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おばあちゃん、またね

 昨日は叔父の家で祖母の法事があったので朝から出かけた。

 兄が迎えに来てくれたので運転をしないでいいのでちょっと楽だった。

 祖母の家は仏教ではなく神道なので亡くなって10日ごとに神主さんが祭詞をあげにきてくれる。

 昨日が50日目のお祭りでこれで一応一区切りとなる。

 正式には100日祭があってそれからは一年後の式年祭となる。

 とりあえず親族が集まるのはお葬式以来だった。

 叔父の家に行く前に仕出し屋さんでお膳を受け取りに行った。

 約束の時間より少しだけ早く行ったらお店の人がバタバタと忙しそうに働いており、しばらく放置されたのでちょっと嫌な気分になったがそれはおくびにも出さずお膳を受け取って支払いをして叔父の家に向かった。

 兄と会うのは二か月ぶりくらいだったが今公開中のコナンの映画を四回観たと話して傑作だから絶対観るべしと強く推された。

 私はコナンの事はほとんど知らないし正直興味があるとすれば大泉洋さんが今回のゲスト声優だという事くらいだったのでその辺りの話をしてお茶を濁した。

 そうこうするうちに叔父の家に到着。

 ちょうど納骨に行く時間に間に合ったのでそのままお墓に。

 まずはお墓に祖母のお骨を収めて神主さんが祭詞を唱えてそれから玉串を奉納した。

 それで一連の儀式は終了。

 叔父の家に戻ってから親族で会食。

 数年ぶりに見るいとこの子ども達が大きくなっているのが感慨深かった。

 昔はお兄ちゃんと呼んで懐いてくれていた子がすっかり人見知りになっており、ああ…こんにちはとよそよそしくなっている辺りに時間の流れを感じた。

 お祭りなので当然お酒が出る。

 ビールをグビリ。

 くはーっ昼酒は背徳感があってたまらないなと思いながらお膳をつまみに飲んだ。

 お膳の中身はよくある仕出し料理のそれでお刺身があって揚げ物がエビフライと唐揚げ、これらがメインで後は酢の物とか煮物といった渋いラインナップ。

 お刺身が鮮度が良くて特に鯛が身がプリプリで美味しかった。

 隣に座っていた叔母と久しぶりにじっくりと話した。

 祖母の思い出話が中心で懐かしい気持ちとちょっとだけ切ない気持ちにもなった。

 みんなでワイワイ食べているとそのうちに子ども達が飽きてきて家の中で鬼ごっこを始めた。

 バタバタ走り回る音とうるさいくらいの嬌声が自分たちも昔はこんな感じで騒いでいたものだなと遠く四十年前の記憶が蘇ってきた。

 そんなノスタルジーに浸りながらご馳走様。

 ボリュームのある料理だったのとビール三本でお腹いっぱいになった。

 それから片づけをして一息ついたので外に出て妻と散歩をした。

 見慣れた風景だが近所の人がみんな田んぼを作るのを止めてしまったので雑草が生え放題の荒れた土地になっているのが何とも言えなかった。
 
 妻に昔話をしながら家に戻ると母が秘密の場所を教えてあげるというので再び外に。

 歩いて五分くらいするとあぜ道のわきに細い道があった。

 母は躊躇なくそこに入っていった。

 何があるの?と私が聞くと地面を指さしてこれよと言った。

 よく見てみると辺り一面に三つ葉が生えていた。

 まさに群生というのがふさわしい様子で見渡す限り三つ葉だらけだった。

 ここはね、母さんしか知らない場所なんよと言ってしゃがんで三つ葉を採り始めた。

 私もまだ葉っぱが柔らかそうな若い三つ葉を選んで摘んだ。

 妻は辺りの清浄な空気が気に入ったらしく深呼吸をしていた。

 ものの数分で両手で持ちきれない位収穫できたのでもう十分だった。

 食べ方はお浸しが定番だが卵とじにしてもいい。

 晩御飯のおかずが一品出来たなと思いつつ叔父の家に帰宅。

 それからコーヒーを飲んで一休みしてから解散。

 いとこの子どもが最後にバイバイと手を振ってくれたのがちょっと嬉しかった。

 帰り道も兄の運転でやっぱりアニメの話が中心だった。

 私も結構アニメは見るが兄の好きなジャンルとはかぶらないので微妙に会話がすれ違う。

 まあそれもいつもの事なのでまったく気にしていない。
 
 家まで送ってもらって、またねとお別れ。

 時計を見ると午後四時前だった。

 お酒を飲んだので筋トレはお休み。

 晩御飯は摘んできたばかりの三つ葉をお浸しにして、後はぬか漬けと冷凍庫にあったトンカツを温めて簡単に済ませた。

 天然の三つ葉は香りが良くてシャキシャキした歯応えがたまらなかった。

 ササッと食べ終えて早めに就寝。

 兄の提案でたまにはいとこたちで遊ぼうという話が進行している。

 夏あたりの都合のいい日にBBQをするそうだ。

 また新しい楽しみが一つ増えた。

 仕切り屋の弟があれこれ手配するだろうから私は出しゃばらずに控えめに手伝おうと思う。

 船頭が多いと船が困ったことになるから。

 それまでにダイエットに励んで見間違うようなグッドルッキングガイに変身を遂げたい。

 そうと決まればスクワットの回数を倍にしよう。

 とにかくプヨプヨなお腹を引っ込めたいのですよ。

 ようしやるぞぅ。

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