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「AWKCR」が前提MODになっているMODから、その縛りを外す方法について(No AWKCR化パッチ作成法)

はい、近日中に書くと言っておきながら半年以上かかってしまいました…。
上記サムネイル作るのにめっちゃ時間かかった(嘘です)
※「記事書くのに半年かかった」わけではなく、単にサボってただけですごめんなさい…

遅くなりましたが、AWKCRをマスター指定しているMODから、xEditを使用してその縛りを外す方法(先達にならい「No AWKCR化」と呼ぶことにします)について記載していきます。

なお本記事を執筆するにあたり、実際にxEditを使用し、「どこを修正すればNo AWKCR化できるか」を順序立てて考えながら作業する様子をお伝えする、ドキュメンタリー方式(?)となっております。
「こことここを直せばいけるよ」という結論だけを求めている方はそのへんをご了承の上お読み進めいただきますようお願いします。


なぜAWKCRは不要なのか

…については、過去記事のこちら↓でお伝えしていますが、本記事で改めて解説していきましょう。

AWKCR、正式名称「Armor and Weapon Keywords Community Resource」とは、MOD作者向けのリソースを提供することを目的としたMODです。
MOD作者が各々手前勝手に作っていたキーワードなどのリソースを統一することにより、「MOD作者の負担が軽減できる」「ユーザーはより一貫性のあるゲームプレイを楽しめる」という一石二鳥な効果が得られるという触れ込みで、伊達に「コミュニティリソース」を名乗っていません。

似たような発想で作られたMODとしてはNew Calibersがあり、こちらも「弾薬をMODごとにバラバラに導入しないで、MOD間で使い回せるようにしよう」という提唱のもと作成されています。
(たとえばAK74などで使われている5.45mm×39弾を別々のMODが手前勝手に追加したら、名前が同じ「5.45mm×39弾」なのに内部的には別IDのデータのため、別作者のMODの武器で使えない!…ということが起きます。そこでNew Calibersの弾薬データを各MODが参照することで、一つの弾薬データをいろんな作者さんのMODで共用できるという寸法です)
なお、この種のMODはFallout3(CALIBR)やNew Vegas(CaliberX)の時代からあり、似たようなデータ構造を持つゲームで古くから継承されてきたアイデアと言えますね。

こういう成功例があることから、「じゃあ弾薬だけじゃなく作業台や、装備品にかかわることは全部MOD間で共用できるようにしよう!」という発想のもと作られたAWKCRは、MOD作者さんからも「これからのMODのスタンダードになるに違いない!」と好意的に受け止められ、たくさんのMODがこぞってAWKCRに対応するようになりました。
(実際、装備を追加するタイプのMODは、これ無しだと「ケミストリーステーション」か、MODにより追加された専用での作業台のどちらかを使ってクラフトする形になります。特に後者の場合、いちいち作業台からクラフトして拠点がMODの作業台だらけになるというプレイヤー側のリスクがあるわけですから、一つの作業台を使いまわしていろんなMODの装備がクラフトできるというのがいかに便利なのかがおわかりいただけると思います)

とりわけAWKCRの機能をフル活用したクラフト拡張MODArmorsmith Extendedは、「どんな服にもバリスティックウィーブがつけられたり、防具の改造幅が大幅に広がる」としてユーザー間で大人気になったことも追い風となり、AWKCRは「とりあえず入れとけ」と言われる定番MODとなっていきました。

…が、時は流れ、MODの研究が進んでコミュニティ間で知識が共有されるようになると、次第に「AWKCRってムダ多くね?」ということが知れ渡っていきます。
MOD作者が「絶対流行る!」と思ってつけたAWKCRのキーワードが、何年経ってもなにか別のMODに活かされる気配がさっぱりなく、「とりあえずAWKCRに対応させたが何の役に立ってるのかわからない無駄データ」が、それはもう大量に入っているわけです。
(執筆中にあらためてキーワードをズラッと眺めてみたのですが、「Vault◯◯◯」という恐らくVaultスーツにつけることを想定とした?キーワードがなんと1080個も入っており、しかもそのキーワードを参照しているデータはゼロというとんでもない無駄なデータとなってました…)

いくらテクスチャでもメッシュでもないただのデータとはいっても、さすがに「なんの役に立つのかわからんデータ」が2万件以上詰め込まれているわけですから、そういうデータをゲーム起動時に毎回読み込むだけでロード時間にも悪影響が出るわけです。
さらにそういうデータを、新規アイテムならまだしも既存のバニラのアイテムに適用するということは、当然ながら編集の競合も発生しますので、それを回避するためにさらにパッチが必要になり、MOD作者とユーザーの両方の負担が増えるという当初の理念とは真逆のカオスな状態だったのが実態でした。
(今ならRobCo Patcherがあるので競合のリスクが下がりmergedパッチを作る機会も減りましたが、AWKCRは2015年リリースの古参MODなのでね…)

こうしたことから、かつて定番MODだったはずのAWKCRは次第に敬遠されはじめ、AWKCR自身も長らく更新されなくなったことから、現在では「入れてはいけないし対応させてもいけないMOD」という扱いに落ち着いてしまったという流れですね。

しかしそれまでにすでに世に出てしまったMODの中には、AWKCRに対応しているものが多数あり、「AWKCR自体はいらないが、入れたいMODがAWKCR必須だから」という理由で今もAWKCRを入れっぱなしにしている人は意外と多いのではないでしょうか?

そうした状況を打破するため、有志によりNo AWKCR and AE For Mods File Dumpなどのパッチ集が作られており、これを導入することで、対応するMODがAWKCRなしの単体で動作するようになります。
上記だけでも100種類以上のMODをNo AWKCR化でき、その分AWKCRをアンインストールしやすくなるわけで、本当にこの手のパッチを作ってくださってる作者さんには頭が上がりません。

しかし当然ですが、パッチ作者さんのできることにも限りがありますので、世の中のMODすべてにそうしたパッチが存在するわけではありません。
そうなった時にはどうしても自力でなんとかするしかありません。本稿はそうした場合に自力でNo AWKCR化する方法を一緒に考える、という視点で執筆されたものとなります。

「方法を教える」でも「手順を説明する」でもありません。「一緒に考える」、です。
一口に「AWKCRが必須」といっても、どういうデータを参照しているから必須となっているのかはMODによって千差万別なわけですから、「こうすればいい」という手順を十把一絡げに説明することは不可能です。
一応本記事でも結果的には一部のMODについて手順の説明をしていますが、本題はむしろ「パッチもないしこの記事に手順も書いてないその他のMOD」で、そうしたMODに対してどう対応すればいいのか、という心構えを身に着けてもらうというのが一番の目的です。

「そんなの面倒くせぇ、手順だけ説明しろや」と思われる方は、残念ながらこの先を読んでも時間の無駄になる可能性が大ですのでブラウザそっ閉じをオススメします。
ただヘイトを集めることを承知でいうなら、それって「MODを使っている」のではなくて「MODに使われている」状態だとも思うのです。だって本来必要ではないかもしれないAWKCRをなんとなくで使い続けているのですから。
最初は誰でもユーザーです。なにもMOD作者になれというのではありません。そこからちょっと一歩だけ踏み出して、一緒に「MODに使われている」状態から抜け出してみませんか?


必要なもの

前置きが長くなりましたが、それでは作業にあたって必要なものを説明します。
といっても基本的にはこれだけです。

既存のパッチがないか確認する

作業する前に何よりもこれを確認しましょう。ひょっとしたら見落としてただけで実はパッチがあるかもしれませんし、もしあったらそもそも作業の必要がありません。
No AWKCR and AE For Mods File Dumpを確認し、ここにお目当てのMODのパッチがあればDLして適用するだけです。

ない場合、お使いのMODがNexusからダウンロードしたものであれば、「Requirements」を確認するのも手です。
「Requirements」は前提MODの一覧だけでなく、そのMODを必要とする別のMODの一覧も兼ねており、つまりそのMODに当てる用のパッチもここから探すことができるので、ぜひ活用しましょう!

例としてRevy Take It Or Leave It Followerには上記No AWKCR and AE For Mods File Dumpにこれ用のパッチがありませんが、別作者がRevy Companion - No AWKCR and Armorsmith Extendedというパッチを作ってくれています。
また変則パターンとして、AS Vektor Skinsは作者さん自身がNo AWKCRパッチをアップロードしてくれています。
こうしたパッチがあればそれに越したことはないので、いきなり作業する前にまずは先達者がいないかを確認するクセをつけておきましょう。

xEdit (FO4Edit)

もしまだ誰もパッチを作っていないようなら覚悟を決めて自作コースです。
xEdit(FO4Edit)が必要になりますので、まだ導入していない人は下記に分かりやすい解説がありますので参考にしてください。xEdit(TES5Edit,SSEEdit)の使い方 | skyrimshot (tktk様)
※スカイリムの記事ですが使い方は全く同じです。

必要なツールはxEditだけです。Creation Kit(CK)は不要です。
CKはむしろ「どのespがどのデータを改変しているのか」というのがまったく見れないため今回のような作業ができません。不向き、ではなく不可能です。
CKがお好みでもxEditは入れておいてください。


実践編!

それでは準備が整ったら作業の実践にうつりましょう。
ここでは、AWKCRに対応したMODのうち、(少なくとも私が確認できるかぎりでは)No AWKCRパッチが作られていないものを、適当にNexusから4つ選んでNo AWKCRパッチの自作をしていきたいと思います。
「MP40」以外はどれもまったく触ったことのないMODなので、どこをいじればよいかは私もわかりません。そんなんでも実際に構造を調べていけば必ず対応はできますので、私なりの対処の仕方を共有しつつ、みなさんが対応したいMODにどう応用できるかを考えながらお読みいただければ幸いです。

MP40 (by TrophiHunter)

まずは肩慣らしとして、過去に私が実際にNo AWKCR化対応したことのあるMODからご紹介しましょう。
こちらのMP40は非常に人気のある作者さんの手によるもので、他にいくつかあるMP40系のMODと比べてもクォリティがずば抜けており、私も非常にお気に入りなMODの一つです。
ただしTrophiHunter氏がすでにNexusから撤退されていることもあり、入手自体は氏の個人サイトから可能ですが、No AWKCRパッチを探すことは、少なくとも困難な状態であるといえます。

しかしこんな素晴らしいMODをNo AWKCR化しないのは大変もったいないので、サクッとパッチを作ってAWKCRとサヨナラしちゃいましょう。

まずはさっそくxEditを立ち上げ、ロードするプラグイン(esp)の選択をします。本MODのプラグイン名は「MP40.esp」ですので、必ずチェックがついているか確認しましょう。
MP40.espさえ読み込まれていれば別に他のMODが読み込まれているかどうかはあまり関係がないのですが、余計なespが読み込まれていると「単純に検索の邪魔になる」のと「起動時のロードがその分長くなる」ので、できれば不要なespはチェックを外してロードしないようにするクセをつけると作業が快適になります。
ロードオーダーの出ている画面で右クリックして「Select None」を選べば一括チェックの解除ができます。その上で上部のFilterにプラグイン名を打ち込んで、出てきたものにチェックを入れるだけです。

OKをクリックするとロードが始まります。
右側のパネルの一番下に「finished」と出るまで待ちましょう。xEditを起動したことがなければ、レファレンス(どのデータがどのデータを参照しているかの目次のようなもの)作成のために数分時間がかかることがありますが、以降は15秒ほどでロードが終わりますので非常に快適です。

さて、それではさっそく作業にとりかか……る前に、「一体どこをいじればいいのか」の取っ掛かりが必要です。
確認しておくと今回の目的は「AWKCRの縛りを外すこと」です。
でも、そもそも「AWKCRの縛り」って一体なんなのか?というところからまずは考えていくことにしましょう。
(分かっている人は次の次の画像のあたりまで飛ばしてください)

MODを入れたことがある人なら、「前提MOD」という言葉を聞いたことがあると思います。
「このMODを動かすなら、別のこのMODも入ってないと動かないよ」というやつですね。
しかし前提といっても「なくても動くがグラフィックなどがおかしくなる」ものや、「ないとそもそもゲーム起動時にクラッシュする」ものってありますよね?その違いはなんなのでしょうか?
一言でいうと「プラグイン(esp)が、別のプラグイン(esm、esp)をマスター指定している場合」が後者にあたり、マスター指定しているプラグインがロードオーダーに含まれていない場合、ゲームの起動に失敗します。
(※最近はMO2の機能?なのか、マスターが読み込まれてない場合は「それをマスター指定しているプラグインも無視してゲームを起動」してくれるので、意外と気づかないかもしれません…)

大雑把にプラグイン同士の関係を図で表すとこんな感じになります。
本当に大雑把なのでこれだけで全てを説明するのは到底難しいのですが…
今回の件に関係のあるところだけかいつまんで言うと、「マスターesm」がAWKCRで、「パッチesp」がMP40.espに当てはまると思ってください。
MP40.espが新しく追加しているデータがAWKCRのデータを参照しているので、AWKCRはMP40.espのマスターという関係にあたります(親と子の関係という呼び方が分かりやすければその理解でもかまいません)。

今回やろうとしている作業は、このAWKCRとMP40.espの親子の関係を断ち切ることになります。
上の図でいうと緑の線をぶった切って縁を切る、ということです。
というわけで、まずやることは「MP40.espがAWKCRのどのデータを参照しているか」を調べる作業です!

そしてxEditには、まさにこの「マスターとなるプラグインのどのデータを参照しているのか」を調べてくれる魔法のようなスクリプトが同梱されています!
画面左側の「MP40.esp」の行を右クリックし、「Apply Script」をクリックしましょう。

すると下の画像のようなウィンドウが現れます。
ここでは「Script」の欄から「Report masters」を選んでOKを押しましょう。
Filterにreportなどと入力すると素早く検索が可能です。
(※下側のパネルの内容はスクリプト本体になりますのでいじらないでください。もし誤ってなにか入力してしまった場合は、保存するか聞かれてもキャンセルを押してください)

すると下記のようにMP40.espがマスター指定しているプラグインの選択ウィンドウが表示されます。
AWKCRのプラグイン名は「ArmorKeywords.esm」ですのでこれにチェックを入れてOKをクリックしましょう。

これでスクリプトが自動的に走り、結果を右側のパネルに出力してくれます!
見慣れていないとわかりにくいかもしれませんが、下画像の黄色の点線のあたりに表示されているものがそれです。
これも見慣れていないと何がなんだかチンプンカンプンかもしれませんが、とりあえず「8ケタの英数字が表示されていたら、それはデータ(フォーム)のID」だと思っておけばOKです!

ここでちょっとFO4のMOD用語についての解説を入れます。
「フォーム」とは個々のデータ単位で、たとえば「武器」「クラフトレシピ」「MISCアイテム」「キーワード」「効果音」などのデータが本のページのように分かれています。
なお、一部では「レコード」という言い方をすることもありますが、基本的には同じ意味だと思ってもらって問題ありません。

「Form」とは「表」とか「用紙」というような意味で、氏名・住所・申請自由・備考などの情報を記入する申請書のように、FO4のデータも名前とか数値とか参照する他のフォームなどを記入する形の構造となっています。
そのフォームも、たとえばこのMODなら、武器のフォームでも「MP40」のほか「MP40 Experimental」「MP40 Tactical」のようにページが分かれていて、それぞれに別々のIDが指定されています。
新しいアイテムを追加するタイプのMODを使ったことならご存知だと思いますが、コンソールで「player.additem」とIDを入れて直接追加することがありますよね?その時に入力するのがフォームのIDというわけです。
同じようなフォームに見えても、IDが違うフォームはまったく別のデータということになります。

以後、この「フォーム」という用語をたくさん使いますので、しっかりと覚えておいてください。
フォームは個々のデータのページです!

というわけで、ここに表示されているIDのフォームがなんのデータなのかを早速確認してみましょう。
ここに表示されているIDを、左上のFormIDの欄に入力してEnterを押すと楽ちんです。

すると下記のようなフォームが表示されます。

今回は「データ構造を理解して、どのように編集していくか」を考えることがテーマでもあるため、このフォームが何のためのものなのかもちょっとだけ解説させていただきます。

このフォームは「Constructible Object」に分類されるもので、平たくいうと「アイテム作成用のレシピ」のデータです。
要するに「どの作業台でどの素材を使うとどのアイテムが出来上がるか」を指定するためのデータということですね。
そしてこの中のどこかに、AWKCRのデータを参照しているものがあるため、Report mastersのスクリプトに検出されて出てきたというわけです。

ここでもう一度スクリプトの検出結果を見返してほしいのですが、

  • BNAM - Workbench Keyword(※作業台の種類)

  • FNAM - Category(※レシピフィルタのカテゴリ)

の2つが、ArmorKeywords.esmのフォームを参照している、ということが書いてあると思います。
上記画像の黄色とオレンジ枠のところですね。
結論からいうと、「AWKCRに同梱されている作業台」と「AWKCRにより追加されたレシピフィルタ」を指定している、ということです。
さらに平たく言うなら、このMODは「MP40を作成するのにAWKCRの作業台とレシピフィルタを使っている」からAWKCRが必要、という結論に落ち着きます。

ということは、逆に言えば「MP40を作成するのに必要な作業台とレシピフィルタを別のものに置き換えればAWKCRは必要なくなる」ということも導き出せます!

ようやくやるべきことが明らかになったので、早速作業にとりかかりましょう。
まずはMP40を作成するのに必要な作業台ですが…バニラの作業台で指定できるのは「ケミストリーステーション」ぐらいしかありません。
実際、AWKCRを使わない装備MODだとケミストリーステーションで作成するものが結構あるので、それを使っても構わないのですが…
せっかくなので、ここはAWKCRの代替MODとして高い評価を得ているEquipment and Crafting Overhaul (ECO) - Reduxのもので置き換えてしまいましょう。

しかし私はこの時特に先を考えずにxEditを立ち上げたため(以前もやったことある作業なのに…)、ECOをxEditで読み込んでおらずこのままでは作業できません。
仕方がないのでxEditを再起動して、MP40.espの他にECO(Dank_ECO.esp)もロードした上であらためて作業します。

さて、それではあらためてAWKCRからECOにマスターを乗り換える作業にうつります。
まずはMP40.espをDank_ECO.espと紐づけるマスター指定を行います。これをしないとECOの作業台をMP40.espで使うことができません。
左側のパネルの「MP40.esp」を右クリックして、サブメニューから「Add Masters…」をクリックしてください。

「Dank_ECO.esp」にチェックを入れてOKを押すと、MP40.espのマスターにECOが追加されます。これでECOのデータをMP40.espから参照することができます。

なおxEditでの作業に慣れている方向けの注釈をしておくと、MODの編集をする時は、元となるプラグインを直接いじるのではなくパッチを作成するのが基本、とお思いのことと思います。
それは正しいです。
しかし今回はパッチを作成するだけでは目的を達成することができません。なぜかというと、親であるプラグインがAWKCRをマスターとして指定している限り、子であるパッチをどういじくろうとAWKCRが必須という状況を変えることはできないのです。
そのため、今回は例外的にあえてご法度となるプラグイン自体の改変に踏み切っています。普通はパッチを作るのが基本であることに間違いはないので、そのあたりをご了承の上で引き続きお読みください。

それでは早速作業台の指定をAWKCRからECOのものに書き換える作業です。といってもどのフォームを指定すればいいのか…というところで戸惑うと思いますので、ここは既存のレシピデータを参考にして、そちらで使われている作業台をそのまま流用することにしましょう!

というわけでECO用のレシピで、バニラの「サブマシンガン」作成用のものはこちらになります。

こちらの黄色とオレンジの項目を、先程のMP40のレシピにコピーすれば作業完了です!
単にIDの部分をコピペするのでもよいのですが…
ここはxEditならではのもっとやりやすい方法を紹介します!

上記ECOのサブマシンガン用レシピ「co_weapon_gun_ballistic_SubmachineGun [COBJ:FEXXX773]」を表示した状態で、左側パネルから「MP40.esp」内のMP40側のレシピ「AEC_Weaponsmith_Workbench_Recipe_MP40 [COBJ:XX01F7A3]」を右クリックしてください。
(左クリックしないようにご注意!もし左クリックしてしまった場合は、ECO側のサブマシンガンのレシピをもう一度左クリックして表示した状態にしてください)
※FormIDの「XX」となっている部分はロードオーダーにより異なります。

右クリックで出てきたサブメニューから「Compare Selected」を選択すると…

このように、ECOとMP40のレシピを横に並べて比較表示することができます!
(色が見づらいのは申し訳ありません…)

この表示の何がすごいって、コピーしたいデータをドラッグ&ドロップするだけでそのままコピーができてしまいます!
2つのフォームを行ったり来たりして、必要なデータをテキストでコピーして…という手間いらずで非常に楽ちんです!

するとこのとおり!ECOの作業台がMP40にコピーされ…

…んん???

なんか変なことになってるううううううう!?

はい、今回自分が過去にやった作業を再現したつもりが、まったく予想外のことが起きてすごくテンパりました…。
どうもうまくECOのFormIDをMP40.espがうまく認識してくれず、IDがまったく別のものを指してしまってます!
いや、なんとなく理由は察しがつくんですよ?Dank_ECO.espはESLフラグがついてるのでロードオーダー的にどうやってもespより下にくるからうまく認識できてないとか。
ただ以前自分が作ったパッチだと問題なくECOのフォームを認識できているのです。今回できないことがどうして前はできてるのか??

あれやこれやと調査すること小一時間。
原因はまったく予想してなかったところにありました。
それがこちら。プラグインのヘッダのバージョンNoです。

このVersionの項目について、正直私もあまり詳しい仕様は把握していませんが、どうもここの数字が変わるとプラグインの挙動が一部変わるところがあるようです。
MP40.espのバージョンは「0.950000」、私が以前作ったプラグインのバージョンは「1.000000」でした。
二者のプラグインの違いをあれこれ見たところ、他に違いと思えるところはここしかなかったので、試しにここに「1」と入力してみました(小数点以下はxEditが自動補完してくれます)。

書き換えた直後だと特に何も変化はなかったのですが、もしここの数字でパッチ自体のハンドリングが変わるのなら、xEdit自体を再起動してみた方がよいのではと思ったので、いったんここで変更を保存してxEditを再起動してみました。
そしてあらためてMP40のレシピを覗いてみると…

うまくマスター(ECO)のFormIDを認識できてました!!ヤッタネ!!
いやまさかプラグインのバージョンでこんな挙動の違いがあったとは…。FO3の頃からxEditいじってますが、長年やっててもまだまだ勉強不足なのを痛感するばかりです。
というわけでバージョンが「1.00」でない場合は必ず「1.00」に上げるようにしましょう。

◆バージョンに関するこぼれ話
…と、執筆中に「こんなことがあったんですよ~」という話を某所でしたところ、
「バージョンは1.0から0.95に下げないと動かないMODがありますよ」
というような反応をいただきました。
これはたしかゲーム本体(Fallout4.exe)が日本語版の環境で起動している場合で、バージョンが「0.95」より上のプラグインを読み込んでいると、作業台にアクセスした瞬間にCTDを起こす、という挙動のことだったかなと思います。
日本語版のexeがおそらく更新停止しているために、それより新しいバージョンのプラグインに対応できていないために起こる挙動なのでしょう。

ただ日本語版exeは、私の理解が間違ってなければ最新版のF4SEに対応できず、MODを動かして遊ぼうとすると相当に不便な環境なので、
「英語版exe環境をベースに日本語化する」というのが現在のスタンダードと言ってよいかと思います。(私はいろいろ整合性取るのがめんどくさくて日本語化自体してませんが…)
もちろん承知の上で日本語版exeのままプレイする分には各人のご自由かと思いますが、
「プラグインのバージョンは0.95に下げるもの」
という固定観念をお持ちの方がもしかするといらっしゃるかもしれないので、英語版exe環境でプレイする分にはプラグインのバージョンをわざわざ下げるメリットはない旨だけ釈明させていただきます。(もちろん必要ない場合にまでわざわざ上げる必要もありません)

(追記:2024/04/14)
日本語版EXEなど、「espのプラグインVerが0.95でないと動かない環境」において、バージョンのプラグインを下げずとも起動が可能になる「Fallout 4 Version Check Patcher」というF4SEプラグインの存在を知りましたので欄外に共有させていただきます。
どうしてもF4SEが使用できない環境でないなら、やはりespのバージョンは「1.00」から下げない方がよいでしょう。

もっとも、この記事投稿後に入ったニュースですが4/25にFO4の無料アップデートが来るそうで、そうなると日本語版EXEでもVer1.00のespに対応する可能性もあり、そもそもこのMODすら必要なくなるかもしれないんですよなぁ…
私としてはF4SEの対応のほうが気にかかるけども…ってこぼれ話でこれ以上脱線してどうする私。

(※上記MODを入れても、今回のようにESLをマスターとするパッチ作成にあたって「バージョンを0.95→1.00に上げなくてよくなる」というわけではないので、念のため注釈させていただきます。)

予想外の寄り道が発生しましたが、まだ作業は終わってません。
作業台だけでなく、レシピフィルターのキーワードのコピーも必要です。
レシピフィルターとは何ぞやって話ですが、下記画像のように、ケミストリーステーションなどでアイテム作成時にレシピを選択する際に選択するカテゴリーのことです。たとえばスティムパックを作るときには「回復」を選ぶとか、そういうやつですね。

こちらもサクッとECOのレシピからドラッグ&ドロップでコピーしてやりましょう。
作業台の時と同じ操作でOKですが、ワンポイントテクニックとして、画像のように水色枠内の空白の行をドラッグ&ドロップするとよいです!
これは「項目ごと上書きコピー」するという操作になります。
普通にデータの行(文字のあるところ)をD&Dすると、コピー先にある既存の項目を残して2つのデータが共存する形になりますが、水色の項目のヘッダのあたりをD&Dすると、コピー先のデータを消してコピー元の項目ですべて上書きする、という違いがあります。
うっかり必要なデータを上書きしないよう注意が必要ですが、今回の目的はAWKCRのデータをECOのもので上書きすることなので、こちらの操作でやるのがスマートです。

下記のように「BNAM - Workbench Keyword」と「FNAM - Category」がECOのものと同じものに置き換わっていればOKです!

あとは同じ作業を、他のレシピで繰り返すだけです。
MP40.espでは、下記のレシピがAWKCRの作業台を参照しているので、Report masterのスクリプトで出たForm IDも参考にして該当フォームを特定し、作業を行ってください。

  • AEC_Weaponsmith_Workbench_Recipe_MP40 [COBJ:XX01F7A3]

  • AEC_Weaponsmith_Workbench_Recipe_MP40_Tactical [COBJ:XX01F7A4]

  • AEC_Weaponsmith_Workbench_Recipe_MP40_Experimental [COBJ:XX01F7A5]

(ある程度xEditの作業に慣れている方なら、わざわざFormIDから確認せずとも、左側のパネルのEditorIDから探すことも可能だと思いますので、楽な方法でやってください)

ここでさらにワンポイントテクニックのご紹介!
上記では「ECOの類似レシピから必要なデータを持ってくる」という方法で作業をしましたが、
残りのレシピもわざわざECOからコピーするよりも、すでに1レシピはECOからコピー済みのものがある状態ですから、そこからさらにコピーするのが楽です!

というわけでxEdit左側のパネルから、該当レシピをShift押しながらのクリックでまとめて選択してしまいましょう。
ECOからコピーする場合は、別々のプラグインを参照するため別途右クリック→Compare Selectedとやる必要がありましたが、
同一プラグイン内ならフォーム4つまでなら自動で比較モードになってくれるので楽ちんです。

下記の画像のようになればOKです!
なお、下記のような比較モードの場合、「項目ごとの内容がフォーム間で一致/相違しているか」は、セルの背景の色でわかるようになっています。
下記画像はダークモードテーマで撮影したものなので、デフォルトだと見た目がだいぶ違いますが…
デフォルトだと背景が「緑」なら「一致」、「黄色」なら「相違」となるようになってますので、
「作業台(Workbench Keyword)」と「レシピフィルター(Category)」の行がすべて緑背景になっていることを確認しましょう。

これで、最初に「Report Master」で検出されたAWKCRを参照しているデータはすべて置き換わったはずです。
xEdit初心者にも分かるように操作説明も入っているので長々とした手順に見えますが、まとめてしまえば「レシピ3つ分の『作業台』と『レシピフィルター』をECOのもので置き換える」というだけの作業なので、慣れれば誇張抜きで5分で終わります。

ただし締めの作業はまだ残っています。
「プラグインからAWKCRのマスター指定を外す作業」です。
今までの作業はあくまでAWKCRを参照しなくなるようにする作業であり、これだけだとAWKCRのデータを何も参照していないのに、AWKCRがないとロードできない状態が解決できません。忘れずに最後までしっかりやりましょう。

といっても最後はワンステップで終わる簡単な作業です。
左側のパネルから「MP40.esp」を右クリックし、「Clean Masters」を選択するだけです。
「Clean Masters」は、「なにもデータが参照されてないのにマスター指定されているプラグイン」を自動的にマスター解除する機能です。これまでの作業が正しく行われているのであれば、AWKCRも問題なくマスター解除されるはずです。

そして結果、見事「ArmorKeywords.esm」の表示が右側パネルから消えてなくなりました!!

ここまで来れば、あとはxEditを閉じて保存するだけです!(xEditは終了時にプラグインへの変更を保存するか聞いてくるので、必ずチェックが入っていることを確認してOKを押してください)
お疲れ様でした!

もし、Clean Mastersを行ってもArmorKeywords.esmが残ってしまっている場合、再度「Report masters」のスクリプトを走らせるところからやり直し、どこにAWKCRの参照が残っているかを確認してください。


Institute Field Pistol (by McMacHack)

ここからは私が今まで一度もインストールすらしたことがないMODを適当にAWKCR対応MOD一覧から選んで、同様にNo AWKCR化を行ってみたいと思います。
いずれも使ったことすらないMODなので、何をどうすればいいのかはまったくの手探り状態です。まずはどういう構造なのか調べるところから堅実にやっていきましょう。

まずはInstitute Field Pistolから。
インスティチュート勢力に地上作戦用の実弾のピストルを追加するというもので、「地上に派遣される調査員が、現地で弾の調達もできないエネルギー銃だけしか持ってないのはおかしいだろ!」という発想のもとに作られたMODで、私も使ったことはなくともMODの存在は知っていたので、この機会にぜひ導入してみることにしました。

それではまずは調査から。
さっそくReport masterスクリプトを走らせてみます。
なお今回はAWKCRに加えArmorsmith Extended(通称AE)もマスター指定されていますが、AE自体AWKCRをマスターとして指定しているMODで、つまりNo AWKCR化するにあたってはAEもマスター解除の対象となります。
スクリプトのマスター選択はAWKCRとAEの両方を忘れずに選択しましょう。

そうして出力された結果がこちら。

ぱっとみる限り、今回もフォームコードが「COBJ」なのでクラフトレシピですね。
紐づいているデータも「Workbench Keyword」と「Category」なので、MP40と同じく作業台とレシピフィルターがAWKCRのものを参照していると。
まぁ、武器MODならこんなものでしょう。サクッとECOのものに乗り換える作業をしていきましょう。
ちなみに今回のespもバージョンが「0.95」なので忘れずに「1.00」に上げておきましょう。

武器作成用レシピ(zzz_Institutepistol [COBJ:XX005173])でやってる作業ははっきり言ってMP40とまったく同じなので画像は割愛します。
ただ今回はもう一つ別の種類のレシピがAWKCRに依存しています。
それがこちら、EMICaseless5mm_recipe [COBJ:XX005174]です。

内容から察するに、この武器で使用する専用弾薬用のレシピのようです。
そのため、使う作業台も武器ではなく弾薬用のもので、レシピフィルターも「未分類の弾薬」というものを指定しています。
(※翻訳は2game.infoの日本語化ファイルのものから拝借)

そのため、ECOに乗り換えるにあたっては作業台とレシピフィルターも武器のものを流用するのもおかしいので、あらためて適切なものをあてがってやらないといけません。
今回はこちら↓の10mm弾薬用レシピをテンプレートとして使うことにします。

上記黄色とオレンジ枠で囲ったところを、弾薬用レシピにD&Dでコピーしちゃいましょう。
これで武器は武器用作業台で、弾薬は弾薬用作業台で作成できるようになります。

ただ細かいことを言うなら、ECOのレシピフィルターだと一度に作成される個数でカテゴリが分かれていて、用意されているのは「×10」と「×100」なのですが、今回のレシピは作成単位が「50発」となっています。
まぁ、レシピフィルターがなんであろうが作れれば問題はないので、このまま「×10」をあてがってもいいのですが…
No AWKCR化はすでに終わったようなもんですし、せっかくなので「50発用」のレシピフィルターも作っちゃいましょう。

というわけでECOのレシピフィルターをテンプレとしてコピーしてきましょう。
FormIDは「ECO_BenchModes_Ammo_Ballistic10 "BALLISTIC x10" [KYWD:FEXXX03A]」です。
フォームを特定したら、左側のパネルで右クリックして「Copy as new record info…」を選びます。

すると新しいフォームのEditor IDを聞かれるので、適当に設定します。
元が「ECO_BenchModes_Ammo_Ballistic10」ですから、末尾の10を50にわかりやすく変えることにしましょうか。

コピー先のプラグインの選択を求められるので、これは今作業中の「InstitutePistol.esp」を選びます。

これでECOからコピーしたフォームが、「InstitutePistol.esp」の中に作成されます。
今回コピーしたデータはキーワードにあたるので「Keyword」の中を探すと、今設定したばかりのEditor IDを持つフォームがあるはずです。
それを探して、「FULL - Name」の欄の「×10」を「×50」に変えちゃいましょう。
(※念のためですが、ここで変える数字は単にレシピフィルターの名前を変更しているだけで、ここでたとえば「×1000」とかにしたら一回作成するごとに1000発の弾ができるわけではないので誤解なきよう…)

そうしたら弾薬作成用のレシピに戻り、レシピフィルターの欄を今作成したもののFormIDで置き換えればOKです!
FormIDは、私は手打ちしてますがコピペでもOKです(普通はコピペすると思いますが)。

はい、ちゃんと「50発用のレシピフィルター」が指定されてますね!OKOK。

◆日本語化は…?
…とここまで書いてきて今頃気付いたのですが、上記だと日本語化できていないので、この状態で日本語環境で走らせると当然対応する翻訳データがないので英語で表示されてしまいます。
そのため、別途日本語化の作業が必要です……が、私は日本語化の経験がほとんどないのでうまい解説ができません。必要であればxTranslatorの使い方を見てください。あぅぅぅ_(:3」∠)_

…ただですよ、結局自分で使う用のパッチなのであれば、わざわざxTranslatorを通さずともxEditの作業中にesp側に直接日本語で書いてしまうのもアリなんじゃないかと思います。
英語の行があって浮くのがどうしてもイヤという人はご検討ください。(ただしxEditをUTF-8表示モードにしていないと文字化けするのでご注意を!

これであらかたの作業(7割くらい寄り道ですが)が片付きましたので、あとはMP40.espでやったように「Clean Masters」をして終了です!
ファイルのヘッダのマスター欄から「ArmorKeywords.esm」と「Armorsmith Extended.esp」の表示が消えていることをご確認ください。

……ってあれ?そういえばAEのデータはどこに??
今まで置き換えてきたデータはすべてAWKCRのもので、AEのものと思われるデータは一個もなかったような…?

と、ここでタネ明かしをすると、実はAEのデータが含まれていないことは「Report masters」を走らせた段階でうすうす気づいてました。
上の方で「Report masters」を走らせた時の画像をよく見たスルドイ方はお気づきかもしれませんが、直後にいきなり「Clean Masters」を実行してるんですね、私。
そしたらその段階で「Armorsmith Extended.esp」がマスター指定外れたので笑っちゃいました。
要するにAEを前提MODとしておきながら、最初っからAEは必要がないMODだったというわけですね……。

あくまでInstitute Pistolの作者さんの名誉のためにいうと、これは作者さんが嘘をついているということでは決してなく、恐らく作者さんも気づいてないのだと思います。
実際に私も一時期AWKCR+AEの環境で長いこと遊んでたので感覚としてすごくよく分かるのですが、「どこまでがAWKCRの機能で、どこからがAEか」っていう境目が死ぬほど分かりにくいのですこいつら……。
なんとなく「バリスティックウィーブがどの防具にもつけられる」っていうあたりはAEだと分かるんですが、それ以外の追加機能はAWKCRのものなのかAEのものなのか、プレイしてるだけだとさっぱりわかりません。
要するにそんだけ大量にAWKCRが機能を追加してるので、MOD作者さんも「AWKCRでMOD作ったけど、これってたぶんAEもいるよね…?」と疑心暗鬼に陥ってしまうのでしょう。
つくづくMOD作者さんをいともたやすく混乱させる罪作りなMODですねぇ。


Kemono Friends Royal Penguin (by irsuv)

ここからは防具MODのNo AWKCR化にも挑戦していきます。
というわけで次は某フレンズな装備をピックアップしてみました。基本、こういったアニメチックなMODをほとんど使わない人なもので、当然これ系のMODを導入するのもはじめてです。
こちら、もともとスカイリム用のMODだったものをFallout4に移植したものとのことで、移植元のスカイリムMODの作者さんはResidents of Skyrim2というブログの管理者さんだそうです。
(ちなみに、移植をした人はスカイリムのMOD紹介ブログえいへいすぽっと!さんで紹介されていたのを知ったとのことで、
ほかにはまるまじライダーの日記さんの管理人さんによる作のEVA装備も同じ人が移植してました。
スカイリム界隈での日本語コミュニティってワールドワイドに影響を与えてるみたいですね!)

それでは恒例の「Report masters」スクリプトを走らせたところ、上記の画像のような結果がかえってきました。
今回はクラフトレシピ以外にもちょいちょい別のフォームが出てきますね
クラフトレシピはもうやること決まってますのでサクッとカットします。一応、指定する作業台のテンプレは↓を使いました。

クラフトレシピは光の速さで作業完了しましたので、残る謎のデータに取り掛かっていきましょう。
スクリプトに表示されたフォームは下記の2件です。

  • Armor_BoS_KellsCOPY0000 "Brotherhood Fatigues" [ARMO:XX004C52]

  • 0000irsuvROSPenguinArmor "Kemono Friends Royal Penguin" [ARMO:XX004C53]

こちらのフォームコード「ARMO」は「Armor」つまり防具本体のフォームです。
一つはMOD本体の防具、もう一つは謎のBoS作業服のデータです。

さっとBoS作業服のデータを見渡す限り、どうもこれはキャプテン・ケルズのユニーク防具「BoS作業服」のクローンコピーのようです。
どう見ても不要なゴミデータっぽいですし、No AWKCR化を行う以上、こちらの防具からもAWKCRの参照は外さないといけないのですが…もしかしたらなにか意図があってあえて残してあるデータなのかもしれません。
はじめて触るMODですから、ここは慎重に行動してこちらは後回しにしましょう。

というわけで先にMODの本体ともいえるフレンズな防具の解析を行うことにしました。
0000irsuvROSPenguinArmor "Kemono Friends Royal Penguin" [ARMO:XX004C53]のフォームを上から見ていって、最初にAWKCRのデータを参照している箇所はこちらです。

こちらは防具に設定するキーワードの欄ですね。
なんか色々と設定されていますね。

…ところで今までサラッと流してきましたが、「結局キーワードって何??」という説明がまだだと思いますのでここで超簡単に説明すると、
キーワードとはアイテムの属性や特性を設定できるデータです。
たとえば、防具に「バリスティックウィーブ対応」というキーワードがついていれば、その防具はバリスティックウィーブがつけられるようになります。
NPCモンスターに「こいつはモールラットだ」というキーワードをつけると、それに応じてバトル時のBGMが雑魚戦用のものになったりします。
武器のアタッチメントに「これはスコープだ」というキーワードをつけると、武器名が「スコープ付き」と変化したりします。
…とまぁこういう具合に「このアイテムはこういうアイテムである」という特性や属性をくっつけることで、色々とシステム側で判定ができるものだと思ってください。

他にも防具についているキーワードによってNPCの反応が変わるなんていうこともあります。
たとえばVaultスーツを着てたら、道行くNPCに「あんたVaultから来たのか?」と言われたりとか。
他にもパイパーの初対面時に取材を受けるクエストで、会うなり「ブルー」というあだ名を付けられますが、Vaultスーツを着てるか否かで会話の内容が少しだけ変わったり(「なんでそんな呼び方を?」と聞いた時に、Vaultスーツを着ていないと「スーツこそ着てないけど、見たらバレバレだよ」と言われます)。
こういうのは、内部的には「どういうアイテムを着ているか」で判断していると思いきや、「そのアイテムにどのキーワードが付いているか」で判断してるというわけなのですねー。

さて、フレンズ服についているキーワードのうち、AWKCRに依存しているものは次の通りです。

  • AEC_ck_ArmorsmithCraftingKey [KYWD:XX000851]

  • AEC_cm_CO_Cosplay_Outfit_Recipe "OUTFITS - COSPLAY" [KYWD:XX000907]

  • AEC_ma_armor_inner_lining "Armour Set Only Inner Lining Common Addition Slot" [KYWD:XX002BE2]

サクッと解説します。
上記2件は、これまで散々見てきた「クラフトレシピ」につける、作業台とレシピフィルターを指定するキーワードです。
しかしこれは繰り返しですが「クラフトレシピ」につけるものであり、防具側についていても何の意味もありません。恐らく、設定ミスと思われます。
というわけで、これら2つについては右クリック→「Remove」で削除してしまって問題ありません。

問題は3番目のキーワード。
「Armour Set Only Inner Lining Common Addition Slot」というなんだかよく分からない名前ですが、2game.infoの日本語化ファイルの翻訳は
「アーマーインナーのみ・標準追加スロット設定」となっています。
…いや余計わからんがな!?(翻訳された有志の方も大変だったと思います…いやほんとお疲れ様です)

…ま、まぁキーワードとしてついている以上は、何かしらの属性を与えるものなのでしょう。
今回もさしあたってECOに乗り換える想定ですので、このキーワードがどういう機能を持っているのかを調べ、ECOに似たような機能のものがあればそちらで差し替えればよいと思われます。

では、この謎のキーワードの調査にうつります。
xEditのさらなる便利機能として、FormIDの登録がある行をCtrlを押しながらクリックすると、そのフォームにジャンプすることができます!
(以後、この小技を「フォームジャンプ」と呼びます)

そしてその上で、右側のパネル下にズラッと並んでいるタブのうち、「Referenced by」をクリックします。
これは、「現在のフォームを参照している他のフォームをすべて表示する」というもので、要するにこの謎のキーワードが、他のデータでどのようにして使われていることを調べることができるというわけです!

というわけでいざクリック★
結果は…

(゚Д゚)ハァ? フレンズ防具以外まったくなんのデータからも参照されてないじゃないですかー!!!!
思わずモニタの前でずっこけて、画像の文字に縁取り入れるの忘れちゃったじゃないですか!(しらんがな

…そうなんです、これこそがAWKCRが嫌われる要因の一つで、
こんな風になんのために用意されたのか誰にもわからんデータが2万件以上も収録されているのです。
恐らく作った人は将来別の誰かが活用すると思って善意で色々と追加していったのだと思うのですが…
「こういう風に使ってね」という説明もなしに大量のリソースだけ投げっぱなしジャーマンされたってそりゃMOD作者だって困ります。というかわからんもんは誰も使うわけがありません。

というわけで何のために用意されたものなのかすら分からない以上、誰も活用していないがゆえにただフレンズ防具にぶら下がっているだけの無駄なデータである、というオチでした。
削除しても誰も困りませんのでバッサリ削除しちゃいましょう。

そして残るキーワードは「ma_Railroad_ClothingArmor [KYWD:0020DE40]」。
これは前述の通り「この防具はバリスティックウィーブに対応していますよ」という属性のキーワードであり、これは別に残してあってもなくてもどちらでもかまいません。
ただ今回はECOに乗り換える想定ですので、ECOの機能でダイナミックにこのキーワードの付け外しが可能ですし、今回はこいつもバッサリ消しちゃうことにしましょうか。
というわけでキーワードのお片付けは以上です。

次にAWKCRのデータを参照している箇所はこちらです。

こちらは「防具の見た目」を設定するための欄です。
ここに指定されているデータは「Armor Addon」と呼ばれる、防具(Armor)とはまた別の種類のフォームです。
簡単にいうと、Armorが防具の「性能」を制御するデータで、Armor Addonが防具の「見た目」を制御するデータ、というようなふわっとした理解で問題ありません。
性別や種族ごとに違った見た目にする、という時もArmor Addon側での設定ができます。

さて、そんなArmor Addonの欄にデータが4件もぶら下がってます。
1つはEditorIDを見てもフレンズ防具のもので間違いないのですが、残りの3件が何をするためのものなのかわかりません。
ただこの3件がAWKCRに収録されているArmor Addonのため、こいつらを削除するなり差し替えるなりする必要があります。

恥ずかしながら、実はArmor Addonに複数のデータを設定できること自体は知っていても、その場合それぞれがどういう理由で設定されているのか、というあたりについて私の知識がまだまだ足りていません。
もしこれが何らかの役割を持ってるのだとしたら、いきなり削除するのはまずいですし、なにかAWKCR外の適切なデータで置き換えないといけませんが…
xEditで調べる限りどうもよくわからなかったので、ここは思い切って実験することにします!

というわけで適当な新規espを作成してそちらにこの防具データのコピーを作り、くだんの謎データ3件を削除した状態で保存してみました。
その上でゲームを起動し、オリジナル(未改造)のフレンズ防具と、謎データを削除したコピーのフレンズ防具をコンソールで入手して、挙動にどのような違いがあるかを確認してみました。
※一応スクショは撮ったのですが、あまり可愛くないテスト用キャラでアニメ装備をしているギャップが酷かったので割愛させていただきます。。。

そして結果ですが…見た目的にはどちらもまったく変わりませんでした。
コピーのフレンズ防具が、謎データを消したことによりなにか破綻するのかも?と内心ドキドキしたのですが、オリジナルとなんら違っているように見えませんでした。

ということはやっぱりいらないデータでFAでいいんでは?
…とDeleteキーを押したくなる衝動を抑えてあらためてxEditで謎データを確認してみたのですが、よく見るとこちらはいずれも「子供種族用」だったり「スーパーミュータント用(!?)」のArmor Addonであることが分かりました。
というかもっとよく見たらコレ、冒頭で触れた謎のケルズBoS作業服とまったく同じデータが設定されてますね。
おそらくですが、このケルズ作業服はフレンズ防具のデータを作成するためのテンプレートとして持ってこられたデータなのでしょう。コピー元はAWKCRですが、バニラのFallout4.esmのケルズ作業服(※本物)も同じ設定になってますし。
で、その子供服やらスパミュやらのArmor Addonの上にフレンズ防具のArmor Addonをはっつけた、という作りなのだろう、と推測するといろいろと辻褄が合います。
そしてテンプレとして使われた偽のケルズ作業服は、そのままプラグイン内に残ってしまった、ということかと…。

当然ですがプレイヤーは、特にいじってなければ「人間種族(成人)」ですので、子供やらスパミュやらのデータに影響は受けません。
あくまで「この防具を子供とかスパミュが着た時の見た目」というデータなので。
そしてよしんばMOD使ってプレイヤーを子供種族に転生させたところで、見た目がフレンズ防具ではなくBoS作業服になってしまうのですから、これらはフレンズ防具のデータとして残しておくメリットが皆無であるということが導けます。

なんか調査を慎重側に倒しすぎて、すごく遠回りをしたせいでかなり疲れました…_(:3」∠)_(調査過程のスクショも撮れてなくて、文章ばかりが続いて申し訳ありません)
まぁ例の謎データは消してヨシ!というのは十分分かりましたので次にいきましょう。

次は「Attach Point」に関する設定です。
Attach Pointとは、早い話が「アーマー作業台で防具を改造する時に、改造ができるスロット」のことだと思ってもらえればOKです。
武器でいう「レシーバー」とか「マガジン」などの「"アタッチ"メント」がつけられる場所(ポイント)だといえば分かりやすいでしょうか?

このMODについているアタッチポイントは下記の通りです。

・アタッチメント(「ポケット付き」「超軽量化」とかそういうやつ)
AWKCRの「コンディション」
・バリスティックウィーブ
・レジェンダリー効果

実はレジェンダリー効果も内部的にはアタッチメント扱いなので、アタッチポイントがないとレジェンダリー効果がつきません。
…という話は横に置いといて。
今注目すべきなのは「コンディション」なる謎のアタッチポイントですね。
これもさっきやった通り、Ctrl+左クリックでフォームを表示して「Referenced by」タブを見てどんなデータから参照されているかを確認したところ、今度は618件ものデータ(※フレンズ防具含む)から参照されており、結構使われていることが分かりました。
ただしよく見たら618件のデータは全部防具のフォームであり、このアタッチポイントを使用したクラフトレシピはもののひとっつもありませんでした。
つまりこれも「なんとなくで防具についている」だけの完全なる無駄データということが判明しました。またかよ!!

いやーうん、AWKCRを入れて遊んでた当時から気になってたんですよ、この改造項目。
AWKCRのおかげで改造項目がいろいろ増えたので、その点はすごくワクワクするんですけども、いざ改造しようとすると「なし」しか選べないんですよね。
それもそのはず、これに対応したクラフトレシピがさっぱりないんですから。
「コンディション」なる名前から察するに、恐らくバニラの戦前服みたいな感じで「新品」と「ボロボロ」の2バージョンを改造で切り替えられるようなレシピを想定して作った、とかじゃないかと思われるんですけども、
結局それに対応したレシピを誰も作ってないんだから、ユーザーをヌカ喜び(ヌカだけに)させるだけのゴミ項目と成り果ててるわけです。
ほんまにAWKCRはもう!!

というわけでこのアタッチポイントもバッサリ消してしまいましょう。
ついでにバリスティックウィーブのアタッチポイントも消しておきます。必要になったらECOでダイナミックに追加できるので問題ありません。

なんかこう、調べれば調べるほど「実は無駄データでした」というパターンが続いてきてもうお腹いっぱいなんですが、もうちょっとで終わりますのでお付き合いください。
最後はこちら、「Object Template」なるデータです。

Object Templateとは、スポーンする装備品にあらかじめどのようなアタッチメント(改造)がついているか、の組み合わせパターンを設定することのできるデータです。
防具だとあまりアタッチメントがついてることもないですが、武器だとたとえば10mmピストルであればスポーンした時に「標準レシーバー+標準アイアンサイト」というどノーマル状態だったり、「オートレシーバー+リコンスコープ+ロングポーテッドバレル+シャープシューターグリップ」みたいな最初からガチガチに改造済みの状態だったりすることもありますが、それらはObject Templateにより制御することができます。
慣れてくると、同じ10mmピストルでも「レイダーにはしょぼいパーツしかついてないものを、ガンナーにはつよつよフルオートのものを持たせる」とか勢力により個性を持たせることができたりしてめちゃくちゃ楽しいです。
ぶっちゃけ私はFO4でxEditいじってる時間の4割強はこれとレベルドリストのカスタマイズをやってたりします。

話がそれましたが、今回フレンズ防具についているObject Templateにぶら下がってるアタッチメントはホニャララケルズという名前のもの。
この時点でもう消していい無駄データだよな!?と衝動的にデリートキーを押しそうになりますが、今回のテーマは「どれが無駄データかどうかの見分け方を学ぶ」というのが目的の一つでもありますので、ここまで来て「わからんけど多分消して大丈夫でしょ」というようないい加減なことは言えません。
どういう根拠で不要なのかというところまで、きっちり解析してやろうじゃないですか。

ではさっそくこの謎のケルズなんちゃらをCtrl+左クリックしてフォームジャンプします。

というわけで画像のようなフォームに飛んできました。
これはなにかというと、「MODコレクション」と呼ばれるフォームです。
MODコレクションとは何か……を説明する前に、そもそもOMODに関する日本語の解説をほとんど見たことがなく、恐らくほとんど情報が出回ってないんじゃないかと思いますので、この際このデータ全体がどういうものかというところから全部説明させていただきます!

まずOMODとは「Object Modification」の略で、日本語で言う「アタッチメント」のことを指します。
日本語だとアタッチメントと呼んだりするのですけど、英語だと「mod」と呼ぶので、アイテム改造としてのmodなのか、データ改造という意味のMODなのか、ややこしくなることがたまにあります。
まぁアタッチメントのことは「モジュール(module)」とも呼んだりするので、どうしても区別したい時はmoduleと呼ぶのもありかもしれません。まぁ同じものを指すのにmoduleだのアタッチメントだの呼び方がいくつもあるのもそれはそれでややこしいですが。

そしてそのOMODは通常、たとえば銃のレシーバーなどの個別のアタッチメントに関するフォームなのですが、画像上部、黄色線のところにあるフォームのヘッダの「Mod Collection」というフラグが立っている場合、「複数のアタッチメントの組み合わせを制御する特殊データ」に早変わりします。
「モジュール(module)の集まり(collection)」だから「Mod Collection」というわけですね。
多くは、「Mod Collectionの中に含まれるアタッチメントから一つランダムで選んでね」という使い方をして、最終的にアイテムがスポーンする時についてくるアタッチメントにランダム性を与える、という役割を持つのですが、使いようによっては「このMod Collectionの中にあるデータ全部使って!」という指定をすることもできたりするので、使いこなすとかなり面白いことができちゃいます。
武器の話ばっかりで申し訳ないですが、たとえばSteyr AUG A1というMODだとレシーバーの改造で、ライフル弾(5.56mm)から拳銃弾(10mm)に換装できる面白パーツをつけることができるのですが、このパーツがつくかどうかをランダムにするだけだと、「10mm用レシーバーがついてるのにマガジンが5.56mm用」というおかしなことになっちゃうわけです。
そこをMod Collectionを整備すれば、「10mmレシーバーがつく時は必ず10mmマガジンがセットでつく」「つかない時は必ず5.56mmマガジンがつく」というスポーン制御ができちゃうのです!
…うーんなかなかすごさが伝わりにくいですねコレ…。

それはさておき残りのデータをサクッと説明すると、
オレンジ線のところは先にも説明のあった「アタッチポイント」です。こちらは装備品側だけでなくアタッチメント側にもつくデータで、対応するアタッチポイントがアタッチメントと装備品の両方にないとアタッチメントを装着することができません。
「マガジン」のアタッチポイントが武器についていないと、アタッチメントとしてのマガジンのデータがあっても武器につけることはできないということですね。

赤線は「アタッチメントの関連付け」を制御するキーワードで、アタッチメントについているキーワードと同じものが装備品側にもついていない場合はアタッチメントを装着することができません。
…ってアタッチポイントと同じやん??と思われるかもしれませんが、ややこしいですがちょっと役割が違います。
あまりいい例えではないかもしれませんが、アタッチポイントが「取り付け口」で、「関連付け」は「カギの差し込み穴」だと思ってください。
上記で「マガジンのアタッチポイント」の話をしましたが、これだけだと「マガジンのアタッチポイントを持つ武器」なら「どんな銃のマガジンでも取り付けられる」ということになってしまい、カオスな状況になってしまいます。
10mmピストルにコンバットショットガンのマガジンがついたらおかしいですもんね。
そこで、10mmピストル用のアタッチメントには「僕は10mmピストル専用だぞ!」というラベルを貼り、また武器の10mmピストル側にも「わたしはわたし専用のアタッチメント以外受け付けないわよ!」というラベルを貼ってあげると、間違って他の武器のパーツが取り付けられたりということがなくなります。そのための関連付けがこのキーワードというわけです。
マガジンという「取り付け口」があっても、「10mmピストル専用」というカギが合わなければ、他の武器用のマガジンは取り付けられない、ということですね。なかなかスマートな解決法だと思います。

…と、長々書いてきましたが、「結局それとフレンズ防具となんの関係があんの??」という疑問にズバリお答えしましょう。
このOMODについているアタッチポイントも関連付けキーワードもフレンズ防具にはついていません。
よって取り付け自体できないため、不要なデータです!削除してOK!

…と言いたいところですが、自分で書いといてなんですがこの回答だと50点です。
なぜなら、取り付け不可なのはあくまでゲーム内の作業台でまっとうに改造しようとした時の話で、Object Templateに含まれるアタッチメントは不正なものでも強制的に取り付けてしまうことができるからです。
よって「取り付けられないから不要」ではなく「本来取り付けられないものが取り付けられている」という状態で、もしなんらかの意図があって設定されているアタッチメントであれば、ここは削除ではなく正規の形に是正してあげる必要があり、その可能性がないとはまだ断言できない段階です。

……いや、どうせオチは分かってるんですけどね、
ここまで来たら完膚無きに「これは不要データである」ということを検証してやろうじゃないですか!

それではOMODの説明を続行しますと、紫線は「MODコレクションに含まれるアタッチメント」です。
「この中からランダムで一つ選ばれる」もしくは「この中にあるものすべてがワンセットで含まれる」ということですね。
とはいってもここに含まれるフォームはたった一つ、その名もチョメチョメケルズです。
というわけでかなり遠回りを続けていますが、このうんちゃらケルズが謎のアタッチメントの真の正体ということになるわけですので、ふたたびフォームジャンプをしましょう。

フォームの見方はすでにあらかた説明済みですのでサクッと。
このPropertiesとなっている欄が、アタッチメントの効果ということになります。
そしてこの場合の効果は「マテリアルスワップ」です。
「マテリアル」は、厳密には違いますが「テクスチャ」と思っていただいてかまいません。より正確に言うなら、「テクスチャに関する細かい設定(透過度だったりテカリだったり)」をまとめたファイルですね。
マテリアルスワップは、「このマテリアル(テクスチャ)を別のマテリアルに差し替える」というもので、色変えだったり他勢力のエンブレムに差し替えたりなどに使えます。
マテリアルそのものはFallout4のDataフォルダ内にあるファイルですが、マテリアルスワップはesp内のフォームとして存在するのでIDが割り当てられています。
では最後のフォームジャンプ、このマテリアルスワップの中身を暴いてやりましょう。

うって変わって非常にシンプルな内容のデータです。
黄色線の行で指定されたマテリアルを、このアタッチメントがついている間は緑線の行のマテリアルに差し替える、というデータですね。

そしてフレンズ防具のメッシュ(Data\meshes\irsuv\Residents of Skyrim Royal Penguin\Residents of Skyrim Royal Penguin.nif)をNifSkopeで開いて使用マテリアルをすべて確認しました…が。

フレンズ防具のメッシュの中で、Data\textures\armor\fieldscribe\fieldscribe.bgsmなるマテリアルを使用している箇所は一箇所もありません!
よって差し替え後のData\textures\Armor\FieldScribe\FieldScribeKells.BGSMなるマテリアルがフレンズ防具に反映されることも永久にありえません!

ということで、一連のケルズなりきもののデータは一筋の毛ほどの意味もない完全な無駄データであることが証明できました。
まぁみんな最初から分かっていたことではありますが、繰り返しながら本記事では検証しながら考察するところまで含めて目的としているので、「無意味である」と証明することに意義があるのです!
紙幅めっちゃ無駄にしたような気がしますがそれは気のせいなのです!!

というわけでよーーーーーーやくフレンズ防具のフォームに戻りますが、「Object Template」にぶら下がっているどれそれケルズはすべて削除するなり差し替える必要があります。
差し替えるとしたら何を代わりにいれるか…ということなのですが、このObject Templateは必須のものではなく「入れたきゃ入れとけ」なスタンスの任意のデータです。
フレンズ防具には改造用のレシピはいっさいなく、よってぶら下げられるアタッチメントも存在しないため、この項目自体完全に葬ってしまってOKです。

そして最後に冒頭で触れたケルズ作業服のクローンも項目ごとあぼーんしてやれば、プラグインからAWKCRの痕跡は一切消し去ることができます。
仕上げにClean Mastersして作業完了です。

…いやね、本当に長々と遠回りをしてしまいましたが、フレンズ防具に関して作業を2行でまとめると、
「防具作成レシピの作業台とレシピフィルターをECOで差し替える」
「あとはAWKCR関連のもの全部削除」
というあまりにもあまりになオチだったわけですよ…。
読者の皆様にはここまで連れ回してしまい本当に申し訳ないのですが、私としても初めて触るMODなので「もしかしたら意図があってやっているのかも」とできる限り好意的に受け止めて丁寧に解析を進めた結果がコレだったので…。

念のためですが作者さんを責めているわけではありません。
悪いのはAWKCRなので。
AWKCRは「コミュニティリソース」を謳っているわけですから、自然と「MOD作者支援」という役回りになるのが本来あるべき姿なわけですよ。
それが、どう間違ってこんなMOD作者を戸惑わせるようなお邪魔MODに化けたのか……
コミュニティリソースどころかコミュニティに残した爪痕は深いと言わざるをえません。
はぁ…(=ω=;)

とため息をついていても始まりません。
気を取り直して最後のMODのNo AWKCR化に挑戦しましょう!


Gunmetal Armor Skins - Armored Coat Pack (by ShanicTheOatmeme)

最後、レールロード・アーマーコートに迷彩を追加し、アーマー作業台で迷彩を変更できるようにするMODです。
今度は新規アイテムを追加するのではなく、バニラの装備品を改修するタイプのものをチョイスしました。
新規アイテムの追加だと結局やることは作業台の差し替えぐらいなので、せっかく方法論について書くのだから、やることが一辺倒だと複数のMODをサンプルケースにする意味がありません。
そういう意味で、あえてAWKCRの機能をもっと活用していそうなものを選んでもってきました。トリだけあって応用編となりますので、今まで以上にしっかりと作業を進めていきましょう!

それでは恒例、まずはReport mastersスクリプトを走らせるところから始めましょう。

なんかやたらと大量のデータが検出されました!
行にしてきっかり100件ジャスト。
今までがどれも10件前後のケースばっかりだったのを考えると単純に作業量が10倍です…
そして何やら末尾のデータ欄も、今回の記事ではまだ触れていないものが結構あります。

これですよ私が今回の記事で求めてたのは!これだけ色々直すところがあるならやり甲斐があるってもんです。
正直「作業台を差し替えるだけです」という説明を4MOD分繰り返すだけの記事になったらどうしよう…と戦々恐々とし始めてきたところだったので、こういうのを見ると逆に闘志が湧いてきます。そこドMとか言わない

さっそく見ていきましょう。まずは防具本体のフォームから。
上から順に見ていきます。

こちらは防具についているキーワードですね。
それぞれのキーワードの役割について説明したいところですが、そろそろ長くなりすぎて来ているので、ある程度グループに分けて巻きで解説します。

まず黄色の下線のキーワード。こちらはフレンズ防具にもついてた「バリスティックウィーブに対応させるキーワード」ですね。
しかしコスプレ衣装にすぎないフレンズ防具と違い、こちらはそれ自体がボディアーマーとして作られている重量級防具です。こんなものにバリスティックウィーブなぞつけたらバランス崩れまくりですね。
まぁ必要だと思うならECOでどうぞってことでこれは消しときましょう。

次、青色の枠のキーワード。
こちらもフレンズ防具でさんざん説明した「どこにも参照されていないAWKCRの無駄キーワード」です。
ハイ削除決定!
…まぁ厳密にいうと「_ClothingClassMilitary [KYWD:XX00081A]」というキーワードだけは防具以外に参照しているフォームが2件だけあるのですが、それは「スーパーミュータント専用の防具に使う用の命名規則」。
細かい説明はまたの機会に譲りますが、要するに人間用の防具とまったく関係のないところで使われているデータなので、やはり完全なる無駄データです。削除安定です。

ひとつ飛ばしてオレンジ枠の行。
こちらはキーワードですらない全く無関係のフォームです。
クラフトレシピだったりMISCアイテムだったり…
何がどうなってここにぶら下がっているのかはまったくの謎ですが…もともとちゃんとした正規のデータが入ってたはずなのに、なにかが化けちゃってるとかでしょうか?(本記事でも触れたMP40.espの時みたいに)
まぁいずれにせよ、キーワードの欄にキーワード以外のデータが入っててもまったくの無意味なので心置きなくREMOVEでございます。

残るは赤い下線のデータ。今回バニラの上から追加された中で唯一残ったキーワードですね…
そのキーワードとは「アタッチメントの関連付け」。フレンズ防具のところでもお話した、「装備品」と「アタッチメント」をつなぐカギとカギ穴の役目を果たすキーワードです。
これに限っては、本MODで追加された色変え用のアタッチメントを取り付けるのに必要なキーワードになりますので軽々に削除するわけにはいきません。削除しちゃうと改造台での色変え(迷彩変更)ができなくなってしまいます。

試しにフォームジャンプからこのキーワードを参照しているフォームを確認したところ、やはり本MOD内に含まれている迷彩変更用のアタッチメントも、関連付け用として同じキーワードを指定しています。

必要なデータならしょうがないね、それじゃこれは残そうね…というとそうもいきません。結局AWKCRのデータの参照が残っているのでは、AWKCRの呪縛から逃れられないのです。

じゃあどうしたらいいのかという話ですが、要はこの「関連付けキーワード」がAWKCRのものでなくなれば良いのですから、なにか別のキーワードで差し替えればいいのです。
ということで今回も差し替え元としてスタンバイしていたECOから、何か適当なキーワードを…と思って探していたのですが、ECOには関連付けキーワード自体が収録されていません。
…まぁ「レールロード・アーマーコートの色変えアタッチメント用キーワード」その他大勢の関連付けキーワードをわざわざ収録してる(しかも大量に)MODなんてAWKCRぐらいですからね。ある方がおかしいんです。

ということでないなら作りましょう!正確にはすでにあるものをMODプラグイン内に複製して、外部の参照を必要としないデータを作ってしまえば解決です。

複製の元となるキーワードのフォーム「ma_color_Armor_Railroad01_Jacket [KYWD:XX000A87]」に、防具またはアタッチメントからフォームジャンプするなりForm IDを打ち込んで直接ジャンプするなりして、xEdit左側のパネルからフォームを右クリックし、「Copy as new record info…」をクリックしましょう。

新しいフォームのEditor IDの入力を求められるので、適当に変更してOKを押します。
機能には影響しないので自分が分かる名前であればなんでもよいです。ここは「01」だけ消すことにします。

コピー先のプラグインは、本MODのプラグインである「GunmetalArmorSkins-ArmoredCoat.esp」にチェックを入れてOKをクリック。

無事にキーワードが複製できました!以後、AWKCRの関連付けキーワードは、この複製キーワードで差し替えることにしましょう。
なお、右側のパネルの表示がひどく寂しいですが、このことからも分かる通りキーワードに特別な設定をする必要はあまりありません。
唯一、関連付けキーワードの場合は「Type」「Mod Association」になっている必要はありますが、それ以外、「特定のアイテムで使えるようにするための高度な設定」などは一切ありません。「装備品」側と「アタッチメント」側の両方に同じキーワードが入っているならどんなアイテムにでもキーワードの使いまわしは可能です。

レールロード・アーマーコートの項目に戻り、Keywordの欄に残っている関連付けのキーワードを、今作ったばかりのキーワードのFormIDを入れて差し替えましょう。
ちなみに「IDを入力する」と言ってますが、Form IDというのは「8ケタの数字」のところだけの入力でOKです!その後の英語のIDは「Editor ID」というもので(さっき名前を変えろって言われたやつですね)、xEditは基本こちらではなくてForm IDで認識をかけますので入れなくてもOKです。

このような感じでうまく差し替えができました。
これでキーワードの欄のお掃除は完了です。
ただし関連付けキーワードは装備品側だけでなくアタッチメント側のものも同じもので差し替えをする必要がありますので、後で必ず忘れないように作業しましょう(No AWKCR化の工程で嫌でも通るステップではありますが)。

キーワードの欄が終わっただけで、まだまだ防具データ全体のお掃除は済んでません。
お次はこちら。「アタッチポイント」です。

アタッチポイントについてはフレンズ防具のところでも説明済みです。「アタッチメントの取り付け口」となるキーワードですね。
「関連付け」との違いについても説明済みなので、まだ把握がイマイチという方はそちらをご参照ください。

さて、MODで追加されたアタッチポイントは2つ。
「ap_color01_primary "1番目カラー変更" [KYWD:06000A33]」
「ap_color02_secondary "2番目カラー変更" [KYWD:06000A50]」です。
この2つの項目、AWKCRを入れて遊んでる人なら一度は見たことがあるのではないでしょうか?
そうです、アーマー作業台でバニラ防具を改造しようとした時に出てくるあの項目です。
何度か触れていて繰り返しになりますが、AWKCRを入れるとこんな感じで改造項目がたくさん増えるのですが、その正体がこのアタッチポイントというわけなのです。
「改造項目はAWKCRの方で増やしておくから、対応レシピはコミュニティのMOD作者の皆さんで作ってね」というスタンスというわけです。(というとすごく健全に聞こえますが、実際この理念"だけ"はきわめて健全だったんですよね…)
そしてこのMODは実際にAWKCRで増えた改造項目に実際に作れるクラフトレシピを追加してくれる、というものになります。MOD4つ目にして、ようやく作業台以外でまともにAWKCRの機能を活用したMODの登場です。

しかし今回の目的はNo AWKCR化です。まともな機能ではありますが、涙を呑んで差し替えをしなくてはなりません。
もちろんアタッチポイント自体は必要なものなので、先程関連付けキーワードでやったように、AWKCRからキーワードを複製した上でそちらに差し替えていきましょう。

というわけで手順も何度か繰り返していますしサックリ対応完了です。
ちなみに関係ないので流してましたが、ArmorKeywords.esmではフレンズ防具にもあった謎の「コンディション」のアタッチポイントが追加されてますが、今回のMODのプラグインだと「コンディション」はしれっと削除されてました。
…うん、「これ意味わかんねーしいらねーわ」って思う人が他にいたってことですね。私だけじゃなくてすごく安心した。

そんなこんなで防具のお掃除はこれで完了です。
…ただし本MODにはレールロード・アーマーコート6種類(MkⅠ~Ⅴとテスト用?の未使用バージョン)の上書きフォームがあるため、それらについても同様に作業が必要です。
幸い、修正が必要な箇所はすべて同じなので、MP40の時でやったように「比較モード」にして効率的に一括コピーしちゃいましょう!
比較モードのやり方をおさらいすると、左側のパネルからフォームを複数選択(Shift+クリックで範囲選択、Ctrl+クリックで一つずつ選択)して、右クリックで「Compare Selected」です。
同じプラグイン内のフォーム4つまでなら自動的に比較モードになります(設定やウィンドウサイズにもよる?)が、それを超えた場合は手動で「Compare Selected」をする必要がありますのでご注意ください。

(今回は間違ってフォームIDの番号が大きい方から作業してたので右から左にドラッグ&ドロップしてますが、普通は番号が小さい方からやると思いますので、データの内容をよく確認して必要なもので上書きしましょう)

これで、「No AWKCR化」という観点から見たら防具データ上の作業は完了なのですが…
見ているうちにどうしても気になる変な箇所があったので、せっかくなのでそちらもついでに直してしまいましょう。

その箇所とはここ。防具の部位スロットです。
部位スロットとは、たとえば普通の服だったら「胴体」、右腕用コンバットアーマーだったら「右腕(アーマー)」のような指定のことです。
防具(衣装)1つにつき複数の部位スロットを持つことは可能ですが、実際のキャラが1部位に装備できる防具は1点だけです。
服の上からアーマー装備しようとしたら、服が脱げて裸にアーマーになってた…って誰もが経験したことあると思いますが、一部の服はアーマー用の部位も専有してて上からアーマーを着れないようになっているために起こる現象なんですねー。
(だったら服を脱がすんじゃなくて「この服の上からアーマーを着ることはできません」みたいにエラーで教えてくれよっていつも思うのは内緒)

さてその部位スロットについてですが、どういうわけかこのMODのプラグインだとアーマー用の部位の指定が外れています。(AWKCRまでは正常)
この状態だとレールロード・アーマーコートの上からさらにコンバットアーマーなどを着れてしまう状態です…。
メッシュ同士が干渉して見た目が大変なことになるだけでなく、バランス的にもバリスティックウィーブ以上にぶっ壊れる恐れがありますので、さすがにこれは元通りにアーマー同時着用はできないように部位の指定を戻した方がよさそうです。

また、こちらはAWKCR側ですが、なぜかEditor IDを微妙に変えています。
そもそもバニラ装備のEditor IDを変える理由などないのですが、この変更を本MODが元に戻しているせいで競合が発生しています。
まぁそもそもNo AWKCR化が完了してAWKCRをロードオーダーから外しちゃえば必然的に競合もなくなるので、こちらは放置でかまいません。
しかしほんとなんでこんな余計な編集ばっかりするかねAWKCRは。

ともかく、今度こそ防具データのお掃除がすべて完了しましたので次にいきましょう。
次はOMODつまりアタッチメントです。
xEditでObject Modificationを開くと、背景が緑の行のフォームがあります。
こちらはAWKCRのデータの「Overwrite(上書きコピー)」です。AWKCRのデータを一部参照するのではなく、AWKCRで追加されたフォームにさらに改変を加えるというフォームで、これ自体がガッツリAWKCRに依存したデータということになります。

そのためNo AWKCR化にあたってはこの上書きコピーは削除するほかないのですが、もし有用なデータが含まれているようであれば、先程関連付けキーワードでやったように別途複製コピーを作成した上で、重要なデータだけ残す必要がありますが…

上記画像でも分かる通り、そもそもこれらのAWKCRのフォームはAWKCR内でしか参照されていない(そして本MODの作者さんにより不要と判断されたのか参照を除去されている)状態なので完全に不要なデータです。心置きなくフォーム自体を削除してしまいましょう。

なんだか「無駄なデータ」という理由で削除してるものがものすごく多いような気がしてきますが、ちょっとだけネタバレするとこれ以降はそういう無駄データはもうないのでご安心ください!

残るAWKCRの痕跡は、アタッチメント内のデータ。

こちら、フレンズ防具の項目でも解説した「マテリアルスワップ」つまりテクスチャ差し替えの効果を持つアタッチメントですね。
このMOD自体、「レールロード・アーマーコートの迷彩テクスチャを増やす」というのが目的なので、これこそが今回のMODで一番肝心なデータと言えます。
さて、その中でAWKCRを参照しているのは「アタッチポイント」と「関連付け用キーワード」です。しかしこれらのキーワードはすでに防具のお掃除の時点で複製コピーを作ってあるので、ここでやることはそれぞれの行を複製コピーのIDで差し替えるだけです!
むろん、No AWKCR化という目的を別にして考えても、すでに防具側のアタッチポイントと関連付けキーワードに変更を加えている以上、アタッチメント側にもそれぞれ同じIDのキーワードを設定してあげないと、防具とアタッチメントが紐づかずに作業台でクラフトすることができません!
防具とアタッチメントは相互に同じものを設定することで初めて作業台でクラフトできる、というのは基本ですがとても重要なことなので、しっかりと覚えておきましょう。

そして残りたくさんあるアタッチメントも、基本的にはすべて同じアタッチポイントと関連付けキーワードを設定してあげるだけです!
ここでも比較モードとドラッグ&ドロップで効率的にコピーしていきましょう。

ただしこのMODの場合注意点が2点あって、
一つは「MODコレクション」がリストの途中(※FormID基準のソートの場合)に挟まっていることです。
こちらもフレンズ防具で脱線気味に解説した通り、「複数のアタッチメントから一つがランダムで取り付けられた状態でスポーンする」というためのデータです。
このMODの場合であれば「指定された迷彩の中からランダムで選ばれて、レールロードNPCが着てたりする」というような効果があるわけですね!

そういうわけで通常の個別のアタッチメントとはちょっとだけデータの作り方が違うのですが、基本的にやることは一緒で「アタッチポイント」を差し替えるだけです。
関連付けキーワードですが、MODコレクションにはついていなくてもOKです。
まぁ今回はたまたま作業の内容的に、流れ作業で他のアタッチメントとまとめて対応しても問題なかったのですが、基本は通常のアタッチメントとは違う構造のデータであるということだけは覚えておいて損はないと思います。

そしてもう一つの注意点ですが、
複製したアタッチポイントが2つあるということで、途中から使われるアタッチポイントが変わることです!
下記のように、「Primary」「Secondary」というように名前が変わっています。

なぜアタッチポイントを違うもの2つを使い分けているのか、についても解説します。
FO4をプレイしている方なら周知のことだと思いますが、一つの改造項目(アタッチポイント)で取り付けられる改造(アタッチメント)は一つだけです。
武器のマガジンを2種類同時につけられたらおかしいですもんね。
しかし逆に言えば、アタッチポイントを複数つければその分アタッチメントを併用できる、ということになるわけです。
このMODの場合、Primaryとなっている方が、レールロード・アーマーコートのジャケットにあたる部分の色変えを、Secondaryの方はグローブの色変えを行っており、つまり色変えをする部位が異なります。
もし1つのアタッチポイントのみでまかなっていたら、「上着とグローブのどちらかしか色変えできない」という大変不便なことになっているので、併用できてしかるべきところはアタッチポイントも分けているというわけですね。
今回のようにフォームが多いとうっかり脳死で作業してミスをやらかしやすいですが、しっかりと適切なデータが適切な場所に紐づくように確認しながら作業するようにしましょう。

そんなこんなでアタッチポイントと関連付けキーワードの差し替えが終われば、AWKCRの痕跡をプラグインからすっかり消し去ることができているはずです。
最後にClean Mastersをして作業完了です!

ってか今回はECOの出番すらなかったですね。
一応マスター指定をするためにロードしてスタンバってましたが、このMODで作業台を使ってやることは「新規防具を作る」のではなく「バニラ装備を改造して色変えをする」なので、クラフトレシピの作業台を変える必要がありませんでした。
もしかしたらキーワード関連で何か使えるかもとは考えてましたけど、ECOにはAWKCRのような大量の無駄なキーワードなぞ入ってないので、ないものは作れの精神で対応できてECOの出番は今回ありませんでした。
まぁキーワードに関しては、「このMOD間では共有する」というような明確なビジョンがない限りは都度個別に作るのが当たり前なんですけどね。

色々と解説が入ったので長く感じられたかもしれませんが、大部分は「いらない部分の削除」と「比較モードを使ってフォーム間でコピー」で対応できてしまうので、
100件という参照件数の割には、実際の作業時間(解析に使った時間も含む)は意外と短かったです。
少なくともフレンズ防具よりははるかに早く終わりましたね…。


テストプレイ!

ようやく全工程が終了し、計4つのMODをNoAWKCR化することができました。
それではちゃんとこれらがゲーム内で反映されているのか?早速確かめてみることにしましょう。

ロードオーダーから「ArmorKeywords.esm」を外し、マスター不足エラーがないことを確認します。大丈夫ですね。
そして「Dank_ECO.esp」も忘れずに有効化します。(MO2ならマスター指定されていれば勝手に有効化してくれます)
そしてゲーム起動!ここも問題なく突破です!

この時点で、ひとまずAWKCRがロードオーダーになくても問題なくゲームが起動できていることは確認できました。
では、今度はちゃんとゲーム内でクラフトできるのかを確かめましょう!

まず新アイテムを追加するタイプのMOD「MP40」「Institute Field Pistol」「Kemono Friends Royal Penguin」は、作成に使う作業台をECOの「万能作業台」に設定しましたので、まだの場合は拠点に万能作業台をビルドしましょう。

万能作業台を使用し、先に武器2点から確認することにしましたので「武器 - 作成」モードを選びます。
そしてカテゴリー、もといレシピフィルターは「銃 - 実弾」を選択…
お、この時点で一覧にMP40が出てきますね!(※このプレビュー機能はFallUI - Workbenchの機能…だったと思います。バニラUIだとたぶんカテゴリに合わせただけでは中身は見れなかったはず…)

そしてカテゴリを選んでスクロールすると…
ありました!MP40とInstitute Field Pistolがちゃんと選べました!
そしてもちろん作成もできました!

そしてInstitute Field Pistol用の専用弾レシピもちゃんと「x50」という専用カテゴリに収まっておりました!

ではお次はフレンズ防具!
万能作業台を今度は「アーマー - 作成」モードにします。
今回フレンズ防具のレシピフィルターは「アーマー - 衣装」にしましたのでそちらを選びましょう。

こちらもちゃんとありました!
当然クラフトも装備も問題なくできます!
可愛い。

これでMOD3点の正常動作が確認できました。
残るはGunmetal Armor Skins - Armored Coat Packですね。
こちらはレールロード・アーマーコート用のレシピ追加なのでまずは防具を用意しましょう。
そしてアーマー作業台(ECOの万能作業台でなくてもOK)で改造の準備をします。

ちゃんと「Color Swap」というアタッチポイントが2つついてますね!(英語ですが…)
ただしアタッチポイントのソート順が「第2(Secondary)」が「第1(Primary)」の上に来てしまって逆になっちゃってますね…。
まぁ機能的には問題ないのでまたの機会に直すとしましょう。

こちらも各迷彩・カラーが選択できました!
改造すればちゃんと防具にも反映されます!

というわけでさきほど作った武器2点といっしょに証拠を兼ねて記念SSを撮りました。

マルチカム迷彩とMP40ですね。
現代的な迷彩とWW2時代のSMGというアナクロ感が逆にFalloutの世界によく馴染んでよきよきです。(ちなみに現実世界の紛争でも軍事費に乏しい地域では、本当にごく一部ですが現代でもMP40を使用しているところもあるらしいです)

そしてこちらはInstitute Field Pistolと、アーマーコートの迷彩お色直しです。
ちゃんと迷彩がスカイブルー迷彩に変わってますね!
そしてこのInstitute Field Pistolの格好よさよ。いろいろとカラーが選べるのですがインスティチュートらしいプラスチックのおもちゃみたいな色が多い中、ブラックはマットな質感がめちゃくちゃ渋いです!
まぁ迷彩が合ってないだろというお叱りを受けそうですが、
「迷彩の色変わったよ」「武器作れたよ」という報告を一枚で済ますためなのでそこはご容赦ください(レールロード・アーマーコート自体が野暮ったいので、洗練されたインスティチュート装備とは水と油ですし…)。

※ナイフは撮影用の小道具でMODにはついてきません。欲しい人はこちらをどうぞ↓


というわけで以上、4つのMODのNo AWKCR化に無事成功しました。
いかがでしたでしょうか。

「作業を実況する」という記事のスタイル上、色々と長文になってしまったので「MODって大変なんだ…」と思われるかもしれませんが、決してそんなことはありません。
「どのデータが必要で、どのデータが不要か」という区別さえできれば実際の作業は大したことではありません。もちろん、それを見分けられるようになるまでには相応の時間xEditをいじって、「どのデータがどこと紐づいているのか」という知識と慣れを身につける必要がありますが、
今回は私なりの見分け方について、一例ですが共有させていただきましたので、拙い乱文で恐縮ですがお役に立てば幸いです!

もし質問や「このMODってどうやってNo AWKCR化するの?」というヘルプの要請などあれば、お気軽にコメントでお知らせください!
「わかんないからパッチ代わりに作って」は必ずしもお応えできませんが、xEditで分からないことについては全力でサポートさせていただきます!




おまけ(無関係ネタ)

この記事を書きながら裏でYoutubeの音楽動画を適当にミックスで流してたのですが、その中で流れてきた動画が妙にツボに入ってしまったのでご紹介させていただきます。
Sithu Aye - Senpai (I - II - III)

インストゥルメンタル(歌なし)のプログレッシブメタルなんですけども、「センパイ」というアルバム名から分かる通り、「先輩に恋する青春JK物語」みたいな感じのアニソンっぽさがすごいです。
(ネット空間ではSenpaiは英語としてほぼ定着しきっており、「Please notice me(私に気付いて)」とワンセットでミームとして親しまれてます)

1曲目からして題名(意訳)が「いっけなーい、遅刻遅刻!」でご丁寧に目覚ましアラームが入ってますし、2曲目は完全にアニメOP。3曲目も恋と友情パワー!みたいなのが感じられますし、4曲目は夏休み青春真っ盛り!のような感じで、ともかく格好いいプログレメタルなのに妙に萌えが入ってるんですよね。
主人公は右から2番目の子でしょうか?

とにかく2曲目の「Senpai, Please Notice Me」のインパクトがすごく、知らない人に「アニメOPの曲だよ」って言ったら普通に何の疑いもなく信じてくれると思います。
あえて雰囲気の似たアニソンを挙げるなら、「涼宮ハルヒの憂鬱」の「Super Driver」でしょうか(キーは同じ)。

しかし萌え萌えってほどでもなくて、芯にあるのは熱いリフとギターソロで彩られたメロディアスなメタルなので、やっぱり普通に聞けるしめちゃくちゃ格好いい。
というか9曲目「Choices on a Piece of Paper」、恐らく期末試験とか学校生活の一大試練を乗り越えるために四苦八苦する場面をイメージした曲名だと思うんですが、とにかく曲調がアップテンポで疾走感がものすごいので期末試験だけじゃなくて部活とかに全力投球する様が目に浮かんできます。
「Senpai」というタイトルから思い浮かべるようなベタベタのラブコメというより、どちらかというと部活に青春を捧げる熱血ものというようなイメージを私は抱いてしまいました。
アニメ自体ほとんど見ない人間なので知識に乏しいのですが、少ない中で見たことあるものから似たイメージのものを挙げるならば「響け!ユーフォニアム」とかみたいな。

その熱血ものにセンパイのイメージをかけ合わせると、
「声をかける勇気が出ずに物陰から憧れの先輩を…」
なんて軟弱なイメージは完全に吹っ飛んでしまい、
「憧れの先輩に近づきたい一心でわき目もふらずに部活に打ち込むJK」
みたいなシーンしかもう浮かんでこないわけですよ。
そして先輩側の設定も「全国大会常連レベルの腕を持つが目標にいつも一歩届かず栄光を逃し、自暴自棄になって勢いで引退宣言したが、いつの間にか後輩(主人公)に追い抜かれてしまったところに気づき、初心を取り戻して後輩に負けてられるかと最後のチャンスに向かってともに走り出す」
みたいな熱い展開が待ち構えてるかと思うと、


な に そ れ そ の ア ニ メ 超 観 た い 。


もしこんな感じのアニメをご存知でしたらぜひコメントにてお知らせください。
それはともかくとして「格好いいアニソンみたいな曲を聴きたい」みたいなピンポイントな趣味をお持ちの人もそうでない人もぜひ一度聴いてみてください。

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