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再開初戦は不運な形から失点し黒星

新型コロナウイルスの影響で中断していたJリーグが、26日の試合から再開された。ジェフユナイテッド市原・千葉の相手は優勝候補の筆頭に挙げられる大宮アルディージャだ。2年目の高木琢也監督のもと、鍛えられたチームは強固なディフェンスとソリッドな攻撃を武器にし、フクアリに乗り込んできた。

一方、迎え撃つ千葉は開幕戦から5人のメンバーを代え、GKに新井章太、DFにはゲリア、増嶋竜也、チャン・ミンギュ、下平匠、MFにはアラン・ピニェイロ、高橋壱晟、田口泰士、堀米勇輝、FWにはクレーベと山下敬大が構える4-4-2の布陣を取った。

リモートマッチ(無観客試合)のため、いつもとはスタジアムの様子や雰囲気は違う。試合の入りこそ”フワッ”と入っていけない。それは誰もが感じていたことだ。

新井は「やりにくいのは入り、整列も入場もない中で難しい雰囲気だったので、みんなで声かけ合った。声(コーチング)という部分ではコミュケーションを取りながら試合を進めることは良かった」と口にした。

大宮がボールを持ち千葉陣内に侵入するが、ホームチームは3ラインを形成し隙を見せない。ここでズルズルとラインを下げれば相手はプッシュアップをしてくる展開になるからこそ、一人ひとりがポジショニングを意識した。相手の攻撃を受け止めながら、千葉は攻めに転じていく。前半18分には堀米のセンタリングを山下がヘディング。前半21分にはコーナーキックを増嶋が合わせるが得点には至らない。その後もラインの背後を狙いボールを送るが膠着状態が続くと、1本のパスカットからイッペイ・シノヅカにシュートを狙われるも新井が好セーブを見せる。

しかし、ここで大きな落とし穴が待っていた。前半終了間際の45+5分、大宮にペナルティーエリア左でフリーキックのチャンスが与えられると、小野雅史(大宮)が蹴った鋭いボールは、クレーベに当たりコースを変えると、高橋が反応し咄嗟に足を出し当てにいったが、ボールは無情にもゴールネットを揺らした。

1度ならまだしも、2度のリフレクトではどんな俊敏性を持つGKでも反応は難しい。

「オウンゴールになったが、あれを止めるために自分はここに来たので悔しさが残る」(新井)。

まさに不運としか言いようがないシュートで失点し、ハーフタイムを迎えた。

1点のビハインドを背負った千葉は、当然のことながら得点を取るために前に出るが、大宮はそれを逆手に取り空いたスペースを突いてくる。後半7分、8分と連続で新井がシュートをセーブする。

千葉は大宮の守備時(5-4-1)の堅いブロックを崩せない。外回りでボールを動かすが肝心の縦パスのコースは切られていた。

後半、25分、ここで千葉はゲリア→田坂祐介、アラン・ピニェイロ→米倉恒貴と2枚替えを行い、右サイドの活性化に力を入れるも状況に変化はない。逆に大宮は連係の歯車が、噛み合ってくるとパスをシャドーの選手にボールを付けることでチャンスを創出。新井の奮闘が目立つ場面が増えていった。

後半41分、尹晶煥監督は、堀米→川又堅碁、下平→新井一耀と、この日2度目の2枚替えを行い、パワープレーに出る。川又とクレーベ、山下をターゲットにすると、最終ラインは変則的な3枚の形にし、1点をもぎ取りにかかる。増嶋のロングスローやセットプレーを含め、限られた時間の中で手を尽くしたが最後までゴールを割れず、0-1で黒星を喫した。

中盤でチームを攻守で支えた田口は「最初に先制を許してしまった。一人ひとりがゴールに向かう姿勢を見せないといけない。シュートも少なかったと思う」と悔しさを露わにすると、尹監督は「全員が守備をするので良いカウンターのタイミングもあったが生かせなかった。クロスのタイミングが遅れて相手のゴール前に入るのが少なかった。お互いの呼吸を合わせるのも大事だが少し落ちていた。思っていたより良くいった部分もある。相手の3CBが良かったこともあり、こじ開けるのが難しかった」と90分を振り返った。

せめて1ポイントは欲しかったが、失点の前のファールや後半の出来をみれば致し方ないと思うしかないだろう。

ただ守備の安定化はプラス材料だ。

しかし過密日程となった今季だが7月には6試合が控えている。失点をしなければ負けることはないが、勝つこともできない。少ないチャンスの中で得点を決めること。それが今季のテーマとなるだろう。

https://www.youtube.com/watch?v=cH1FURANYOg#action=share



大宮戦後 尹晶煥監督 コメント
難しい試合になることは分かっていたが選手たちは頑張ってくれた。守備の安定を中心に準備をしてきた。失点はしたがある程度守備は安定していた。1つのミスから失点をすることになったが、それがサッカーだと思う。後半に得点を決めるために攻撃的に出た面もあるが相手の良いディフェンスでチャンスを掴むことが難しかった。再開最初の試合であり、色々な方が期待をしてTVを見てくれたと思うが良い結果を送れずに申し訳ない。だがもっと良くなると思っている。期待に応えられるように努力します。頑張っていきます。(守備は良かったが攻撃が良くない原因は)全員が守備をするので良いカウンターのタイミングもあったが生かせなかった。クロスのタイミングが遅れて相手のゴール前に入るのが少なかった。お互いの呼吸を合わせるのも大事だが少し落ちていた。思っていたより良くいった部分もある。相手の3CBが良かったこともあり、こじ開けるのが難しかった。修正をしていきたい。(無観客試合でサポーターの後押しがないのはどんな印象をもった)すべてのチームが最初の経験で、言えることはないが、正直、雰囲気は練習試合のよう。選手が乗り越えないといけなかったが、サポーターが居ると居ないでは大きな差があると思った。(スタメン5人を開幕と代えたのは)2週間練習をしながら選手を見て、一番コンディションが良くて戦術的にも調和のとれる選手たちを選択した。

大宮戦後 新井章太 コメント
(リフレクトで失点したが、強シュートが飛んできても、しっかりと止めていたが)結果的に負けてしまったので、オウンゴールになったが、あれを止めるために来たので悔いが残る。あとはDFも頑張ってくれて守れたと思う。(リモートマッチで指示の声が通ったこと、やりにくいのは)やりにくいのは入り、整列も入場もない中で難しい雰囲気だったので、みんなで声かけ合った。声(コーチング)という部分ではコミュケーションを取りながら試合を進めることは良かった。



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