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言葉よどうか いつもそばにあり、これからの奇跡に全部形を与えてください

たった一言に救われることがある。たった一言で変わってしまう気持ちがある。忘れられない一言がいつも心にある。

わたしにとって言葉はとてもとても大切なもの。息を吸って吐くように、頭の中にいつも言葉が回っている。わたしはこう見えて?かは分からないけれど、大人数でいることは得意ではない。もちろん楽しかった思い出もちゃんとある。自分の結婚式なんて大宴会をしたわけなので、ちょっと説得力にかけるかもしれないけれど、本当はふたりがベスト。誰かとの会話も、旅行も、味わうことも、わたしのベストはふたりなのだ。じっくり、味わって、言葉を重ねたい。その中で訪れる言葉を超える瞬間や感動を求めているのかもしれないが。

相手を大切に思えば思うほど、言葉が出てこないときがある。まだまだわたしは言葉を知らないということもあるだろう。喉まで込み上げた想いを何度も飲み込んだ。

電話が苦手なのは、顔が見えず、言葉の心意が分からないことが怖いから。声色があるだろうけれど、離れた場所で、本当は眉毛を曲げて泣いてはいないのか気になってしまう。それでもメールよりはいいかなと思って、手紙を書く余裕がないときは電話をする。何度も書き直してとうとう渡せなかった手紙、ダイヤルを回して、かけるボタンを押せなかった日、伝えられなかった言葉たちはずっと心の中に静かに佇んでいる。

非対面のコミュニケーションがこれほどまでに当たり前になった世界で、どうやって心と心を触れ合わすことができるのだろうか、と考えていた。便利になった世界の恩恵をたくさん受けながらも、結局はアナログの世界なのだなと感じる出来事があった。世界が小さくなればなるほどに、遠くに感じてしまう人の心。スマホが1台あれば、どんな世界にも入り込めるようになったこの現代に、わたしたちは何か大切なものを代償に払っている気がする。

画面越しにどれほどエールを送っていても通じていないこともある。毎日想っても伝わらない気持ちがこの世の中にはきっとたくさんある。それなのに一目会いに行って、肩をポンと叩くだけで通じてしまう想いがこの世界にはあったりする。目と目を合わせるだけで、縮まってしまうもののか、消えちゃう蟠りとか。「あぁ、この人頑張ってきたんだな。」とか。ただの数分の会話でお互いぐっと涙が出ちゃうような、そういう時間こそが心に刻まれるのだということを再確認した。

何度も何度も、同じことを考える。こういうこと、前も考えた。わたしは恐らく、一生こういうことを考えるのだろうなあと思う。どの瞬間も嘘じゃなかった、と思える時間をもっとたくさん積み重ねたいと祈りながら。

言葉よどうか いつもそばにあり
これからの奇跡に全部形を与えてください
そうしてきみは小さな幸せ
宝箱いっぱいに集めて 世界を愛してください

マヨイガ/羊文学

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