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選択肢のありすぎる人生

本日は『選択肢がありすぎる不自由』についてです。

ロバート・チャルディーニという博士が『影響力の武器』という書籍を執筆しているのですが、その中で人間の意思決定に関するある実験が紹介されています。

ジャム売り場の実験

その実験とは、スーパーのジャム売り場でジャムの種類を変えると購入する割合も変わるというもので、

”パターン① 24種類のジャム→購入数3%”

 ”パターン② 6種類のジャム→購入数30%”

 と、ジャムの種類を減らすことで販売数が10倍も上がったというものです。

これは『選択肢の矛盾理論』と呼ばれており、人は選択肢が多ければ多いほど決断することができなくなるという事実を示しています。

ウィルパワー

普通に考えれば、選択肢が多ければそれだけ”自分に合ったもの”を選べる可能性は高くなると思われるのですが、現実はそうではなく選択肢が多いほど人は決めることができなくなるのです。

これは多過ぎる選択肢が意思決定に必要なエネルギー(ウィルパワー)を私たちから奪うためだと言われています。

そしてウィルパワーが一定以上になると人は”意思決定を先延ばしにする”という決断をします

つまり、人は行動ではなく意思決定によって疲れてしまうということです。

選択肢を減らしていく人生

昔から使い古されてきた言葉ですが、近年特によく耳にするのが『自分が何をしたいのかわからない』『自分のやりたいことが見つからない』という発言です。

しかし、20年前と比べるとアイドルは会いに行けるようになり、自らメディアを持つこともできるようになりました。

つまり昔憧れていた夢への距離は随分近くなったように思います。にも関わらず、自分が”何者かわからない”という意見が増えた背景には、生き方の選択肢が増えすぎたため、人生に迷う人も増えてしまったからではないかと僕は思っています。

何でもできる世の中だから何にも決められない。

何にも決められないから何者にもなれない。

そんな状況が見えない壁として僕たちの意思決定を阻んでいるのではないでしょうか?以前ある方の講演でこんな言葉を耳にしました。

『人生とはどんどん可能性を消していくゲームで、最後に残った一つを見つけてからが本当の人生のスタートです。』

僕は人生とはスキルやモラルを磨いてどんどん選択肢を増やしていくゲームだと考えていたので、この言葉はとても心に響きました。

もちろんスキルやモラルを磨いて可能性を増やしていくことは大切なことです。

しかし同時に”自分にできないこと”を知って可能性を減らしていくことも、自分が何者かを知る大事なアクションだと今では思っています。

現在コロナ渦の状態で僕たちは極限まで選択肢を削り取られました。

旅行や買い物に出かけたりすることもできず、友人と会ったり外食に行ったりすることもできず、仕事は望んで選んだわけでもない就労先で働かないといけない状況。

しばらくは極限まで選択肢を削られた状態が続く状態だったら、どうせやりたいことできないんだし、選択肢を1つのことに絞ってとことん突き詰めてみるのも、自分が何者かを知るヒントになるかもしれませんね。

『選択肢がありすぎる不自由』から開放されてみてるというのもおもしろいのではないでしょうか?

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