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もう一度SaaS事業をやるなら「絶対にやらない3つのこと」

株式会社ベーシックの川鍋と申します。

弊社では、noteを活用して各個人が積極的に考えやナレッジなどを公開するという取り組みを開始しているのですが、私にも順番が回ってきましたので筆を取りたいと思います。

<既に公開済みの弊社代表及び役員のnoteはこちら>

ベーシックという会社をご存じない方も多くいらっしゃると思いますので、自己紹介も含め簡単に紹介させていただきます。ベーシックは2004年に創業し、現在は「比較メディア事業」と「Webマーケティング事業」を行なっている会社です。

代表的なサービスとして、

- 会員数44万人超のWebマーケティングに強くなるメディア「ferret」

- 無料で使えるメールフォームと顧客管理「formrun」

はご存知の方もいらっしゃるのではないでしょうか。


また、私の担当している事業として、BtoBマーケターの為のオールインワンマーケティングツール「ferret One(フェレットワン)」というものがあります。
月額課金のサブスクリプションモデルとなっており、いわゆるSaaSに位置付けられる事業になります。

直近約2年程、このferret One事業においてセールス責任者、CS(カスタマーサクセス)責任者、マーケティング責任者(←現在ココ)と歴任してきました。


しかしこの2年間は決して順調だったわけではありません。

今でこそ、有名大手企業や中堅企業への導入も増え、成果を実感頂いているお客様が増えてきましたが、当時はまだまだ多くのお客様に満足頂けていた状態ではありませんでした。

今思えばもっと早くこの事業を軌道に乗せることができたのではないかと反省することも多々あります。

そこで「もし今の私が2年前の状況に戻ったとしたら」何をして何をしないのかということを、過去を反省すると同時に今後同じフェーズにぶち当たるかもしれないSaaS事業に関わっている方に読んで頂けたら幸いです。


絶対にやらないこと①「最重要KPIとして受注件数を追うこと」

当時弊社では、新規の受注件数を最重要KPIとして追っていました
もちろん新規契約がなければ事業はグロースしていかない為、非常に重要な指標の一つではあります。
ですが、まだマーケットフィットしたとは言えないフェーズにおいては、受注件数を最重要指標にしてしまうと本来受注すべきでない(=プロダクトの提供価値を十分に提供することができない)顧客を増やしてしまうことにも繋がります。

そうすると、イレギュラーな対応が増えるわりには顧客の満足度が上がらない、ということが起こり、本来獲得したい顧客の獲得に注げるパワーを削いでしまうことにもなります。

新規受注件数を追わない、ということではないですが、マーケットフィット前のプロダクトにおいてはまずは「既存のカスタマーがサクセスしているのか?」を最重要指標にすべきだと思います。


絶対にやらないこと②「顧客のリアルな声から離れたマーケティング活動を行うこと」

ferret One事業ではもともと、誰でも簡単にWebマーケティングを実行することができる世界を目指し「Webマーケティングを大衆化する」というミッションを掲げてサービスの開発に入りました。
もちろん、弊社も長年Webマーケティングを実践してきている為、どんなことがマーケターの課題となっているのかを理解しているつもりでした。

しかし、多くの新規事業や新規サービスがそうであるように、本当の顧客の課題やペイン(解決したい悩み)は、実際に利用しているユーザーの声を聞かなければ分からない場合があります。

弊社でも顧客の導入事例や成果ヒアリングなど行う機会はありましたが、それらをプロダクト戦略やサービスのポジショニングにまで活かすことができていなかったように思います。顧客の声をプロダクト戦略にまで昇華・反映させるには、意思決定者が一次情報に敏感である必要がある為、なかなか難しい点もあるのですが、特にBtoBマーケティングにおいては何よりもまず顧客の声に耳を傾ける必要があると強く感じています。


絶対にやらないこと③「カスタマーサクセスの提供価値を見誤ること」

当時から当然弊社にもCSチームはありました。
しかし、現在ferret Oneでも提供しているような、導入を支援するオンボーディングプログラムはなく、ツールの操作方法やマーケティングに関するセミナーを開くなどのサポートを提供している状態でした。

顧客の声としては学べる機会が欲しいという声は当然その通りだと思いますが、本質的には弊社のツールを活用し、Webマーケティングの成果を上げることがツールを導入した時の期待値のはずです。

現在は、弊社のマーケティングフレームワークに沿ったオンボーディングを提供するようになり、圧倒的にツールの利活用が進むようになりました。
また、お客様の満足度も非常に高くなりました。

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(ferret Oneで提供しているオンボーディングプログラムの概要)

ツールをもっと活用して成果を上げる為のサポートをもっと早いタイミングから行うべきだったと感じています。

これらは、既にSaaS事業を運営されている、もしくは立ち上げようとされている方にとってはどこかで耳にされたことがあるかもしれません。

しかし「言うは易く行うは難し」とはよく言ったもので、何に今フォーカスすべきなのか、については迷いながら事業運営されているところも多いのではないでしょうか。


ferret Oneが解決したいこと

我々が解決したい課題は、サイトの運用環境が外部に委託(外注)もしくは社内のシステム管理部門となっていることによって「Webマーケティングの施策の実行スピードが遅くなっている」という課題です。

現在、Webマーケティングにおいて最も重要なことの一つがコンテンツや情報の積極的な発信です。

しかし、Webサイトの更新をする為に都度制作パートナーに見積もりをしてもらう、もしくは社内のシステム管理部門に要件を伝え、忙しい中でタスクを差し込んでもらわなければサイトの更新ができないという環境にある企業が大変多く存在することも事実です。

また近年、企業のデジタルマーケティングのニーズは拡大の一途を辿っている一方で、労働人口の減少(特にデジタルマーケティング人材の人材不足)の問題が顕在化しています。

この需要と供給のギャップを埋める為にも、各種マーケティングツールを活用してWebマーケティングを実行できる環境を整えていく重要性が高まっているようにも感じます。

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我々は、誰でも簡単にサイトのレイアウト変更やコンテンツの更新ができるCMS機能に加えて、フォーム作成や問い合わせ管理、ステップメール配信、A/Bテスト機能など多彩なマーケティング機能を揃えたツールの提供(と一部コンサルティング)を通して、上記の課題を解決していきたいと考えています。


先にも触れたように、ここまでの道のりは簡単なものではありませんでしたが、現在のferret Oneは既存顧客のサクセスにフォーカスし、顧客に寄り添ったオンボーディングプログラムを提供することで非常に多くの企業様に成果を実感頂けるようになってきました。

導入企業も300社を超え、様々な事例やユースケースが増えてきたことから、より自信をもってお客様のサポートを行うこともできるようになってきていると感じます。

ちなみに、2年前と比較すると受注単価は約4倍に、チャーンレートは約半分となっています。


<最近のご導入企業様の例です>

キリンビバレッジ株式会社 様

SBギフト株式会社 様

株式会社識学 様


上記でご紹介させて頂いたお客様以外にも多くのBtoB事業者様にご導入頂いています。

もちろん、まだまだ課題は多くあると感じていますが、より多くのお客様に成果をお返しできるようになってきたかなと思います。

過去の反省はありますが、様々なトライをしたからこそ良かったこと悪かったことが見えるようになり、組織や事業の血肉になっているのだなぁと実感します。


共に世の中の課題解決をしていく仲間を募集中!

そんなferret Oneでは、「BtoBマーケティングで成果を出したいが施策の実行及び運用環境が整っていない」という課題を解決すべく、マーケティング、セールス、カスタマーサクセス、プロダクトそれぞれのポジションで仲間を募集をしています。

現在導入企業社数は約300社ですが、3年後には1,000社まで導入数を増やす計画です。

まだまだ道のりは長いですが、日々多くの企業様の課題解決をできているという実感を感じると同時に、まだ世の中にはWebマーケティングの実行スピードを上げることができずに困っているお客様が多くいらっしゃるという事を考えると非常にやりがいのある事業だと感じています。

我々と共に大いなるチャレンジをしたいという方、もっと弊社のサービスのことについて知りたいよ!という方、是非お気軽にコンタクトをとって頂けたらと思います。

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※↑弊社の事業/組織紹介のスライドにリンクします。


【株式会社ベーシック】採用情報はこちら

最後までお読み頂きありがとうございました!

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