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ラーメンの最後のもやし

ラーメンが好きで、中でも上に乗ってるモリモリの炒めもやしが好き。

炒めもやしがちょっと最初は生っぽいから、麺と場所を入れ替えてまず麺を啜る。

で、麺を食べ終わり、お腹重たくなってきたなーという頃に現れる、スープの熱で丁度良くなった炒めもやし。

生き別れていた幼馴染との再会か、

はたまた塩分という砂漠で見つけたオアシスか。

熱々のもやしを口の中にかきこむとシャキシャキの歯ごたえと共に水分が弾ける。

麺とは違い、スープに絡まないので味がいい感じに薄く、また「いくらでも食べられる」と思わせてくれる。

ここまでは前置き。本題はここから。

私は食べるのが早いので、ラーメンを食べに行くと必ず真っ先に食べ終わり、皆が完食するのを待つ間手持ち無沙汰にスープを啜っている。

スープ完飲してこそ完食だろうが!と怒られてしまうかもしれないが、半分ちょい残したくらいを完食としている。しょっぱいから。

それはさておき、この手持ち無沙汰スープを啜っている間にも、もやしはオアシスだ。

たまに混ざり込むもやしのかけらが美味いのだ。

シャキ…と不意にもやしを噛むと、待っててくれてありがとうという気持ちになる。

この幸せをもっと最後まで味わいたい。

好きなものは最後にとっておく派の私は今日気づいた。

もやし後半にもっととっとけばよくね?

元々後半にとってあったもやしをさらに後半の手持ち無沙汰タイムに持ち越そうと思った。

とりあえずもやしを半分食べたところを完食とし、皆を待つ間いつものようにスープを啜る。

そこに、いる。もやしが。

たくさんのもやしがレンゲに流れ込む。幸せ。

もやしまだある!嬉しい!

ニコニコしながらもやしを食べていて気がついた。

いつのまにかテーブルが私待ちになっていた。

しまった、ともやしを完食し、気づく。

私の完食ってどこだった?

もやしを満足いくまで食べたタイミングってこの食事の中にあったか?

目先の幸せに気を取られて、真に大切なものを見失ってたのではないか?

全国の炒めもやしを入れてるラーメン屋各位、

スープにもやしモリモリ入れただけのメニュー出してください。

よろしくお願いします。