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賄いから生まれた大傑作

 昨日は珍しく夕方から夫婦でお出かけ。

 目的地は隣町のショッピングモール。

 この辺りでは一番大きな商業施設であり色々な商品を取り扱っている。

 夕方の渋滞にしっかりはまりながら一時間かけて到着。

 屋上の駐車場は平日の夕方なのでそんなに車は停まっていなかった。

 私は完全に運転手で妻の用事だったので後ろからついていった。

 まずは春物がたくさん並んでいる服屋さんを見る。

 今年の流行の色やデザインはこうなのよと妻があれこれ言っていたがファッションに関してはまるで門外漢なのでほうほうとフクロウの様に返事をしておいた。

 あれこれ見て結局今日はいいかなと何も買わずにお店を出た。
 
 次に百円ショップに足を運んだ。

 昨日のメインはここだったらしく最近ハマっているジェルネイルのコーナーに張り付いてあれこれと吟味していた。

 一個一個品物を手に取って指にあててみてイメージをしているようだったのだが私は秒で飽きたので別のものを見る事にした。

 たまにしか来ないお店なので品ぞろえが珍しいのでついカゴにあれこれと放り込んでいった。

 スマートフォンの電源ケーブルを束ねる箱が便利そうだったので購入。
 
 後はプラスチックのまな板やピーラーなどの実用品をポイポイ。

 ある程度お店を堪能して妻の所に戻るとまだ吟味していた。

 どれも可愛いと思うよと言うと適当な事を言わないでと心を見透かされてしまった。
  
 結局三十分くらい悩んで二色購入。

 レジで会計を済ませてから車に戻った。

 時計を見ると午後七時少し前、丁度晩御飯時だ。

 せっかくなのでたまには外食をしようという話になった。

 そうと決まれば私には行きたいお店があった。

 それは山口県民にはおなじみのうどん屋さんどんどんである。

 チェーン店なので県内には何店舗もある。

 以前勤めていた会社の近くにもあったのでその頃は週に一度は通ったものだ。

 今は家からは少し遠いところに鹿お店が無いのでご無沙汰だった。

 何でここに行きたいと思ったかというと先日テレビの全国放送で紹介されたらしくそのなかでたなかうどんというメニューが紹介されていたからだ。

 たなかうどんの名前の由来はかつてお店の従業員だった田中さんが賄いの時に食べていたうどんだという事である。

 私はどんどんにくるといつもカツ丼セットを頼むのでたなかうどんは未食だった。

 都合のいい事に帰り道にどんどんがあるので妻に晩御飯うどんでいい?と聞くと良いよというので喜び勇んで車を走らせた。

 お店に着くと夕飯時だからか駐車場は八割くらい埋まっていた。

 それでも空いている所に車を滑り込ませて店内に。

 私はもう食べたいものは決まっていたが妻が何にしようかと少し悩んでいた。

 このお店は前払いの食券制なので素早く食べたいものを決めなければならない。

 ううん、え~とと悩んでいた妻は肉うどんと鮭のおむすびにした。

 わたしはもちろんたなかうどんの大盛りともう一つの名物のワカメおむすびを頼んだ。

 料金は全部で千五百円位、この価格の安さもこのお店の大きな魅力である。

 セルフの水を汲んで空いている席に座ってしばらく待つ。

 お店はてんてこ舞いの忙しさで厨房から威勢のいい声が聞こえてくる。

 ホールを担当していたのは私の母親位の年代のお姉さんでパタパタと忙しそうに立ち回っているのだが明らかに人手が足りていないようだった。

 お店の広さはよくあるファーストフード店位なのであまり広くはないのだが何せお姉さんの動きが追い付いていない。

 まあそれでも田舎のお店なので誰一人として怒ることもなくのんびりと自分の料理が届くのを待っている様子だった。

 私たちも同じようにさっき買った戦利品を並べたりしてお喋りをしていた。

 十分くらい待ってお姉さんがお待たせしましたと慌ただしくうどんを持ってきてくれた。

 待望のたなかうどんは肉うどんとワカメうどんのハーフ&ハーフで肉ワカメうどんと言えばわかりやすいだろうか。

 妻はスタンダードな肉うどん。

 ここのお店はネギを別皿で提供してくれるので自分で入れたいだけ入れることが出来る。

 昔は卓上に大丼に山盛りのネギがあって取り放題だったが、今は小丼での提供になっている。

 それでも普通の量は十分にあるので文句はない。

 妻がネギ好きなので先に入れてもらったら三分の二使われた。

 私もネギ二ストなのでほんの少しムムムと思ったが顔には出さずに残りのネギをうどんに振りかけた。

 塗り箸を取っていただきます。

 まずは出汁から、肉うどんの部分は甘い肉の油と出汁がよく合っていた。

 次にワカメ部分の出汁を飲んでみるとはっきりと味が違う。

 こちらはあっさりで海藻の良い風味がして優しいお味。

 へぇこんなに味に違いがあるんだと新鮮な驚きがあった。

 どんどんのうどんは中太でコシはあまりないが啜りやすくて出汁が良く絡む。

 ドゥルルと啜るとかなり美味い。
 
 ああ、そうそうこの味この味と県民のDNAに刻み込まれた記憶が蘇る。

 大盛りは普通の麺の量の二倍近くあるのでボリュームも十分である。

 妻も久しぶりの味を堪能していた。

 うどんを食べつつ合い間にワカメおむすびも食べる。

 これは塩むすびにセミドライタイプのワカメふりかけがたっぷりまぶしてあるものでこれまた地元の人間にはなじみの深い味。

 たなかうどんのワカメとダブってしまったなとゴローさんのような事を考えながらもなぁに美味けりゃいいんだよと思いつつモグリモグ。

 私たちが食べている間にも続々とお客さんがやってきて大賑わいだった。

 あまり長居してもいけないのでお水をゴクリと飲んで妻が食べ終えるのと同時に食器を返却棚に戻した。

 それからご馳走様でした、美味しかったですと言ってお店を出ようとするとお姉さんがありがとうございました、またのご来店を!と元気良く送り出してくれた。

 初めて食べたたなかうどんはなかなかのヒットだった。

 何よりたまに晩御飯を作らなくていいのはとても開放感がある。

 ご機嫌で帰り道にコンビニでアイスを買って帰った。

 実に数年ぶりの訪問だったが大満足。

 皆様も山口に来られた際はぜひぜひ。
 
 どんどんのたなかうどんぶちおすすめじゃけぇ。

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