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映画感想『異人たち』

原題「ALL OF US STRANGERS」

◆あらすじ◆
12歳の時に交通事故で両親を亡くし、孤独な人生を歩んできた40歳の脚本家アダム。ロンドンのタワーマンションに住む彼は、両親の思い出をもとにした脚本の執筆に取り組んでいる。ある日、幼少期を過ごした郊外の家を訪れると、そこには30年前に他界した父と母が当時のままの姿で暮らしていた。それ以来、アダムは足しげく実家に通っては両親のもとで安らぎの時を過ごし、心が解きほぐされていく。その一方で、彼は同じマンションの住人である謎めいた青年ハリーと恋に落ちるが……。  


原作は未読。
ドラマは何作か見たがこの作家の本を読んでみたいと思った事も無いので全く傾向も解らない。

古い付き合いである自称“昭和のゲイ”の親友はこの作品を観て「身につまされた」と言っていた。
彼が何を以ってそう感じたのかは解ってるつもりだ。
LGBTQを主張する声も多い今の世代には今作で描かれるクローゼット的要素は理解されない部分もあるかも知れない。

確かに家族を含め誰にも話せずひっそりと自分の性を隠し生きる主人公アダムが体験する世界は【いつか理解されたい】と言う彼の願望が詰まりに詰まったものだと理解できる。

が・・・


正直、苦手だ。
設定や物語性、世界観に共感も感情移入も出来なかった。

妄想の世界に引き摺り込まれてはイケナイぞと言う気持ちが先に立ってしまった事もあるが前編通して健全さが皆無だしハリーに至ってはその存在自体に不穏さしか感じられなかった。

ワタシの体の中の警鐘がメチャ鳴ってた。


夢や妄想に縋りたくなる気持ちや自分を求める相手に対してのフィルターが段々濃くなるのも孤独が成せる技なのだろうが全てが救われずに展開する事に途中でやや萎えを感じてしまった。


でもそうした精神状態から僅かな体温を求める彼等の生態も知らないわけでは無いので親友が発した言葉はこういう所にも当てはまるのだろうとは思う。



ただ・・・

ラストを迎えて「で?アダムはどうなるの?それでいいの?」と自分の性格上ちょっと納得がいかなかったと言うのが正しい表現かもしれない。

この作品には映画としての魅力はあまり感じられず、かと言って生々しさが感じられるかと言えばそうでも無い所に意気消沈だ。

俳優のコントラストもNGだしもちろんケミストリーなど皆無だった。


母親役のクレア・フォイは微妙な心情の表現がなされてたのが良かったのとなんかアダムの父親役のジェイミー・ベルが久しぶりで彼にハリー役やって欲しかったな位な気持ちで観てた亊は白状しようwwww。(マジかよ!ww)

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