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わたしも幸せになるんだ

 わたしは何事もゆっくりな生き物だが、この世界にはすぐに決めなければいけないことも多いわけで。

 今年の一月から転職を考え始めて、二月にはそれなりに動き始めていたけれども、結局踏ん切りはつかなかった。まだ今の会社に入ってから半年を満たしていなかったのもある。最初の会社は二ヶ月で、今の会社は半年以下だと話にならない。新卒でまったく新しい方向へ進んでいって、最初の「せーの!」で張り切りすぎてしまったせいで心身を壊して、今も大して変わらないけれども、少なくともわたしなりの歩き方は見つけた。

 四月に入って、わたしの創作活動をレーベル化することを発表した。これはわたしなりの決意表明でもあって、現状を打破するための一手でもあった。今は個人活動の延長線に過ぎないが、いずれは事業化を意識して拡大を行なっていく。創作家のためのスタジオをつくることはひとつの夢だから、大切にあたためていきたいと思う。

 ひとつだけ確かなのは、周りの目を気にせず、自分のペースでじっくりと歩んでいく覚悟ができたこと。どんなに時間がかかっても、自分自身だけを信じて、ゆっくり丁寧に歩いていく。わたしは一時的に短距離走者のような瞬発力を発揮できても長続きさせるのは難しいから、誰よりも良いものを時間をかけて作り上げられるようになる。もちろん、今書いているエッセイや単独の作品のように早く作れるものもあるので、そこは時と場合にもよるが、わたしは生き急ぐことを今後はやめる。

 十代の頃に上手くいかなかった物事を振り返ってみると、大抵は急ぎ過ぎたことにあった。今でもそうではないと言えないが、「もうすぐ死ぬんじゃないか」という強迫観念が根底にずっとある。幼少期から偏頭痛や皮膚のアレルギーを抱えていて、今も心身を痛めやすくて、あまり体調が良くない時でもわたしなりに戦う術を身につけることでやり過ごしてきた。ただ、次の作品が最後の作品になるという意識は常に持っているんだ。すぐに倒れてもいいように、いつ死んでもいいように、周りの畑は解説書付きで耕した状態にしておく。そうしたら、わたしのことが好きな人が次を作っていけるじゃない?

 不健康な生き方だと思うし、不器用すぎる生き方しかできないが、わたしは新しい家を探す。会社にも言っているし、残る可能性ももちろんあるよ。新卒二年目に大それたことはできないが、面白がってくれる会社や人に出逢えることを心から願う。

 わたしだって幸せになりたい。幸せになっていい。恋も、友情も、仕事も、人生も、もっと良いものであってほしい。このまま花を咲かせないままに枯らしてしまうのは悲しい。

 もう卑下するのはやめた。心にこびりついたネガティヴな気持ちこそ「せーの!」で捨てるべきだったんだ。

【筆者について】
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 2024.5.4
 坂岡 優

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