むりをしないでなまけない 私は弱い人間だから
私の実家のトイレには、相田みつをの日めくりカレンダーがあった。
「人間だもの」という詩をご存知の方は多いのではないだろうか。
小学生の私にはその詩に想いを馳せられるほどの奥深さや人生経験はなく、
センスのある文字だ。
という感想が思いつくくらいで。とはいえ、
"人間だもの"
という表現のインパクトは相当大きかった。この表現を知ってからの私は、「人間だもの。」を気安く乱用してきたと思う。そして、もっともっと、他の詩も見てみたくなって、日めくりをめくりにめくった覚えがある。
私は年齢を重ねるにつれて、けっこう自分っておっちょこちょいだなと思うことがある。
高校1年生。はじめての電車通学。何万回傘を置き忘れたか分からない。プレゼントしてもらった傘を忘れた日には、一生ビニール傘にします...それか傘を首に付けておきます...と懺悔した。
誤字脱字、文字の打ち間違いも多い。この文章を書いている時も、「高校生」がなぜか「高校性」になっていた。これは私の過失なのかスマホのバグなのか。そんな単語作ったことないのに。
先日は、ジムに行きお風呂に入っている間にロッカーの鍵を紛失した。親切な方が鍵の持ち主を探してくれていたようだが、私はあいにくシャワーを浴びていて気づかなかった。下着でうろうろしている私をみて、これまた親切なおばあさまが、「鍵だったらフロントに届いているかもよ。さっき探してる人がいたわよ〜よくあるのよ〜」と教えて下さった。
ロッカーには鍵がかかっているので、私は着替えることができず、下着のままフロントに電話した。すぐ届けに行くとのこと。さすがにもう少し布を纏いたいと思い、バスタオルを腰に巻いてスカートみたいにして下半身を隠した。
レスキューを待つ。間もなくフロントの方が遠くに見えた。早歩きでかけ寄った。
そしたらバスタオルが落ちた。一瞬でぱたっと落ちたが、体感としてははらりはらりと時間をかけて落ちていったような感じだ。滑稽な絵だ。
フロントの人は仕事を全うするため、「お名前を教えていただけますか?」と冷静にお話なさったので、私もバスタオルを手に持ったまま鍵の紛失者の責務を全うした。
自分がおっちょこちょいで空回るくらいならまだいいが、人に迷惑をかけるおっちょこちよいをしてしまった時には、社会の一員としていかがなものかと反省する。
自分のことをおっちょこちょいだと思っているのでなるべく工夫をするし、仕事ではほどのどに緊張状態を保つようにしている。性格的に納得いくまでやりたいタイプでもある。それ故、丁寧にやって人より時間がかかることもあれば、急いでミスすることもある。
しかし、先ほど申し上げたように、私はおっちょこちょい村出身だ。さらに、宮城県の田舎の方で両親に愛されて、ほどほどに褒められて育った。おっちょこちょいの指摘もあったはずだが、クレヨンしんちゃんみたいに「いや〜それほどでも〜」くらいに受け止めていた(褒められてない)。
しかし、右も左も上も下も分からない新卒の時は、たくさんやらかしたし周りが見えていなかった。1年目の時に、上司から「とんちんかん」と言われて、嫌でもおっちょこちょいと向き合わなければならなくなった。「非とんちんかん」にならなければ!!と、とらわれモードまっしぐらだった。
むやみやたらに「ちゃんとやらねば」と躍起になっていた。
ここから抜け出すには、数年かかったし、今も真っ只中かもしれない。
自己分析も細分化もできていないで同じ過ちを繰り返していた私は、周りに合わせて無理をしていたように思うし、そういう自分のことを変えたいと思ってもいた。
おっちょこちょいとは話がずれるけど、自分の言動の理由を言語化することができる人や、自分の気持ちや考えをまっすぐ伝えられる人は素敵だなぁ、それにひきかえ私はどうだい??と自問自答の日々。
むりをしないで なまけない 私は弱い人間だから
そういうタイミングで、私は相田みつをの詩集と再開した。
これは、たまたま入った仙台の居酒屋に置いてあった詩集だ。
私は負けず嫌いであり、我執が強い人間だ。ゆるくて力が抜けている人を見ると、どうしてそうなれないのかと落ち込む。
気も小さいし。恥ずかしがりだし。
私が、私が、という自己中心の態度では、
「褒められてる人を見ると、私には褒められるところがないのだ」とひねくれる。お恥ずかしい限りなのですが、自分のことばかりですよね。
そのように大雑把に結論を出して、向き合うことから逃げていたようにも思うんですよね。
表現することから逃げていたのも、
「批判されるのが怖い」
「恥ずかしい」
「多くの人に好かれたい」
自分に自信がなかったんですよね。
これからもずっと未熟者。気づいたことから向き合って、柔らかく笑っていきたいな〜と思います。
いま、自分のことに関心が向き過ぎていて、さらには自分の嫌なところに関心が向いている方は、まずは自分に、
よく頑張ってきたね!!!えらかった!!!
と声をかけてほしいです。精一杯やってきたことを認めてほしい。
私が言える立場ではありませんね。
でも、悩むのもエネルギーがいることだから。
そして、一緒にゆるみましょう。
無理をしないで なまけない。
(なにかの勧誘ではございません)
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