2022シーズン ホームラストゲーム

#千葉琉球


フクアリイメージ写真

両チームともロングボールを多用し、リスクを冒さない静かな立ち上がりでスタートした。セカンドボールを回収しポゼッション率を上げていく千葉だがフィニッシュの手前まで良い形を作るがシュートシーンには至らない。
その中、琉球がファーストチャンスをモノにする。17分、質の高いアーリークロスを福村が右サイドから送ると野田がヘディングで合わせた。
24分には米倉が右膝を痛めるアクシデントに。尹監督は末吉を投入し1点のビハインドを追いかける。すると46分に田邉が左サイドからボールを持ち運びクロスを中央に送ると高木がマイナス方向に折り返すし、スペースに走り込んできた熊谷がミドルシュートを捻じ込んだ。
「入って良かった。3年間、尹さんに色々なことを教えてもらい信頼もしてくれたのを感じていたので、遅くなってしまったが感謝の気持ちで表せて良かったと思っている」(熊谷)。
1-1のまま、後半に折り返すと、勢いが付いた千葉は47分に高木がミドルを放つが惜しくも捉えきれず、50分にはダイナミックなプレーから末吉がチャンスを作り、両サイドからクロス攻撃を琉球に浴びせた。
前節の秋田戦では1対1や球際で負けていたが、気持ちの入ったプレーを示し、ボールが動き、人も動く。選手同士の距離感が良いことでボールを失っても直ぐに奪い返せることがチームとして表現されていた
田口は次のように言う。「シーズン通してパっとせず、思うような結果を残せず、「今日ぐらいはみんな勝とう」とそれが分かっていた。その気持ちは小さいことかもしれないが、その塊が大きなパワーになるし、若い選手も多いので学んでいく必要があると思う」。
琉球は2トップを変えるなど攻撃的な選手を次々と投入。
オープンな展開となる中で70分にはカウンターからピンチを招いたがボックス内で田口が体を投げ出し、これを止める。プレーオフ圏内進出とJ3降格を目指す、意地と意地がぶつかり合ったが、千葉の“絶対に勝ちたい”気持ちが相手を凌駕する。
86分、相手コーナーキックからカウンターを発動させる。クリアーしたボールをつなぎ、チャン ミンギュが左サイドを駆け上がるチアゴ デ レオンソにつなぐと、そのまま長い距離を運び右足アウトで流し込み勝ち越しに成功した。
チアゴは「相手が近づいてきたのでアウトで押し込んだ。左に持ち替えていたら取られていた。短い振りで押し出せた。入るべくして入るゴールだった」とシュートシーンを振り返った。
そのまま逃げ切った千葉が逆転勝利を収めた。J1昇格プレーオフの可能性を残していたが、徳島、仙台、山形が勝ったため、昇格の望みは消えることとなった。
試合後の会見で尹監督は「3年間、お疲れ様と申し上げたい。色々なことがあったが結果として昇格できなかったことは反省している。たくさんのファン・サポーターに来てもらったが、本当に申し訳なく思っている。選手がホーム最終戦で良い結果を出してくれたことに感謝を伝えたい。残り1試合残っているが選手と共に戦い終えたい。この千葉が良いチームとして歩んでいくと思うがJ1に戻ることを祈っている。最後の1週間、良い準備をしていきたい」と語った。
次節は今シーズンのラストゲーム。その最終節は1年を締めくくる特別な試合だ。勝って来シーズンにつなげる。千葉の意地を見せたい。


選手コメント

≪熊谷アンドリュー≫
(ゴール場面は)入って良かった。3年間、ユンさんに色々なことを教えてもらい信頼もしてくれたのを感じていたので、遅くなってしまったが感謝の気持ちで表せて良かったと思っている。前節の反省でセカンドや球際で後手になると相手のペースで運ばれてしまう。今日はこれだけのサポーターも入ってくれたので“絶対に逆転するぞ”という一人ひとりの気持ちが出たと思う。
(リードされたが狙いは?)
どういう状況でも自分たちのやりたいことをブレずにやることを話し、先制されても下を向かずに戦えたことが一番良かった。今日は気持ちが出た試合だったと思う。
(声出し応援でのプレーは)
勝てたことは良かったが目標とする順位とは、ほど遠く辿りつけなかった。1年間応援してくれた人たちがいるので、その人たちに申し訳ない気持ちが強い。
(尹監督から学んだものは)
1年目は監督のやりたいサッカーができず難しいシーズンに。監督も試行錯誤して自由を与えてくれた。信頼されていたがこの結果で終わってしまったのは申し訳ないし感謝の気持ちで一杯。
(カウンターの手応えは)
シーズンを通して、こういう試合ができればよかったが最後のホームゲームで全員で喜べたことが良かった。
(2得点後に膝から崩れ落ちたが)
今日はタフで足にもきていた。きつかった。


≪チャン ミンギュ≫
先制されると難しい試合になることが多かったが、最後まで諦めずプレーした点は良かった。
(後ろから見ていて)
琉球は残留をかけて良い試合を見せたい中で攻撃的なサッカーをしてくると思っていた。試合が始まり、そうでもなかった。我々の方が保持しながら良い攻撃ができたし、先制されて流れをもっていかれたが立て直して同点ゴールをした。
(熊谷のゴールについて)
びっくりした。熊谷の気持ちだったと思う。
(ホーム最終戦で勝ったことについて)
嬉しいが、監督も試合前に今日は何としても勝ってくれと話していたし、監督が一番うれしかったと思う。
(カウンターはミンギュのパスからだったが)
(チアゴを)見てパスを出した。チアゴが自分にパスを出してくれれば良かったがゴールを決めてくれたので。僕は100試合出場で家族も来ていたので決めたかった(笑)。
(100試合達成について)
3年目で100は簡単ではないと思うし嬉しく思う。これからも記録を伸ばしたい。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?