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【U-23日本代表】細谷真大のゴールに学ぶサッカー観戦のコツ

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どうも、ゼロファジです。


今回はAFCU23アジアカップ準決勝、日本代表vsイラク代表の試合を題材に、サッカー観戦に役に立つ基礎的な知識について紹介していきます。なお、シーンを再現してお話を進めていきますので、実際の試合を見る必要はありませんのでご安心ください。

見事パリオリンピックへの出場権を獲得した大きな勝利でしたが、今回はその一点目となる細谷選手のゴールを取り上げて、2つのテーマでお話してみたいと思います。1つ目は「どこのスペースを狙うべきか?」ということ。そして2つ目は「パスの出し手について」です。


では、シーンをチェックしていきましょう。日本代表のコートの深い位置からボールを運んでいくのがはじまりでした。

後方からボールをひきとった藤田選手はそのままプレッシャーを受けることなくボールを運んでいきます。ここからさらに前進してイラクのゴールへと迫りたいわけですが、イラクの状態を観察してみます。


イラクの並びはこのようになっており、541で守っていることがわかります。ここから日本代表がボールを運ぶためにどこを狙うのがいいのか?


このように藤田選手からのパスコースは複数考えられます。さて、こうした選択肢が複数ある中でなにを選ぶか?ここが観戦のコツのひとつめ。チームは最もよい選択をしました。


細谷選手は弧を描くように動き出して、このように相手のDFラインの背後の「裏のスペース」へ走り込み、藤田選手からのパスを呼び込むことに成功します。そして、落ち着いて切り返してゴールへ流し込んで先制!という流れでしたね。

さて、チームには複数パスコースがあり選択肢がたくさんありましたよね。その中で彼らが選択した狙いがなぜベストなのか?というと、ゴールに直結するスペースを狙うことができていたからです。

細谷選手が走り込んだスペースはこのゴールシーンが証明しているように、抜け出されるとGKと1対1になりかねない非常に危険なスペースです。つまり、相手にとっては最も侵入されたくない場所です。なので、まず最初の選択肢はそこに狙いを定めておくことが大事です。


たとえば、このようにサイドのスペースにWGを走らせるという攻撃もありえたでしょう。たしかにこれでもボールは運べているので悪い攻撃ではないですよね。しかし、ゴールシーンと比べるとどちらが相手にとって脅威になるか?というと違いは明白です。こちらのほうがゴールを奪うのに最低もうひと手間はかかっちゃいますからね。少しゴールに遠いんです。なので、まずゴールに近い選択肢は何か?それがダメなら次!それもダメなら次!というようにチョイスしていけるのがいいわけです。

私たちがサッカーを観るとき、パスコースを読むことは楽しみの大半を占めます。ですから、どこにボールを運べるとゴールに近いか?を意識しておくとパスコース予想にひとつ目安を持てるようになります。

そして、2つめのコツはパスの出し手について。さきほど、藤田選手にはいろんなコースへのパスを蹴れる可能性があるとお話しました。


それは藤田選手がこのように相手選手に邪魔されておらず、周囲を見渡してパスコースを吟味できる十分すぎる時間がある状態だったからです。


もしこのように藤田選手にまとわりつくように相手の選手が邪魔しに来て、前向きを作らせてもらえなかったらどうでしょう?こうなると、藤田選手は前方にパスできる状態じゃありませんよね。まあ、バックパスかな?というところです。

このことからわかるように、味方の選手が前向きにプレーできるかどうか?でパスが蹴れるか?蹴れないか?の違いが出てくるということです。これは極めて重要なことなので覚えておくとめちゃくちゃ観戦の役に立ってくれます。

さらに補足をしておきます。では、イラクはどうすべきだったろうか?とあえて「たられば」の世界線を考えてみましょう。まず考えられるのは先ほどの図のようにボールホルダーである藤田選手に前向きを作らせないパターン。これはもう説明したのでいいですよね。

では、藤田選手は邪魔できない!じゃあどうしよう!?というときはどうするか?ここまでのお話を踏まえると、こんな感じの答えになります。


最もパスを出されると困るスペースがぽっかり空いている。そしてそこにパスを出せる選手がフリーで前向きを作っている。ならば、そのスペースを消すためにラインを下げてググっと全体に引いて構える。このようになります。

このことからわかるのは、ボールホルダーに前を向かれるとラインを下げないと危ないということです。イラク代表のこのあたりの対応はかなりルーズな印象を受けます。細谷選手の動き出しと、それに呼応した藤田選手のパスはもちろん素晴らしい。しかし、その背景にはボールホルダーを自由にしているのに裏のスペースの警戒を怠ってしまったミスがあった。このように考えることもできるのかな?と思います。

どのパスコースを選ぶか?その優先順位と、ボールホルダーが前向きを作れるかどうか?この2つのコツをぜひ使ってみてください。


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