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「ふくしま美酒体験」へ! アイドルとファンをつなぐ、熱気あふれる夏の一大イベント

福島の酒が好きです。

特に意識はしていないのですが、気がつくと、お気に入りの日本酒は福島のものが結構多いです。

冷酒系は甘くてまろやか、あとキレが心地いい。
おかん酒系は、ゆるゆると飲み進められるまろやかさがある。
とにかく、「丸い」印象です。
水質なのか、角がなくすいすいいけてしまう。

そんな福島の酒が一堂に会すイベント「ふくしま美酒体験」に参加してきました。平日に。

ふくしま美酒体験とは

「ふくしま美酒体験in渋谷FAINAL」
福島県酒造協同組合(http://sake-fukushima.jp/)が開催する試飲会。今年で東京開催は22回目であり、FINAL。歴代最多の52蔵が参加。すべてのお酒をひとくちずつ(仮に10ml)飲んだとしても2L以上になる(と主催の方が話していました)すごいイベントです。参加費なんと2000円!

会場は渋谷のセルリアンタワー東急ホテルのボールルーム。上の階では「取締役会」が行われていました。その下で飲むのが、また酒情をそそります。

受付で参加蔵とその出品酒の一覧、そして特製のグラス(お土産に持ち帰りOK)を受けとります。ここで常連は「どの蔵のどのお酒が狙い!」と計画を練るそうです。…ぜんぜんふらふらしていました。

今回、僕はひとり参加です。一応行きそうな人を誘ってみたのですが「試飲会はガチすぎる」と断られました。しかし、一般参加可能な日本酒イベントは、非常にカジュアルなのです!

試飲イベントとは、フェスみたいなものだ

満員(チケット完売)の会場。基本的におじさんが多いのですが、客層はばらばら。意外と若い人男女もちらほら見かけます。

試飲イベントというと「ハードル高そう」と感じますが、一般客も参加できる会は、酒を造る人と飲む人が集まるお祭りのような雰囲気です。

人気の蔵のブースには、「あの●●蔵元にひとめ会いたい!」と列ができますし、蔵元と一緒に写真を撮るのはお決まりの光景。
「このスペックのお酒は去年と何が違うの?」と、蔵の人にディープな質問をしまくる人の目はキラキラしている(ファンの深度をしらしめているよう)。
さらには「福島からわざわざやってきた応援団」といった集団(地元の酒だから地元で飲めるでしょうに…)まで。

アイドル(酒蔵)と、それを応援したいファン(参加者)が集まるフェスのような趣です。(バンドでもなんでも、ファンだと思うものにそのまま置き換えてください)

それがよくわかるのが、参加者の格好です。

ふくしま美酒体験コレクション!

酒蔵T!似たのもってたなと思ったら、音楽イベントのそれでした。

この2人は「酒ポーチ」で決めていました。どこに売ってるんだろう。

こちらも酒蔵ポーチ! 今回の参加蔵である「夢心酒造」(奈良萬でおなじみ)のオリジナルグッズ。アンテナショップで買ったそう。

酒器ホルダー!両手が使えて便利!

またまた酒ポーチ。ポーズもとっていただきました。

蔵の、しかも単一ブランドの推しであることを宣言するシャツ。圧がすごい。

とにかくこんな具合で「楽しみにきたぞ!」という雰囲気に包まれたイベントです。ぜひ酒グッズを手に参加してください。

いよいよ試飲スタート!

試飲イベントはカップを手に会場内の酒蔵ブースをまわり、蔵の人に注いでもらうスタイルです。では、ここからはいくつか写真を撮ったブースを紹介します。

鶴乃江酒造

福島のオシドリ夫婦酒蔵といえば「会津中将」の鶴乃江酒造。すっと美しい後味が好きです。吟醸系が得意な蔵とあり、オーソドックスな純米吟醸と純米大吟醸をいただきました。普通にはなかなか買えない高級酒を味わえるのもイベントの魅力です。

佐藤酒造

個人的にいま一番注目しているのが「三春」の佐藤酒造さん。都内では「革命君」で取り扱っています。他ではまだなかなかみないけど、透き通った上品な甘みが本当においしいんです。

革命君の紹介記事
https://note.mu/00kub0/n/n6a236b4a557e

その、革命君の齋藤さんもいらっしゃってました!

曙酒造

天明、フレッシュかつやさしい&軽い甘みがすてきです。都内でもじわじわ広がってきている注目のお酒です。

大木代吉本店

「自然郷」「楽器政宗」で話題沸騰! 今まさにブレイク中の蔵です。飲んでみると、さすがに美味い!そして値段を見て驚く。安いんです、おいしいのに。

人気蔵のブースは長蛇の列!

福島のレジェンド・廣木酒造本店の廣木さん!入手困難な「飛露喜」が飲めるとあり、長蛇の列。今回は特別に2015年熟成をふるまっており、ここだけ熱がすごかったです。

峰の雪酒造場

廣木酒造本店さんは、「甘くてジューシー」なものを飲みたいならば個人的に一番おすすめしたい酒蔵さん。「大和屋善内」は…本当においしいですよ。
本日いただいたのは、まさかの「ハチミツの酒」。

蜜のよう…という形容は聞きますが、本当の蜜の酒。結構甘い、甘すぎるくらいなのに、あと切れがいいのでどんどん飲みたくなる。これは罪な味です。

松崎酒造

「廣戸川」松崎酒造の松崎さん。本当に丁寧な酒造りをしている超現場主義の蔵元杜氏です。しかも純米・大吟醸の両極端な世界で評価されているすごい人。

蔵の人がつける熱燗は美味い!

福島のお酒はお燗にぴったりな旨味系も強い。そんな蔵のブースでは、わざわざ蔵の関係者が御燗にして提供してくれます。

仁井田本家

自然派の酒造りで知られる「仁井田本家」には、「公式御燗番」の称号をもつ熱燗専門店「Gats」のマサさんがいました!

gatsの紹介はこちら
https://note.mu/00kub0/n/nea1f85090fde

蔵の方も個性的。カエルシャツはオフィシャルグッズだそう。

ここの熱燗が「試飲会なのに器をしっかり温める」というガチなタイプ。「100年貴醸酒」(毎年継ぎ足し100年後に完成するというプロジェクト)をいただいたのですが、ダイジェストで書くのがもったいないくらい美味しかった。立ち飲みということを忘れてまったりしてしまいました。

鈴木酒造店

もうひとつ、ブースの主は強面で、人気蔵の華やかさとは無縁。おうかがいすると「生酛」の燗酒を出してくれました。…丸くてするすると染み込みます。これは…うまい。個人的な発見でした。

以前、ある飲食店さんに聞いた「試飲会で無愛想な蔵はうまい」というのを思い出しました。

はじめての酒に出会う楽しみ

試飲イベントの楽しみのひとつが「はじめてのお酒」に出会えることです。

小原酒造

このビジュアルだけでお腹いっぱいです。最近よくきく「音楽を流しながら発酵させるお酒」のなかでも、ここはかなり早くからやっているそうです。

奥の松酒造

よく、このせまいブースにこの装備をもってきたな、と思いました。しかし「昭和の酒」には惹かれます。トロッと優しい熟成酒は絶品です。

やっぱり好きです、福島の酒

これらの蔵にかぎらず「おいしい!」と思っても都内で買えるお酒ってすごく少ないのが実情。「販売につながらないのになぜ東京まで…」とうっすら思いもしますが、いつかお店や酒販店で「再会」できることを、また酒販店関係の人の目にとまり商談がうまくいくことを祈らずにはいられません。

と、いうことで、僕はこれからもふくしまの日本酒が大好きです。
おいしい時間を、本当にありがとうございました。

特産物の「もも」も売ってました!

もちろん、お酒を飲みます。