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決められない時は灯りを増やそう

■決断の迷路と情報の光


人生における決断の瞬間は、しばしば一つの転機となり得る。そんな時、私たちが直面するのは、「どの道を選べばいいのか」という選択の迷路だ。特に、人生の重要な岐路やビジネスシーンでの大切な判断においては、どう進むべきかを決めかねることがよくある。

「あっちが良いのか、このほうが良いのか」考えすぎて、もうあみだクジで決めたくなるようなことすらあるかもしれない。

この「決められない」という状況の背後には、多くの場合、情報の不足が隠れているって経験的に感じる(そうだと言い切れるほどではないが)。
迷う時、情報は迷いの霧を晴らす灯台のような存在だ。そのためにも、目の前の選択肢だけでなく、周辺情報や異なる視点からのデータも集めることが大切とよく思う。情報が多ければ多いほど、選択の幅も広がり、決断への確信も深まる。
今回は、そんな【決める】ことについての話題。

■会社への道順は迷わない


毎日、通勤電車や、車で職場に向かう方は多いハズ。でも、まあ、その時に、迷う、決めかねるなんてことは、まずない。私たちが日常で迷うことが少ないのは、目的地に至るまでの豊富な情報があるから。電車の運行情報、天気予報、人々の流れや混雑状況といった、目の前の現実を読み解くための様々なデータが手に入るからこそ、迷いなく目的地へと向かえる。

この事実は、情報が決断を導く上でいかに重要かを物語っている。でも、いざ、様々な<決める場面>では、こうした毎日、うまく決めてることのポイントは中々、表には上がってこないことも多い。でもそれに気づけば、情報に基づいてスムーズに動けることから、より複雑な決断の場面でも、決められる、決めやすいはず。情報の力は計り知れない。

【ずらす】で開ける新たな扉


しかし、情報をただ集めるだけでは不十分かもしれない。ときには、私たちの思考や行動をムリヤリにでも、【ずらす】ことで、より柔軟で革新的な解決策を見出すことが可能になる。私たちはしばしば、習慣や既存のフレームワークに縛られがちだ。しかし、その枠を意識的にずらすことで、まったく新しい視野が開けることもある。

例えば、「業務を効率化する方法を考えてくれ」といった、まま、ふわっとした指示とも相談ともつかないような話をされることはあると思う。その時に、(業務の効率化・・・どうすれば・・)となると、詰むことも多い。

そこで、ムリヤリにでも【ずらす】

(毎日の終業時刻を1時間半短くする、今の終業時刻という決まりを【ずらす】なら、どうしたらよいか)と考える。

そうすると、無意識にはめていた枠組みが、わんさか出てくることもある。人も、システムも、仕組みも、使えるカネも、【無意識に設定】していたことに気づく。結果として、そういったものを変える決断をするきっかけがこの【ずらす】で生まれたりする。

「問題解決のためには、従来の方法ではなく、クリエイティブな思考や異業種からのアイデアを取り入れることが有効だ」なんて、様々な本やweb記事で言われるが、ムリヤリにでも【具体的にずらす】そうすることで、固定観念、無意識にはめていた枠から離れられ、それによって新たな解決策を【決める】ことができるきっかけになるかもしれない。

柔軟性を生む3つの軸


ムリヤリ【ずらす】といっても、中々難しい・・・そこで、以下をオススメ

  • 視点の軸をずらす:ある問題に対して、いつもと異なる角度からアプローチしてみる。例えば、ビジネスの失敗を単なるネガティブな出来事と捉えるのではなく、学びの機会や成長の糧として捉え直すこと。このように視点を変えることで、新たな価値を見出すことができるかもしれない。自分とは違う立場にあえてなって考える、もオススメできる。

  • 時間の軸をずらす:短期的な結果に捉われず、長期的な視野で物事を考えてみる。短期的にはコストがかかるとしても、長期的に見た場合に組織や自身の成長に寄与する投資を見極めることができるだ。先ほどの終業時刻をずらすのもひとつ。また(今の倍のお金が使えたら)というのも案外効く。

  • 情報の軸をずらす:従来自分が参考にしていた情報源だけでなく、全く異なる分野や文化からの情報を積極的に取り入れる。例えば、ビジネス書だけでなく、芸術や科学、哲学の世界にも目を向ける。異なる分野からの知見が、予想もしなかったアイデアの種となることがある。

もうかなり前に、生け花をほんの少しやっていた。草月流という派だった。創始者は、勅使河原蒼風という方。この方の著書に「花伝書」というものがある。世阿弥の書いた「風姿花伝」からインスパイアされたものだと思う。その中には、様々な【情報ずらし】のヒントがあり今でも参考にしている。花伝書の中にあったか、教本にあったかだが、【分解して再構成する】などは、業務の見直しなんかにそのまま使える。

情報と視点の交差点


【ずらす】という行動は、時にリスクを伴うが、それは新しい「灯り」を見つけるための重要な一歩。決められないという瞬間は、今までの枠を超え、情報を多角的に捉え直す絶好の機会かもしれない。豊富な情報と新たな視点は、迷いの中で最適な道を見つけ出すための強力な指針=灯り。となる。情報と視点、この交差点で、私たちは自分自身の可能性を再確認し、未来への一歩を踏み出すため、決定をするための気持ちも得ることがある。情報と視点、この二つが交わる場所で、新たな道は常に開かれているはず。

柔軟な思考で迎える明日


こういったプロセスを通じて、より柔軟な思考と豊かな選択肢を手に入れることができるだろう。だからこそ、迷った時は、情報を集めるだけでなく、思考や行動のパターンを意図的に【ずらす】ことも忘れずに。(私自身へも)それが最終的に、より良い決断へと導く鍵だと思うし、経験的にそう感じる。さらに、「興味や気になること、関心のあること」からも、私たちが持つ疑問や好奇心は、新たな情報を探求し、従来の枠組みを超えるきっかけになる。なぜいつもそう考えるのか、なぜ立ち止まりがちなのか、という問いへの答えを見つけるプロセスで、私たちは既存の思考から一歩外に出られるかもしれない、という希望を持つことができる。この一連の行動と思考は、私たちをより良い【決める】へと導く。

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