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「私の犬が人を噛んだかもしれない。」犬に体罰は必要かを考える。

2023年7月27日。
散歩中の土佐犬がミニチュアダックスフンドに噛みつき、死亡させるという事故があった。
飼い主は82歳の高齢者。噛みついている自身の飼い犬を止めようともせず、ただ茫然と立ち尽くしていたらしい。

それもそのはず。
闘犬用に品種改良された土佐犬は大きいな個体では体重60キロにもなり、その性格は一般的に気難しく攻撃的。大型犬の中でもとくに飼育が難しく、専門的な知識を必要とする犬種なのである。
一度アンダーコントロールの状態に陥れば、82歳の男性に太刀打ちできる術はないはずだ。

イギリスフランスドイツなどの国では、土佐闘犬などの闘犬を『危険犬種』としてペット飼育の規制対象に指定されていたり、飼育が可能な場合であっても、口輪の装着など厳重な管理が義務付けられていたりする。日本においては、飼主のずさんな管理による咬傷事故が絶えないが、特に規制はされておらず、一部自治体にて規制されているのみである[6]。 

wiki pedia
土佐犬

どうしてそんな事故が起こってしまったのか。被害者側の投稿によると男性は最後まで、「噛んでないよ」の一点張りだったと言う。飼い犬と自分自身の飼育能力への過信が起こした悲しい事故。
はらわたが煮えくりそうになる一方、自分の経験を振り返る。
今回の事故は決して他人ごとではなかったのだ。話は数年前、ある夏の日にさかのぼる。


うちの犬が、人を噛んだらしい。まさに「まさか」である。
クーパー。犬種はバーニーズマウンテンドッグ。
4歳の男の子だ。

超大型犬に分類されるこの犬種は、もともと雪山で大きな荷物を運搬していたような犬。
それが日本の狭いアパートで生活しているのであればなおさら、健康やストレス解消のための毎日1ー2時間程度の散歩は、重要任務だった。

クーパーと私

普段はおとなしく家で騒ぐこともないからこそ、運動不足ではストレスがかかってしまうかもしれない。

その日はちょうど梅雨入りから数日後。
クーパーはもう、2日も散歩に行けていなかった。

気がかりにしながらその日が終わりかけた深夜1時すぎ、窓の外で降り続いてた雨が、一瞬止まった。
私たちはそんな「ラッキーな晴れ間」を逃さないよう、散歩の準備にとりかかる。

クーパーの世話には役割分担があり、夫が散歩に連れて行っている間に私が小屋の掃除を終わらせるのが、毎日のルーティンだった。

その夜も夫はいつも通りにクーパーにリードを付け、「いってきます」と玄関から出て行き、私はその姿を見届けながら、掃除用具を取りにバルコニーへ出た。

そこから1分もたたなかったと思う。
まだバルコニーにいる私の耳に、知らない男性の大きな怒鳴り声と、旦那さんの「クーパー!」という叫び声、そしてクーパーの吠える声が聞こえた。

誰かに吠えかかったのだろうかと心配して慌てて部屋へ戻ると、ちょうど玄関のほうから、首根っこを掴んだクーパーを引きずるようにして、ただならぬ様子の夫が駆け寄ってきた。「どうしたの!?」顔面蒼白の夫に尋ねる。彼は、震える声で「クーパーが人を噛んだ」と言った。
ーーー
クーパーは、穏やかな犬だった。

子犬のころから甘噛みもなく、多くの犬にとって課題となる、食べ物やおやつを奪われそうになると狂暴化してしまうフードアグレッシブさえなかった。
家に遊びに来る友人は、子どもから大人まで、みんなクーパーの虜になる。

まるで大きな人間の子どものように甘える犬で、これまでは他の犬に噛まれようが、子どもに耳をひっぱられようが、牙をむこうとしたところどころか、唸ったことろさえ見たことがない。

そもそも「バーニーズマウンテン」のいう犬種自体、とても飼いやすい素直な犬種だといわれているのだ。

問題行動といえば興奮した時のウレションと、チャイムが鳴った時の吠えグセ、そして散歩時のひっぱりぐせだろうか。
体の大きさゆえにそのどれもが規格外で対処が大変だったが、その行動のどれも、無邪気さが故で、反抗心によっておこるものではない。
人や他の犬に危害を加えないクーパーについて、私は正直、なんの心配もしていなかった。

人間に従い尽くして、特別賢くなる必要なんてない。
ただ人に迷惑はかけず、甘やかされて、幸せに、元気に、すくすくと育ってほしい。
飼い主としての私の願いは、それだけ。私はクーパーを、物分かりの良い自分の子どもだと思っていた。

「クーパーが人を噛むわけがない!」
パニックになった私は、まずは夫に状況を説明するよう、問い詰めた。

いつも通り散歩をしようとクーパーと一緒に外へ出た夫は、ドアのすぐ前で鍵を忘れたことに気がついた。「ほんの一瞬」、玄関にかけてある鍵をとるほんの数秒の間だけ。こんな夜中に人は来ないだろうという思い込みと、いつもおとなしいクーパーへの過信から、夫はその時、クーパーのリードを玄関前の手すりにひっかけたまま、ひとりで家の中に戻ってしまった。

さっと鍵を手にとって再び外に出ようとした数秒後、彼も私が聞いたのと同じ男性の声とクーパーの吠える声を聞いた。慌てて外へ出ると、そこには腰を抑えている男性と、それに吠えかかっているクーパーがいたという。かけていたはずのリードは、外れていた。

お相手は同じマンションの住民で、お尻を噛まれたと訴えるその方は当然酷くお怒りだった。
少し興奮状態のクーパーもいたことから、あとから伺いますと部屋番号を尋ね、クーパーを連れてそのまま部屋に帰ってきたらしい。

「どうしよう」と焦る夫。
その話を聞いてすぐ、私も同行して謝罪と怪我の確認、それから今後の話だけでもしにいこうとお部屋へ向かったが、出てきたのは男性の妻で、「深夜だから明日以降で話し合いましょう」と、本人には会えなかった。

自分たちの部屋へ戻る前、現場の状態を確認する。血が落ちていないか、どこかに傷がついていないか…。
クーパーは大型犬だ。例え甘噛みであったとしても、噛みつけば相当な怪我を負わせるはず。しかし現場では、なんの情報も得られなかった。

部屋に戻ると、いつも通りケロっとした笑顔で尻尾をふるクーパーが、不思議そうにこちらを見つめている。

ずっと体中が震えていた。
大けがだったらどうしよう、クーパーに責任がふりかかったらどうしよう、私のせいだ、と、そんなことばかりを考えていた。

だけど一方で本当にこの子が人を噛んだの?と、
どうしても信じられなくて、私は夫に、何度も何度も何度も聞いた。
「本当に噛んだの?噛んだところを見たの?どうして噛んだの?どうやって噛んだの?」
だけどそのどれも、その時間犬から目を離している以上、確認しようのないことだった。

歯をたてて本気で噛んだのか、それともひっかいてしまっただけなのか、甘噛みか、だとしたらどれくらいの強さと長さで噛んだのか……。
そもそも何がきっかけで噛みついたというのだろう。

そばにいなかった以上、何もかもが分からない。
私はしばらくその状況が信じられなくて、ショックで、ただ一方的に一瞬でも目を離した夫を責め続けていた。
「どうして目を離したの?絶対に目を離さないでって言ったやん!」
ただ謝ってうつむく夫と、私の怒鳴り声に悲しそうなクーパー。

ただひとつ確かだったのは、なんらかの形でクーパーが人を傷つけたということ。
他人に迷惑をかけ、怖い思いをさせてしまったということ。
そしてこれは完全に、犬自身ではなくこのような状況を招いた飼い主側の責任であるということだ。
どれだけショックで信じられなくても、その事実は受け入れなければならない。

あれだけ温厚だと思っていた飼い犬が、人を傷つけた。
「まさか、うちの子が」
よく聞くそのセリフを、自分が口にするなんて。
その日は眠れず、朝まで呆然としていたことを覚えている。

ーーー

次の日になり、私は一通りの対応を終わらせた。

まずは保健所に連絡、火災保険への連絡、それからかかりつけの獣医さんへの連絡だ。
あまり知られていないことだが、多くの人が加入している火災保険には、自分の犬が他者を傷つけてしまった時の対応をカバーする保険も付いている。
担当者の方はとても心強く、「あとのフォローや金銭的な補償はこちらに任せてください」と言ってくださった。

保健所からは、電話口で狂犬病やワクチンを接種しているかの確認。

幸いクーパーは注射関係を済ましている証明書もあったため、問題にはならなかった。
後日自宅と事故現場に来て、被害者側の方、私たちの両方から直接、状況の確認をしたいとのことで、その段取りも行った。

クーパーをよく知る獣医さんには、クーパーが人に噛み付いてしまった可能性があることを伝え、何か身体的な原因(痛みがあった、発情していた、等)がないか、感染症の可能性がないかを調べてもらうために診察をお願いしたがとくに問題はなく、いつも温厚なクーパーを知る獣医さんも、私と同じように終始不思議がるばかりだった。

どうしてこんなことが起こってしまったのだろう。散歩に行けなかったから?それにしたって、クーパーに限って……。

罪悪感と後悔と疑問で頭がいっぱいの中、被害者の方から電話があり、直接謝罪させてもらうことになった。
ーー
私は菓子折りを持って、夫と一緒に被害者の部屋へ向かった。
被害者の方は40代男性で、自営業の方。
昨日の深夜病院を受診したとのことだったが、傷口は「場所が場所だから」と、臀部の辺りということで、見せてもらえなかった。
謝罪した後保険会社に引き継ぐ旨を伝え、昨夜診察した領収書の送付と診断書の取り寄せをお願いしたが、領収書は捨ててしまったとのこと、また、診断書の取り寄せは拒否されてしまった。

それならせめてと、噛まれた時の状況を尋ねる。
「階段を降りたら、そこに犬がいた。突然牙をむいて唸って、リードがはずれてそのままおそいかかって来て、噛まれた。逃げたが、何度も噛もうとしていた」
また、「おしりを怪我して座れず仕事ができないからその分を補償をしてほしい。以前保険会社と揉めたことがあるから、保険会社は通して欲しくない、直接誠意を見せてほしい」とも仰られた。

正直に言えば、俄かには信じられなかった。
今まで見てきたクーパーのイメージと、その男性が伝えるその時の状況が、結びつかなかったからだ。
傷口を見せてもらえないことも不信感につながった。

でも、そのどれもを証明することができないし、夫が発見した時、クーパーが男性に向かって吠えていたのも事実だった。
クーパーを信じることも、相手を信じ切ることもできない。それが情けなかった。

全ては目を離した私たちの責任。
結局そのあとは保険会社に任せたが、診断書の取り寄せや補償金額のやりとりで揉め、最後は曖昧なままで終わってしまったらしい。

怪我の詳細が分からない以上、私たちが被害者にできることは誠心誠意謝罪すること、必要なものは補償することだけだった。

迷惑をかけてしまったことも考え、私たちは住んでいたマンションから引っ越すことを決めた。
それと同時にかかりつけの獣医さんに相談し、クーパーにドッグトレーナーをつけることにした。

「クーパーくんは本当に無邪気で可愛い子。そこを消してしまうような方法でしつけをするトレーナーさんとは合わないと思うから」
と紹介されたのは小柄な女性のトレーナーさんで、私はすっかり安心していた。
ーーー
彼女が家に来た時に言われたことを、今もまだ覚えている。
「クーパー君は本当に良い子です。なにより素直で指示もすぐにきく。問題は飼い主。これは飼い主のトレーニングです」
クーパーにはおすわりなどの基本的なコマンドが入っているものの、「飼い主の言うことは絶対にきかなくてはならない」という基本的な主従関係が築けていない、と言われた。

確かにクーパーは、お菓子が欲しければ、私が呼んでもお菓子のほうに向かって行ってしまう。そしてそれは、私の躾方の問題だった。

私はクーパーを、傷つけたくなかった。
トイレもおすわりも何もかも、褒めるだけの方法で教えてきたのだ。
しかし今回は、状況が違う。

「しっかりトレーニングしなければ、つらい目に遭うのはクーパー。とくに彼は大型犬だから、本当に人を襲ったら、殺す可能性だってある。
この状態のクーパーを、過信してはいけない。おそらく突然噛みつくことはしていないと思う。だけど、売られた喧嘩を買った可能性はある」

事実、その近郊で無理に犬の急所を刺激して噛みつかせて慰謝料を請求する、所謂「噛ませ屋」という輩が度々現れるらしい。

今回はそうではない可能性が高いにしろ、クーパーが何かのポイントに腹を立て、私たちの知らない一面を見せた可能性はある。

「主従関係のようなものはいらない。家族でいい。彼には幸せにいてほしい」というのは、犬、とくに大型犬を飼う飼い主としてはあまりにも甘すぎる考えだった。
今のクーパーには、私にはコントロールできていない部分がある。
そしてそれをコントロールしない限り、他者への安全を確保できない。他者への安全の確保は、大型犬の飼い主である以上、逃れられない責任だ。

「犬は群れで過ごす生き物で、リーダーが必要なんです。それは彼らにとって自然なこと。
リーダーが誰かわからない状態は、彼らにとってストレスにさえなります。まずは飼い主が変わらなければなりません」

そう言って手渡されたのは、しつけに使うスパイクカラーとチョークチェーンだった。
私はその見た目と、手に持ったずっしりとした重さにぎょっとした。

スパイクカラーは首に当たる面が棘のようになっており、結んだリードを素早く引くと、その棘が首に食い込んで、ショックがかかる。

スパイクカラー

もうひとつのチョークチェーンはリードで引っ張ると首にひっかけている輪が狭まり、首を絞めるような形でショックがかかる。

「しつけには、このふたつが必須です。まずはこれを使って、リーダーに従う方法を教えていきます」

実は私はその時、すぐには先生の提案を受け入れられなかった。
最近は体罰的なトレーニングをするトレーナーが減っていて、「褒めて伸ばす」を主体にしているスクールが増えていることを知っていたし、多くの動物愛好家の中でスパイクやチェーンを使ったしつけは立派な体罰、虐待的位置づけであり、非難されていることを知っていたからだ。

また、首の頸動脈にプレッシャーをかけると、眼球の圧力が上がって目の奥の神経が傷つき、緑内障のリスクが高まることが証明されているという記事を読んだこともあった。その記事によればチェーンが当たる部分の毛が抜け皮膚に外傷を負ったり、何より視覚神経の継続的な損傷は眼痛や頭痛を引き起こし、失明のリスクさえもあるのだという。
参考 犬のしつけに使うチョークチェーンについて
こんなに危険?犬のチョークチェーン

それをトレーナーに伝えると、「褒めるだけでしつけが入るのなら、それに越したことはない。だけどクーパーは大型犬で、綺麗ごとだけだと彼がつらい目に遭う。それにスパイクカラーやチョークチェーンは正しく使えばそこまで犬の負担にならず、親犬が噛んで教えるのと同じ作用になる」と説明された。

「自分の手首でやってみてください」
スパイクを手に巻き付け、何度も締め付けてみる。
確かに思ったよりは鋭い感触ではないけれど、これを首につけて紐で引っ張るとなると、どうしても胸が痛い。

しかし最終的に、普段の私なら絶対に容認しなかった体罰によるしつけを、私は受け入れた。
それがクーパーのためだと思ったし、人を傷つけてしまった可能性がある以上、私の考え方を改めることこそが飼い主の責任であると考えたからだ。

今回は疑惑で済んだかもしれない。
だけどもし、噛まれた相手が大怪我をしていたら?もしも今後、子どもに危害を与えてしまったら?

考えれば考えるほど、今のままではいけないのだ。

ショックの与え方は、私の想像よりも強かった。
一度で覚えさせなければ躾の効果が薄くなるため、一度でガツンと刺激を与えるように、と指導されたからだった。
体が浮くほどに首を絞めあげてスパイクを食い込ませるわけで、時にはギャンと叫び、しばらく怯えてガタガタと震えて動けなくなったり、失禁したり、えずくこともある。

私はそれが辛くてなかなか強いショックが与えられず、たびたび「指導の仕方が弱い」と怒られ、「そのやりかただとクーパーを苦しめるだけですよ」と注意を受けた。

夫とも、何度も喧嘩をした。
その指導を受け入れてなんの抵抗感もなく愛犬にショックを与える夫を見て、恨めしい思いにさえなった。

しかし指導を通して、私も腹を括るしかなかった。
毎日、「これはクーパーのためなのだ」と、自分を言い聞かせた。そしてクーパーも徐々に、理解を示していくようだった。

結果として一か月のトレーニングを終えたクーパーは、生まれ変わったように更に「かしこい犬」になった。

トレーニング中のクーパーと私

散歩のときにはぴったりと横について歩き、私が止まれば止まり、呼べば必ず寄ってくる。
散歩中によそ見はしない。今までは道にいる猫や枯葉にも興味津々だったが、
少しでも目線が外れるとショックを与えられるという教育を続けた成果で、興味を示さないようになっていった。

夫はそれを「成功だ」といったし、たしかに傍目に見ればクーパーは優秀で安全に近い犬になった。
当時のような子どもっぽさは落ち着き、公園にいる子供たちに「盲導犬みたい」と言われることさえあった。

クーパーの体重は、35キロ。
この犬種の中では小柄なほうだけど、犬を飼っていない方や、普段はトイプードルのような小型犬しか目にしない方からすると彼は大きく、見る人にとっては恐怖心を感じさせるのだろう、散歩中、歩いているだけで怖いと叫ばれたり、逃げられることもある。

そして実際、もしも狂暴化したら、きっと私のことさえも簡単にかみ殺してしまうほどの力を、彼は秘めている。

クーパーが実際に誰かを噛んだのか、正直なところそれは、今も分からない。
だけど人を襲ったかもしれないという状況を作り出してしまったこと自体が、私たちの過失だ。

大型犬を飼う責任は重い。
人に危害を加える恐れのある、何かの瞬間には理屈の通じない相手と共存しているというのを、まずは忘れてはならない。
私たち飼い主は、「うちの子は大丈夫」という思い込みを、まずは捨てなくてはならないのだと思う。
そして、何かがあった時は飼い犬をこの手で殺してでも、相手を守らなければならない。

そんなことはあってはならない。
あってはいけない。

そう考えればトレーナーの意見はもっともで、ただ優しく子供のように育てるというのは多分、正しい愛情ではないのだ。

だけど、それでもトレーニングの中に思いっきり首を絞められて叫ぶクーパーを見て、胸が痛くなかったわけではない。
無邪気になんにでも興味を示して走り回る、散歩の大好きだったクーパーが、
トレーニングを続けるにつれて首輪を見るだけで失禁したり、怯えて私から逃げ惑い、震えることが増えていくのを、私はずっと見てきた。

本当にこの方法が正しいのか、犬と人間が共存するためには、時には体罰も必要なのか。
それが本当に彼にとっての幸せにつながっているのか。どうしても分からない。

体罰など、したくない。
しかし共存のためには、やむを得ないのか。

確かに優秀になったクーパー。
だけど本当のところ、時々寂しそうにみえるクーパーの瞳を見るたび、私は今でも何が正しいのか、悩み続けている。

yuzuka

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