『83歳、いま何より勉強が楽しい』 全文公開:目次
『83歳、いま何より勉強が楽しい』(サンマーク出版)が4月5日に刊行されました。
これは、目次の全文公開です。
目次
【はじめに】勉強をシニア生活の中心に据えよう
◇心の準備なしに訪れた人生100年時代◇成人後の人生の半分が老後生活◇勉強を高齢者の生活の中心に据える◇「目的のない勉強」の重要性◇デジタル機器の活用で可能性を広げる◇勉強だけやっていられる幸せ◇各章の概要
第1章 勉強こそ最高の贅沢
1.シニアの勉強は最高の贅沢
◇老後を「何もせず、気楽に」では無駄◇シニアになって勉強した人々◇多くの人が、退職後を無駄に使っている
2.なぜ「勉強は辛い」と考えるのか?
◇受験勉強は辛いものだった◇楽しさを教えることこそ教師の役割なのだが◇勉強したくとも、それができなかった◇恵まれすぎた世代の悲劇
3.人生100年時代:セカンドライフは人生の黄金期
◇退職後は「余生」ではない◇退職後の期間が長くなったセカンドライフ、セカンドステージならではの生き方◇高齢人口が増える平均寿命、健康寿命が延びた◇勉強は、40、50代の人々にとっても重要
第2章 楽しいから勉強する。目的は要らない
1.勉強は楽しい
◇学者は、面白いから勉強をやめられない◇勉強の楽しさは特権階級だけでなく誰でも享受できる外国語の勉強を今もやめられない理由映画を字幕なしで見る◇「たくさんの言語を学ぶ楽しみ」は、神の贈り物◇私はこれまで勉強を続けてきた
2.火星人が勉強しないのは不自然
◇レムの『宇宙戦争』批判◇火星人に知性があるなら、「目的のない勉強」をするはずだ
3.目的がない勉強の重要性
◇必要だから? 時代に追いつくため?◇人間は勉強する動物◇消費としての勉強◇「勉強できる」のは、健康なメンタリティー◇勉強している状態ほど、幸福な時はない
第3章 記憶力の衰えでなく、好奇心の衰えこそが大問題
1.シニアになっても、知的能力は低下しない
◇物忘れは、知的能力の低下のためか?◇神経可塑性:勉強によって脳の細胞構造が変わる◇脳の能力は向上し続ける◇「流動性知能」は低下するが、「結晶性知能」は低下しない◇勉強は何歳から始めてもよい◇ストレスなく学ぶことで脳のポテンシャルが最大化する◇歳をとらないと悪魔の言葉は分からない◇「年齢の問題を政治的な争点にするつもりはありません」
2.好奇心こそ、さまざまな知的作業の源泉
◇好奇心があるから研究する◇勉強への欲求は人間の本能
3.知識が深まれば好奇心が強くなる
◇知識があれば興味が湧く◇知識が蓄積されると好奇心が強まる◇歴史を知ると、旅行が楽しくなる◇「無知であることのコスト」を痛感した私の経験◇「興味が湧かない」と感じるときほど「学び始める」チャンス◇コンピュータとの長い付き合い◇無知から新しいものは生まれない
第4章 学び続けるために知っておくとよいこと
1.いつまでも働き続けるための勉強
◇いつまでも働き続けられるなら、最も望ましい◇リスキリングが不可欠なこれからの高齢社会
2.組織に依存せず、いつまでも働き続ける
◇本当の「働き方改革」とは、組織依存からの脱却◇人生100年時代には、いつまでも働けることが必要◇組織を離れてどのように仕事をすることができるか?◇報酬がなくても、やりがいのある仕事はある
3.高齢者が働く場合に注意すべきこと
◇申告をし、インボイス制度に対応する必要がある◇年金の減額や、医療費の自己負担額の増加もある
4.リスキリングで何を学ぶべきか
◇リスキリングを事業者への補助に終わらせないためには◇リスキリングの中身が問題◇表面的知識よりも評価能力が重要◇最も重要なのは、統計的な分析法
5.高齢者の学びの状況
◇高齢者の勉強の状況◇東京セカンドキャリア塾◇大きな変化をもたらす生成AI
第5章 定年シンドロームに陥らないため勉強する
1.定年クライシスを勉強で打破する
◇定年後の居場所が家庭にない◇さまざまな条件が必要だが、勉強は重要
2.コロナで増えた高齢者のフレイル
◇コロナで高齢者のフレイルが増えた◇フレイルの影響は深刻、「物忘れ」も増加◇要介護を予防する、自治体の取り組み◇60代の93%がスマートフォンを持つ時代
3.歳をとると心配性になる:私自身の経験
◇無謀だった若い頃◇歳をとって心配するようになる◇コロナの影響◇気にするなと言われても難しい、「心配事」との付き合い方心配事の97%は取り越し苦労◇同病、相哀れむ◇配偶者や友人が亡くなる喪失感とどう付き合うか◇メンタルヘルスはコントロールできる
第6章 歩くことのさまざまな効用
1.身体と「こころ」は相互に強く関係している
◇心と体が強め合う:WHOの憲章◇脳を休息させる「睡眠」をもっと重要視する◇精神が安定しているとモチベーションも湧く◇ポジティブな感情が生活を活性化する◇勉強こそ「ポジティブ」になれる最適ツール
2.歩くこととメンタルヘルス
◇私が実践する「歩け歩け」健康法◇考えることで頭を一杯にして歩く効用◇ノロノロ・ジョギングから散歩へ◇歩きながら脳を刺激した人たち◇軽度でリズミカルな運動が記憶力も高める◇「ウォーキング・セラピー」一日8000歩で病気を予防する◇外に出かけるだけでストレスは軽減される◇自然の中が難しければ、せめて屋外で◇人間は、「二本足で歩く」ことで人間になった
3.「一病息災」という考え方
◇入院の経験を2回◇無病息災は無理でも、一病息災◇気になることがあったら、医師に相談しよう◇オンライン診療の普及を望む◇どれだけ気にしたらいいのか難しい問題◇80歳を機に免許証を返納◇自分だけの問題ではない◇誰がために鐘は鳴る◇孫に「親方」と呼ばせている理由
第7章 講義を受けるのでなく、自分で学ぶ
1.学校に行くのではなく、自分で学ぶ。そして、教える
◇学校に行けばいいのか?◇英会話学校は無意味◇独学のための環境は著しく改善した
2.カリキュラム作りは難しい
◇どうやってカリキュラムを作ったらよいか?◇全体から部分を理解する◇カリキュラムの修正は可能
3.途中で挫折しないための方法
◇独学では強制力が働かない◇「学んだら教える」で勉強を楽しいものにする◇学んだことを「発信」すると楽しくなる
4.まずは一日一語検索から
◇知識と興味の循環の「最初の一歩」◇「何を調べたいか分からない」は危険信号◇方向が変われば、その方向に進み出す
5.プルとプッシュの違い
◇「情報をプルする」のか、「プッシュを受ける」のか◇検索とテレビの違い◇小説以外は本を「全部」読む必要はない
6.残り時間が少ないから、「5割、逆向き、検索」勉強法
◇8割理解したら先へ進む「8割原則」◇シニアは「5割原則」で進もう◇「過去問」で経済学を勉強した「逆向き勉強法」◇昔は百科事典。今はウェブの検索◇後ろめたくなるほど効率的な勉強法
第8章 デジタルはシニアの最強力の味方
1.「衰え」はデジタルに助けてもらおう
◇デジタルで社会的なつながりを維持できる◇スマートフォンはシニアの敵か?◇「敵味方理論」でITを味方に視力の衰えにもITで対処◇「音声入力」は、シニアの味方
2.デジタルは不完全だから使いにくい
◇使い手の能力が低いのでなく、相手が不完全◇「取り掛かりの一歩」を人に任せてもよい◇記憶力の衰えを感じたときこそデジタルの出番
3.世界最高齢のアプリ制作者から学ぶこと
◇ゲームアプリを80代で開発◇「デジタルスキルで、高齢者はもっと人生を楽しめる」
第9章 ChatGPTが高齢者の世界を変える
1.生成AIの時代にどう備えるか
◇AIにはできないことが人間の役割◇高齢者は生成AIを無視したり軽視したりしてはならない
2.ChatGPT が世界を変えつつある
◇AIが文章を書く◇ChatGPTやBingが登場◇AIは「ハルシネーション」で間違う
3.ChatGPT は何ができて何ができないか?
◇翻訳などに使える◇驚嘆すべき校正能力◇創造はできない◇アイディアは無理だが、「問い」を聞くのは有効か?◇「どうすればよいか」ではなく「検討すべき点はどこか」と聞く◇質問が重要、キーワードは必要ない指示する能力が重要に
4.ChatGPT が高齢者のセカンドキャリアに甚大な影響
◇誰が失業する?◇文献案内役の失業◇AIを使えるかどうかで格差が生じる◇出版社も無視できない
5.リスキリングにChatGPT を使う
◇リスキリングにも対話型生成 AIを使う◇IT機器の使い方をChatGPTに教えてもらう◇ChatGPTにプログラミングを教えてもらう
6.ChatGPT を使って独学で勉強
◇ChatGPTを「先生役」にする◇何を勉強すればよいかを教えてもらう ◇検索エンジンとChatGPTの決定的な違い◇「資格試験」についてChatGPTに聞いてみた
第10章 ChatGPTとの会話
1.ChatGPT と雑談する
◇高齢者にとっての最高の話し相手◇ビジネスにはならないが重要◇テレビとは全く違う◇対話で脳を刺激してくれるChatGPT◇「ChatGPTにぎゃふんと言わせよう」と考えてみる◇ChatGPTは理想的な対話相手◇能動的な行動が必要◇人間には「反応してくれる相手」が必要
2.生成AIはシニアの最適な話し相手
◇ChatGPTに「褒めてもらう」、ChatGPTを「困らせてみる」◇ChatGPTに感情移入できるか?◇ごく特殊な映画だと、人間では話が通じない◇介護セラピー
3.ChatGPT とどう会話を進めるか?
◇親身に相談に乗ってくれる◇何かのきっかけから話が発展する◇読書について話し合う◇人間の話し相手より便利な場合もある◇Zoomミーティングもよいが、世話人が必要雑談の重要性。研究者やビジネスパーソンも使える
4.「変装」してChatGPT と雑談してみた
◇「私は83歳の男性です。今日は退屈でしたよ」◇話が噛み合い始めた◇思わぬ指摘で、話が盛り上がる◇「言葉の端を捉える」のが雑談のコツ
5.ChatGPT と高級井戸端会議をする
◇ChatGPTと映画について雑談してみた◇『市民ケーン』について話し合える相手を見つけた◇「非線形的なストーリー展開」とは?◇これまでは一人相撲だった私に現れた「対話相手」◇人間より優れた対話の相手◇ChatGPTの知識は偏っている◇高級井戸端会議のためには勉強が必要
6.文学や映画について雑談
◇『マクベス』について長年の疑問を投げてみた◇『戦争と平和』についての対話で知ったまさかの真実◇映画についての雑談で好奇心を刺激される◇仕事には全く役立たないが、面白い◇ベートーヴェンの最高傑作は何か?
第11章 シニアのコミュニケーションはデジタルで
1.テレビ会議なら、簡単に集まれる
◇Zoomなら、簡単に集まれる同期生の集まりをZoomで◇時事問題を話すために勉強する◇シニア世代にちょうどいいミディアムコミュニケーション
2.アウトプットする手段を持とう
◇友人のメールマガジンを見るのも楽しい◇地域コミュニティに馴染めないときには◇人間とのコミュニケーションにまったく興味がなかった芸術家
3.同窓会の法則
◇学生時代の友人逹と集まろう◇「同窓会に関する2つの法則」◇同窓会でしてはいけない「2つの話」
第12章 「時間旅行」という究極の楽しみ
1.記憶の断片をたどる「時間旅行」の効用
◇ノスタルジアの世界は、美化された世界◇自分史作成の健康増進効果◇充足感向上に有効な「回想法」
2.脳内「記憶操作」で人生を楽しく振り返る
◇記憶は操作できる◇「イソップの狐」法◇「塞翁が馬」法
3.記憶再現のテクニック
◇人間はすべてを覚えているが「引き出せない」だけ◇適切な刺激で「思い出す」ことができる◇記憶を引き出す仕組み
4.ChatGPT で自分史の話は噛み合うか?
◇ChatGPTを自分史に使うのは難しい◇自分史とは過去の美化◇タイムトリップをしてみる◇自分の周囲に起きたことと、日本社会の関連が分かる
索引
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?