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コーチのためのスポーツ心理学③インナーエッジの全体像とは?

前回までのおさらい

これまでのnoteでは

・コーチは、選手のフィジカルや競技のスキルなどといったアウターエッジだけではなく、インナーエッジを鍛えて行かなければならないということ
・スポーツ心理学の知見を応用することで、インナーエッジを効率的に鍛えていくことができるということ
・スポーツ心理学には、大きく3つの目的があるということ

についてまとめてきました。

今回は、これらの内容を踏まえ

インナーエッジは、どのように構成されているのかという

インナーエッジの全体像

についてまとめていければと思います。

インナーエッジの全体像

(Vealey,2023を参照に作成)

インナーエッジの全体像は、上記の図のように説明されています。

以下では、

コーチング哲学モチベーションコミュニケーションリーダーシップチームの結束力といった基礎的な部分について

ゴールマッピングイメージP3思考リラクセーションなどといったメンタルトレーニングツールについて

注意集中エネルギーマネジメント自信といったメンタルスキルについて

の①〜③に群分けし

それぞれの群がインナーエッジの全体像において

どのような役割を果たしているのかまとめていければと思います。

①基礎的部分

以前のnoteでも少しまとめたことがありますが

コーチとしてコーチング哲学を持つということは、安定し、一貫した基盤を提供する最も基本的な構成要素であるとされています。

その上に位置するモチベーションは、個人的に「心技体」の言葉でイメージされる「心」の正体なのではないかと感じています。

モチベーションは、コーチのコーチング哲学をアスリートの行動に変える活力剤であるとされています。

その上には、コーチの能力としてのリーダーシップコミュニケーションという人間にとって不可欠なスキル、チームの結束力といったものがインナーエッジの基盤になるとされています。

これらの構成要素のどれかが欠けてしまう。

すなわち、基盤が揺らぐということは、選手のメンタルスキルが乱れ、三位一体が不安定に傾き、必要なバランスを失いかねないということです。

なので、この①の基礎部分の理解度をコーチ自身が高めておくこと、意識することは、メンタルトレーニングを行うよりも前の段階として重要になってくる部分であると言えます。

しっかりとした基礎固めができた上で

コーチとアスリートがメンタルトレーニングへと進む準備が整うとされています。

なので、うまくいかないから付け焼き刃でメンタルトレーニングを取り入れてみるということでは、うまくいかないことが多いでしょう。

また、メンタルトレーニングをチームに取り入れているけれども全く持って結果がでない、心理学なんてやっぱり効果がないんだ!

と思うのではなく、そもそもメンタルトレーニングに進む段階にチームは、自分自身はあるのか。ということを見直してみることも必要かもしれません。

②メンタルトレーニングツール

これは、超個人的見解ですが、①でしっかりとした基盤が構築されていれば、ここからのメンタルトレーニングツールというものは、あくまでツールであり、ツールの発想をうまく転換しながら選手のメンタルスキルを向上させていく必要があると感じています。

コーチがアスリートのメンタルとフィジカルのスキルを高めるために4つのメンタルトレーニングツールがあるとされています。

選手が目的をもって計画を立て、積極的に目標を追求するためのツールとして、ゴールマッピング

選手がスポーツで成功するための方法を視覚化するためのメンタルトレーニングツールとしての、イメージ

アスリートがより目的意識を持って生産的に考え、対応するための戦略としての、P3思考

アスリートが身体の緊張を確認し、軽減するためのツールとしての、フィジカル・リラクゼーション

これらのツールはすべて、コーチや選手が使用することができるメンタルトレーニングの一部で、インナー・エッジを開発し維持するために必要なツールです。

③メンタルスキル

そして、インナー・エッジを達成するためには、3つのメンタル・スキルが必要であるといわれています。

アスリートがスポーツにおいて最適なパフォーマンス、成長、経験を達成できるかどうかは、注意を集中し、競技エネルギーを管理し、自信を持って競技に臨むことができるかどうかです。

メンタルトレーニングツールは、アスリートのメンタルスキルを高めるために使用されます。

そして、アスリートが集中力、自信、エネルギーマネジメントを高めるための一貫した生産的な環境を手に入れることができるように、メンタルスキルは基礎となるビルディングブロックの上に成り立っています。

まとめ

以上が、インナーエッジの全体像になります。

イメージやゴールマッピング(俗にいう目標設定)などは、代表的なメンタルトレーニングとしてよく知られているとは思いますが、あくまでそれらは、メンタルスキルをトレーニングするためのツールであること。

また、それらのメンタルスキルの基盤には、コーチング哲学や、リーダーシップやコミュニケーション等があるなど

それぞれ大まかなイメージと言葉の意味は知ってはいるものの、インナーエッジの全体像という形式で可視化することによって、よりその分野の理解なども深まるのではないでしょうか。

今後のnoteでは、この基盤的な部分から順を追って内容をまとめていければと思っていますので、次回以降もよろしければご一読いただければと思います!

あくまで、僕自身の学びをアウトプットしていくことがメインのnoteになりますので、もう少し詳しく学びたいという方は、こちらの書籍を大きく参考にしていますので、ご自身でもチェックしていただければと思います。

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