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『日本の税は不公平』全文公開:    第1章のまとめ

日本の税は不公平』(PHP新書)が3月27日に刊行されました。
これは、第1章のまとめ全文公開です。

第1章のまとめ

1.自民党のパーティー券キックバック問題は、政治資金規制法が課す政治資金収支報告書記載義務違反の問題とされている。しかし、これは、脱税問題として捉えるべきではないか? 国民の怒りは、その点に向けて爆発している。

 2.政治資金を非課税とする理由は、薄弱だ。パーティー券収入が非課税なのがおかしい。国会議員の収入には、非課税のものが多すぎる。

 3.パーティー券収入が非課税でも、使途自由のキックバックは課税収入のはずだ。それにもかかわらず、これが脱税問題とされないのは、まったく理解できない。うやむやのままに終われば、税制に対する国民の信頼が崩壊するだろう。

 4.自民党裏金問題は、納税義務において、政治家が一般国民と別扱いされていることを明らかにした。国民の怒りは、その点に向けられている。高齢化社会で負担が増すことは避けられないが、負担の公平が確保されていなければ、それを乗り切ることはできない。

 5.フランス革命もアメリカ独立戦争も、税に対する不満が原因で起きた。今回の裏金事件がうやむやのうちに終われば、「ただし日本は例外」と注記しなければならなくなる。

 6.アウグストゥスが作った優れた税制のために、ローマ帝国は、革命によって滅びることはなかった。



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