取りやすくなる

洗い出してみると「こんなボールも落ちていた!」みたいなものも見つけられるので、マネジメント引き継ぎ観点だけでなく、現行体制を整理する意味でもこの取り組みはおすすめです。

マネージャーバリューに則った意識合わせをした

これは、基本タスク以外の行動やマインドセット等についての引き継ぎに関する取り組みです。

ログラスには、マネージャーに求められる行動規範となるマネジャーバリューというものが存在します。1年ほど前、複数のマネージャー体制となったタイミングで、共通の目線をもつことを目的に代表布川さんとCTO坂本さんにて設定しました。

(参考)マネージャーバリューについてまとめているNotion

内容の通りマネージャーバリューは随時アップデートする前提ではありますが、マネージャーとしてあるべき姿の幹となっています。
そのため、これらをベースに現行のチーム状況を踏まえたあるべき姿を言語化し、引き継ぎする方が推進すべき点をNextActionとして設定することで、行動面の引き継ぎを進めていきました。

(参考)マネージャーバリューに則ったカスタマーサクセスチームの引き継ぎ

タスク以外の領域は、求めるものが極めて抽象的になりやすいのがベンチャーマネージャーの難しいところなのですが、このような共通言語をもとに会話していくと双方の目線が合わせられるようになり、考え方や行動をアップデートしやすくなっていきます。

おわりに

このような形で、自身としての反省がありつつも、最終的によい形で引き継ぎをさせていただいたカスタマーサクセス部ですが、今後はCOOの竹内さんが経営としては関与しつつ、国内最大手のSIerでシニアマネージャーとしてご活躍されていたsekiさんにマネージャーを担っていただいています。

sekiは2004年に新卒で国内大手SIerに入社し、それから17年の月日をその会社で過ごしました。直接金融を支える社会インフラシステムプロジェクトの営業職に従事した後、コーポレート部門の戦略スタッフ等を歴任、最後の数年間は国内大手SIerの矜持として挑んだ、国産クラウドインフラサービス事業の商品企画や事業企画業務にシニアマネージャーとして従事していました。その後、従業員150名ほどのSIと人材ビジネスを営む会社で事業戦略の策定や管理会計等事業を支える仕組みづくりに事業企画部長として従事し、その後ログラスに入社しています。

従業員10万人超規模のシニアマネージャー、従業員150人規模の事業企画部長を経た41歳が、世界観に共感しシリーズAスタートアップに飛び込んだ話より引用

sekiさんは非常に視座高く事業や組織に向き合われている方で、ここまで私が力技でやってきたような取り組みもしっかりと言語化し、仕組み化を進めてくださっています。

ログラスのミッションやプロダクトの未来像に強い共感をしてご入社いただいていまして、そんなsekiさんの素敵な入社エントリもぜひご覧ください!!!

ベンチャー企業におけるマネジメントの引き継ぎはとても難易度が高く、バトンを受け取る人も渡す人も本当に多くの負担を抱えるのですが、経験をしてみて一定の再現性はあると感じられたので、私の反省が今後のログラスや、同様の局面を迎えている他社の方のお役に立てれば嬉しいです。

採用狂気やってます!

最近ブラックホールのごとく採用しているともご評価いただくログラスですが、がんがん採用活動やっています。

ただこれは布川さんも発信されているようにたゆまない日々の活動によるものであり、ミッションの実現、事業の成長のためにも素敵な方々と一緒にお仕事がしたいと思って頑張って活動しています。

代表の布川は、常日頃から「ログラスマフィアをどんどん輩出したい!」という言葉を繰り返し社員にメッセージとして伝えています。
これは、ペイパルマフィアになぞらえて、社会にインパクトを与える人材をログラスから生み出していきたいという想いが言葉になっています。

現在もビジネス・開発・コーポレートなど多くのポジションで募集をしており、まだまだ組成フェーズのチームもあるので、ミドルマネージャーをされていた方の活躍ポイントがたくさんあります!

私が新たに立ち上げたPMMについても超絶募集中です!!!

今のタイミングは、新規事業の立ち上げとグロースの両面に注力しているシリーズAのフェーズだからこその面白さが詰まっていると思います!!!

また、あわせて新規事業部門での採用活動もはじめました!
こちらは事業開発経験問わず、PMMと一緒にセールス・カスタマーサクセスと幅広くビジネス推進を担っていただける方を募集させていただいています!

ミッションへの共感はもちろん、何か大きなことを成し遂げたい!そのためのキャリアを歩んでいきたい!と考えている方の募集を熱狂的にお待ちしております!(待つだけでなく、僕らからお声がけもします!)

最後まで読んでいただき、ありがとうございました!

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