見出し画像

ヒゲの功罪

ヒゲを伸ばしてちょうど1年が経過した。こんなに伸ばしたのは生まれてはじめてだ。

きっかけはとあるきれいなお姉さんに「ヒゲ伸ばしてみたら?」といわれたことだった。きれいなお姉さんにいわれたことは断ってはいけない。その日から私のヒゲは増殖の一途を辿ることとなった。

私のヒゲは一般的な日本人男性と比べても生える面積、ヒゲのボリューム、長さ、どの側面を切り取っても優っていた。頬のもみあげすぐ横に一部あまり生えないところがあるのと、なぜか首は全くといっていいほど毛がないが、それ以外の部分には黒々としたヒゲが生い茂っている。「黒々とした」とは書いたが、本当に真っ黒な私の髪の毛とは違い、私のヒゲには白髪がぽつぽつ混じっている。


きれいなお姉さんからの提言はもちろん断ってはいけないが、私がヒゲを伸ばそうと思ったのは単純にヒゲ剃りがとかく面倒だったからでもある。上記の通り生命力の強い私のヒゲに日々対処するのは大変だった。朝剃っても夕方にはすでに少しざらつきを感じるし、剃る際はしっかり剃らなければならないこともあり、毎日カミソリを当てると今度は肌が荒れてしまう。持て余していたのだ。

かといって脱毛する気にもなれなかった。ある程度年齢を重ねた男性が、口周りだけひどく“ツルッと”しているのを見るにつけ、そこはかとない違和感を抱いていた。“コレジャナイ感”があった。


ヒゲを伸ばしたことで周囲からは様々な反応があった。男性からの評価は概ねポジティブなものだった。特にヒゲを生やしたいと思っている人からはこの毛量を猛烈に羨ましがられたりもした。今までもらった中で最大の賛辞は「神に祝福されている」だった。そこまでか…?とも思ったが、確かに今の私はどこぞの宗教で神として描写されがちなヒゲを携えている。いや、それはちょっと違うか。

一方で、女性からはネガティブな反応を受け取ることがたまにあった。「やりすぎ」や「ちょっと抵抗あるかも」といった感じだ。それを私に直接伝えても問題ないほどの仲の女性からしか言われていないことを鑑みると、実際にこのように捉えている女性は一定数いるのだろう。もしかしたらマジョリティかもしれない。道ゆく女性は私のヒゲを見て眉を顰めているのだろうか。

私自身は、ヒゲがあろうがなかろうがどちらでも構わない。ヒゲ剃りから解放されたという点では大きなメリットを感じているし、ここまで伸びたから愛着がないわけではないものの、そもそもヒゲが似合っているのかどうかはよくわからない。やはりここまで伸びると、「怪しい」といわれても何も文句はいえないのだ。


ヒゲを伸ばしたことの恩恵を強いて挙げるとするならば、ファーストインプレッションのインパクトだろうか。とりあえず驚いてもらえるし、一度会ったら忘れられない。ただもちろん、その反応がポジティブなものだとは限らないが。


今後このヒゲをどうしていこうかと悩んでいる。せっかくここまで伸ばしたから、いっぺんに全て剃るというのはなんだか勿体無いような気もする。それではさらに伸ばしていくのかというと、それこそ“宗教感”が強くなることは否めない。綺麗に整えるにしても、どのようなデザインにすればいいのか、正直よくわからない。それに「きっちり整えてまっせ!」みたいなのはどうにもあまり好きになれない。

さて、どうしよう。


「さて、どうしよう」と思いながら、気づいたら伸ばして1年になっていたので、きっと今後も、私は粛々とヒゲを伸ばしていくのだろう。先ほどここ1年ほどの私が写っている写真を見返してみたが、変に短い時よりも今くらいボリュームがある方がかっこいい。もっと伸ばすと、もっといい感じになるかもしれない…?どうなのだろう。

「こんなヒゲのスタイル、似合うかも」という提案があれば、ぜひ送っていただきたい。


それにしても、そろそろブランドのアー写をヒゲありバージョンに変えないといけないよな…はじめましての取扱店で、毎度びっくりされるから…


【çanoma公式web】

【çanoma Instagram】
@canoma_parfum
 #サノマ #香水 #フレグランス #ニッチフレグランス #canoma #canoma_parfum #パリ
#フランス

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?