いつもと同じで、でもいつもと違くて。幼馴染の2人はいつの間にか…
ー学校の屋上ー
〇〇:つ、付き合ってください。
菜緒:何言うてんの?アンタとは有り得んて。
〇〇:え…?
菜緒:だから、アンタみたいな醜男とは無理やって言っとるやん。
菜緒が睨みつけた瞬間、足元のコンクリートが崩壊し始めた。
〇〇:うわぁああ⁉️
し、死ぬのか…
俺は…
真っ暗な空間に落とされ、意識が遠のく。
〇〇:嫌だああ‼️
目を覚ますと、目の前に菜緒が目を丸くして立っていた。
菜緒:どーした⁉️急にそんな大声あげて。
〇〇:はっ…夢、か。
菜緒:何々?どんな夢みたん?
〇〇:え、いやぁ…別に大したことないよ。
菜緒:そんな訳ないやろ?あんな大声出しといて。
と話していると次の授業の先生が教室に入ってきたので、菜緒が自分の席に戻っていく。
(終礼のチャイム)
〇〇:はぁ〜
いつも通りに授業が終わり、鞄に教科書などをしまっていると、
菜緒:〇〇、一緒に帰ろ〜
〇〇:うわぁ⁉️
いつも通り菜緒に声を掛けられただけなのに、また声をあげてしまった。
菜緒:また何なん?今日の〇〇おかしいで?
〇〇:いや、そんなことないと思うけど…
菜緒:絶対おかしい。なあ、なんかあったん?
〇〇:いやないよ、無い無い!
心配かけまいと思って、無理矢理笑顔を作ってカバンを持つ。
〇〇:よし、帰るか。
菜緒:あ、う、うん。
それから帰り道、いつも通り菜緒とくだらない話をして馬鹿みたいに笑っていた。
菜緒:あはは、はぁーおもろい。
〇〇:マジでおかしいよな。
菜緒:ほんまにおかしいわ。
あんな夢とは正反対に、俺と菜緒は楽しそうに喋っていた。
菜緒:良かった、〇〇がいつも通りで。
〇〇:おお、俺はいつも通りだよ。
菜緒:いや、さっきは変やった。
〇〇:そんなことないって。
菜緒:まぁええわ。ほな、またな。
菜緒と別れて、家に着いた。
〇〇:ふ〜、ただいまー。
母と父は仕事で兄はまだ大学に行っているはずだから、家には誰もいないはずだったが足音が廊下から聞こえてきた。
兄:おう〇〇。
〇〇:あれ?帰ってくるの早くない?
兄:いやー、今日あるはずだった講義がさ教授が体調崩して休みになったのよ。
〇〇:はーん、なるほど。
兄:それより、お前の菜緒ちゃんとどうなのよ?
〇〇:ごほっ!
そんなピンポイントに質問する?って思いながら咽せてしまう。
兄:おや?さては何か…
〇〇:な、兄ちゃんには関係ないだろ?
兄:そんなこと言うなよ〜昔は3人で遊んだ仲だろ?
〇〇:んなこと言って、この前菜緒が可愛すぎて近づくの畏れ多いとか言ってたじゃん。
兄:だって思わないか?最近の菜緒ちゃんさ…
〇〇:ああもう、やめろやめろ!菜緒の話は無し!
兄:な、そんな怒んなって笑。あ、スマブラやろうぜ。
〇〇:え、ああ良いよ。
Switchの本体を起動して、俺は兄とオンラインでスマブラをやり始めた。
兄:んじゃ、いつも通り俺はクラウドで。
そして俺はキャラ選択でガノンを選び、俺と兄、それからオンラインの向こう側2人とで対戦が始まった。
兄:よしよし、2対1だ!
〇〇:これは狙えるな、いつもの連携が。
相手キャラが回避をした隙に兄のクラウドが横必殺技「凶斬り」を当て浮かしたところを、俺のガノンが横必殺技「炎獄握」で掴んで地面に叩きつけるを繰り返して、相手キャラのダメージが充分溜まったところに上スマッシュ攻撃で撃墜した。
兄:っし!勝ったー!
〇〇:出だしは順調だね。
それから連戦して、2人とも疲れたタイミングでスマブラをやめた。
兄:ふ〜、良い汗かいたわ。
〇〇:いや、俺らコントローラー握っているだけだし。
兄:まぁ〜な笑
〇〇:それより、久美さんとはどうなの?
兄:え?ああ、もちろんラブラブだよ。
〇〇:ふ〜ん。(よく恥ずかしげなく言えるな…)
兄:なぁ、やっぱりなんかあったんだろ?菜緒ちゃんと。
〇〇:いや、現実では何もないけど…
兄:現実?どゆことだよ?
久々にスマブラを兄とやって楽しかったこともあってか、素直に学校の昼休みで見た夢のことを話した。
兄:なんだよその夢、めちゃくちゃ面白いじゃん!
〇〇:いや笑うな。こっちは結構メンタルに来たんだぞ!?
兄:ん〜、でもまぁ、そういうことだよな。
〇〇:はぁ?何だよ、そういうことって。
兄:つまり、お前は菜緒ちゃんのことが好…
〇〇:ああ、やっぱ話すんじゃなかったああ!!!!
兄:おお、うるさいな笑
菜緒とは幼馴染で、ずっと親友だと思っていた。
だから、この前兄が菜緒と会って顔を赤くしていた時も俺は別になんも思わなかった。
でもあの屋上で告白してフラれた夢を見たからか、帰り道菜緒と話している時は確かにずっと落ち着かない気がした。
兄:でもさ、お前もそろそろお洒落とかした方が良いだろうな。
〇〇:お洒落?
兄:ほら、もう高校生だしさ。やっぱり身なりには気をつけた方が良いぞ。異性のことを意識し出す時期ではあるし。
〇〇:そ、そうか…
普段はおふざけな兄だが悔しいことに、確かに服装は流行りのをしっかり取り入れて着こなせるし、あんな美人な久美さんを彼女にしていると思うと、説得力はあった。
〇〇:いや別に菜緒が好きってわけじゃ…
兄:聞こえてるぞー、心の声。
〇〇:な…
兄:まぁ、頑張れよ。兄ちゃんは応援してるからな〜
兄から声援を受けて俺は部屋に戻った。
いつも通り家に帰って、私は自分の部屋に入った。
菜緒:今日の〇〇なんかおかしかった…
菜緒:なんか遠慮がちっていうか、いつもより優し過ぎな喋り方っていうか…
美波:何独り言ぶつぶつ言うてるの?
菜緒:うわぁ⁉️驚かさんといてや…
美波:ノックはしたで?
今私の部屋に入ってきた姉は、大学ではクイーンに選ばれるほどの美貌の持ち主だ。
菜緒:聞こえんかった、ごめん。
美波:で、何かあるんやろ?〇〇くんとで。
菜緒:いやな、なんか今日の〇〇いつもよりやけによそよそしい感じがしたんや。気でも遣われているんかってくらい。
美波:ほ〜ん、菜緒が前に〇〇くんに怒鳴り散らしたとちゃうんの?
菜緒:そんなことせえへん。でもなんか気にしよることしたんかな…
美波:それか、あれやな。
菜緒:あれって?
美波:〇〇くん、菜緒のことが好…
菜緒:いや無いない‼️あんなスマブラ馬鹿の〇〇に限って無い‼️俺の嫁はガノンとか頭おかしいこと言うてる〇〇がまさか…
美波:いや菜緒もアニメキャラに私の旦那は〜〜とか言うとるやん。似た者同士お似合いやで。
菜緒:な、うるさいで!
美波:まぁ、それは確定事項として…
菜緒:何が確定事項や…
美波:菜緒はどう思っとるん?〇〇くんのこと。
菜緒:どうって…ただの幼馴染で親友や。
美波:ふ〜ん、うちは〇〇くん可愛いなって思うで。もしまだ彼女さん居らんのやら、ウチが〇〇くんを彼氏にもろうて…
菜緒:な、何言うとるん⁉️〇〇は…
美波:なんや、今言うてたやん。ただの幼馴染で親友やって。
あれ?なんで今こんなムキになっているんだろう…
そうだ、〇〇はただの幼馴染で親友…
なのか?
菜緒:せ、せやけど…
美波:ふふ、冗談や。安心せいや。
菜緒:な、意地悪…
美波:ごめんごめんって。でも菜緒、早めにしといた方がええで。他の女の子にとられてまうかもしれんからな〜
人の事情を踏み荒らして、姉は居なくなった。
菜緒:余計なお世話や。
けど最初は〇〇が気遣うようなことを自分がしたかたと心配していたのが、姉の話で〇〇にこれから彼女が出来るかもしれないって思い始めたら、気持ちがモヤモヤしてきた。
土日の休みを経て月曜日がやってきた。
学校に着くと、廊下で後ろから声を掛けられた。
菜緒:〇〇ー、おはよう。
声で菜緒だと分かり振り返る。
〇〇:ああ、菜緒。おは…
菜緒:え、〇〇…
2人とも顔を合わせた瞬間、言葉に詰まっていた。
菜緒:髪切ったんやな…
〇〇:あ、まぁな…
菜緒:に、似合ってるで。
〇〇:ありがと…菜緒も、それカールって言うのかな?
菜緒:あ、うん。掛けてみたんや。
〇〇:凄く、似合っているよ…
菜緒:ありがと…
しばらく沈黙したのち、俺から空気を変えるべく話し出した。
〇〇:ああ、今日提出の宿題難しかったよな…
菜緒:うん、そうやな。
〇〇:本当、あの歴史の先生鬼だよな笑
菜緒:ホンマにそう、勘弁してほしいわ笑
なんとかいつも通りの空気に戻して、俺と菜緒は教室に向かった。
一日の授業が終わって、俺はすぐ菜緒のところに向かおうとした。
いつも通りに今度の休みに2人で映画を観に行くのに誘おうと思ったからだ。
〇〇:菜緒ー。
菜緒:〇〇。
〇〇:今度の土曜さ、映画観に行かない?菜緒の好きな〜〜の。
菜緒:うん、観たい!行こ行こ。
〇〇:じゃあ、決まりだな。
菜緒:あ、あとなウチ、ボウリングしたいって思ってな。
〇〇:じゃ、映画館の近くのボウリング場に行くか。
菜緒:うん、そうやね。楽しみやな。
〇〇:うん、俺も楽しみだよ。
2人で行く約束をして、一緒に下校した。
菜緒がいつも通りに遊ぶ約束をして喜んでいるんだろうな、と思うとなんだか悪い気がした。
その日に、俺は菜緒に想いを伝えようと思っていたからだ…
菜緒:ほな、またな〇〇。
〇〇:おう、またな菜緒。
〇〇と別れて、家に着いた。
いつも通りに休みの日に遊ぶ約束を〇〇がしてくれたんだと思うと、なんだか申し訳なく思てきた。
遊ぶ約束をした日、私は〇〇に告白しようと思っていたからだ…
そして、その日がきた。
駅に着くと〇〇が既に改札口の先に立っていた。
私を見つけた〇〇が手を振ってくれた。いつもと服装が違うからか、その姿の〇〇がカッコ良く見えた。
菜緒:〇〇ー、お待たせ。
〇〇:ああ、今来たばかりだよ。
菜緒:そっか。なら良かった。
〇〇:じゃ、映画館の方行くか。
菜緒:うん、せやね。
映画館に行く途中で手を握っている時、ずっと胸の奥でドクンドクンっと音が鳴っていた。
映画館に着いて、2人でポップコーンの味を選んでいた。
菜緒:〇〇、どれにするん?
〇〇:ん〜、菜緒が好きなので良いよ?
菜緒:え、ほな醤油バターで。
〇〇:オッケー。
ポップコーンを買って、券売機で発券したチケットに書かれたシアターの場所に2人で向かった。
観ている映画は私の大好きなアニメの最新作のだ。
前に〇〇に勧めたら〇〇も面白いと言ってハマっていた。
観ている最中、同じところで〇〇とクスっと笑ったり、クライマックスでは泣きそうになったりした。
見終わった後、映画館のロビーに設置された椅子に〇〇と座って、半分以上残ったポップコーンを〇〇と分け合いながら映画の感想を喋っていた。
〇〇:いやさ、あそこでさこう、手伸ばすとこあるじゃん。
菜緒:あれウチ、マジで惚れたわ。
〇〇:だよな、俺も同じ。もうズルいのよ、〜〜がさ笑。
菜緒:ホンマにそうやな、あんな最初は憎ったらしいヤツやったんに笑。
あんなスマブラ馬鹿とか言ったけど、〇〇と話しているといつも楽しいし、私が好きなアニメにこんなにハマってくれたのが嬉しかった。
〇〇:あ、そろそろボウリングの予約の時間だ。
菜緒:ああ、そっか。ほな急がんとな。
ボウリング場に着いて、靴を専用のシューズに履き替えた。
菜緒:よし、今日は〇〇よりスコア上を目指すで。
〇〇:おう、頑張れー。
菜緒:な、今ちょっと馬鹿にしたやろ?
〇〇:してないって笑
菜緒:ぶっ、いや今日はマジやからな?
とムキになって言う私を、〇〇が笑っていた。
菜緒:えい。
1投目。
見事にガターになってしまった。
菜緒:はぁ…ダメか.
〇〇:菜緒、フォームを直した方が良いね。
菜緒:フォーム?
〇〇:うん、一緒にやってみよっか。
菜緒:え、ああ…
そう言って〇〇が菜緒の為に、真剣にボウリングの投げ方を教えてくれた。
〇〇:こうまず持つじゃん?
〇〇が私の腕に手を添えて教えていると、ドキッとした。
菜緒:う、うん。
〇〇:でね、腕に力を入れて投げ飛ばすんじゃなくて、振り子で自然に落ちて転がす感じでやるんだよ。
菜緒:振り子…
〇〇:そう、だからね腕に力入れないで振ってみて。
〇〇に言われた通り、球を持ちながら腕を後ろにあげて腕に力を入れずそのまま下に振った。
菜緒:うわ⁉️
〇〇:あ、大丈夫?
転びそうになった私を〇〇が受け止めてくれた。
菜緒:う、うん。
〇〇:結構、これでもスピードあるでしょ?
菜緒:せやね。こんな感じでええの?
〇〇:うん、合ってるよ。
それから、〇〇の指導を受けた私は2投目を投げた。
カランッ‼️
菜緒:うお、全部倒れた‼️
〇〇:ナイス、菜緒!
菜緒:やったああ!
〇〇とハイタッチして、スペアの喜びを分かち合った。
それから〇〇と交互にボウリングの球を投げて、時々〇〇に投げ方を見てもらって、そしたらスコアが150点超えしていた。
菜緒:うおー、見て〇〇!ウチ150超えたで!
〇〇:おお、やるじゃん!
菜緒:〇〇のおかげやで。ありがと!
〇〇:いえいえ。はー、めっちゃ腹が減ったな。
菜緒:せやね、どこか食べに行こか。
それから〇〇と2人でファミレスでご飯を食べながら、今日のこととかで話が盛り上がっていた。
食べ終わって会計に行く時、割り勘にするつもりで財布を出したら、
〇〇:ああ、俺全部出すよ。
菜緒:え、でもそれじゃ〇〇に悪いやん。
〇〇:良いって良いって。
結局、会計を〇〇が済ませてくれた。
菜緒:(やっぱり最近の〇〇、カッコ良くなった…)
そう思うと、また胸の奥で騒がしくなっていた。
ファミレスを出てからずっと菜緒の様子が変な気がした。
〇〇:菜緒、大丈夫?
菜緒:え、だ、大丈夫やで?
〇〇:本当に?
菜緒:うん、めっちゃ元気!
〇〇:そ、そっか。なんか変に気にし過ぎてごめんな。
菜緒:ううん、ありがとな。
いつも通りに菜緒が笑っているだけなのに、何故か今日はその笑顔がとびきり愛おしく見えてしまった。
〇〇:(菜緒って、こんな可愛いんだ…)
でも少ししたら、また表情が落ち着かない様子が見えた。
〇〇:菜緒、この前の夢のことなんだけど…
菜緒:夢?ああ、この前昼休みに〇〇が馬鹿でかい声あげたのやな?
〇〇:やっぱり声やばかった?
菜緒:うん、ホンマに崖から落ちた時みたいな声やった。
〇〇:そっか…実はさ…
菜緒:うん。
話すなら今だと思って、菜緒に夢のことを話した。
菜緒:〇〇がウチに告白して、ウチが〇〇のことフッて、コンクリートの床が壊れて落ちたん??
〇〇:そう、なんか変な夢だよな笑
菜緒:そ、そうやね…
〇〇:俺、頭どうかしてたのかもな〜笑
そうだ、これで良い。
ただの夢だ、笑って終われば済む。
菜緒:ウチ、そんなことせえへん…
隣で菜緒が小声で言うのが聞こえた。
〇〇:え?
菜緒:そんなこと、せえへんよ!
横にいた菜緒が正面に来て、真っ直ぐな瞳を向けた。
菜緒:〇〇のこと、フッたりせえへん!
菜緒の目はさっきよりウルウルしていた。
菜緒:だってウチ…〇〇のことが好きやもん‼️
〇〇:菜緒…
菜緒:って、あ…
言い終えた菜緒が顔を赤くして、あたふたしていた。
菜緒:って何言うてるんやウチ…
菜緒:あかん、頭おかしくなってもうた笑
無理矢理笑っていたが、菜緒の頬に水の線が描かれていた。
〇〇:おかしくなんか、ないって。
菜緒:え?
〇〇:だって俺も、菜緒が好き…
想いを伝えて、そっと菜緒を抱きしめた。
そしたら、菜緒も腕を俺の背中に回して抱きしめてくれた。
菜緒:ほ、ホンマにウチのこと好き?
〇〇:うん、ホンマに。
菜緒:嬉しい…ウチ今すっごく嬉しいで!
泣きながら笑ってくれるその顔は、いつもの幼馴染の笑顔で、そしてこの世で1番好きな人の笑顔だった。
幼馴染で親友の〇〇も、私と同じ気持ちだった。
そのことを知れて、私はいま凄く幸せだった。
菜緒:最近の〇〇、カッコええなって思ってたで。
〇〇:そ、そう?
菜緒:うん。今日もウチの好きなアニメの映画一緒に観てくれた時も、ボウリング場でウチに投げ方を教えてくれてる時も、ずっとカッコ良かったで。
〇〇:そ、そうか…
菜緒:ホンマやで?
〇〇:わ、分かってるよ。でもなんか…
菜緒:ふふ、恥ずかしいんやな?
〇〇:な、それ菜緒が言う!?
今日のことを褒めて恥ずかしがる〇〇が可愛いく見えて、ついいつもみたいに揶揄ってしまった。
〇〇:あの夢見た日から、なんかちゃんとしなきゃなって思ってさ。
菜緒:う、ウチもや。〇〇の様子がおかしいって思ったあの日から、ウチもちゃんとせなあかんと思ってな。
〇〇:同じ、だったんだな。
菜緒:せやな。
〇〇と目が合って、思わず私も〇〇も微笑んでいた。
そしたら、自然と私は〇〇にそっと近づいていた。
〇〇:!?
菜緒:ふふ。
唇が重なって顔を赤らめるその顔は、いつもの幼馴染で、そしてこの世で1番好きな人のだった。
fin.
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