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#20日目:わたしの偏愛 料理本学

料理本が好きだ
なにかを作りたくて手にとるというより
写真集、デザイン集、文化教養、ガイドブック、ビジネス書であり哲学書
わたしにとって料理本とはそうした顔を持つ

料理本にはいくつかのカテゴリーがある
●国、土地の象徴としての料理本
 フレンチ、イタリアン、中華、沖縄料理 とかね
●季節、イベントにまつわる料理本
 おせち、クリスマス、ひな祭り とかね
●料理道具、ツールの使い方を伝える料理本
 蒸籠、すり鉢、WECK、ル・クルーゼ とかね
●美容、健康をサポートする料理本
 ダイエット、美肌、高血圧、癌になったら とかね
●食材または料理1テーマ特化の料理本
 酒粕、アボカド、カレー、餃子 とかね

どれもテーマに沿った深い考察と愛情が「料理」という形で表現されている
「料理」を足がかりにその世界を知る
そして考える
もはや心は「料理」から離れて
社会や未来に思いを馳せて、自分自身に帰着することもある
なんとも料理本は味わい深い

さて、そんな料理本愛の中で、今年買った本でよかったもの


「新しいサラダ」福田里香 著
2018年4月6日 初版発行

サラダの固定観念を外して「新しいサラダ」を提案する一冊
とにかく美しい
福田里香さんが自身のインスタグラムにあげていたサラダが評判で
書籍化となったのがこの本
なので写真は全てご自身が iPhone 7 Plusで撮影したもの

話は前後するが福田里香さんは肩書きを「菓子研究家」とされている
しかし、彼女の活躍は菓子だけにとどまらない
右脳左脳のバランスがすばらしく、着眼点はいつも秀逸
珠玉のセンス、審美眼を持ち、探究心は変態レベル かつ表現力は秀逸
新刊がでたら作家名だけで買うほど 私は信頼を寄せている方です
インスタが書籍になってしまう、というと
ひと昔前のケータイ小説が話題になって本になっちゃったという次元とは
まったくもってレベルが違う御仁である

話もどって。
今回のこの「新しいサラダ」私の求める料理本の楽しみ方をほぼ全て網羅している
・ページを繰るごとに胸を掴む美しさ
・これまでにない新鮮かつ鮮烈な発想
・既成の枠を超えた可能性のわくわく感
・心に届く言葉の選び方、文章の流れ
・カバーの下をも手を抜かない細やかなデザイン
美術書のようでもあるが、決して気取っているわけじゃない
「熱々をさやごとしゃぶってどうぞ」などとても気さくに誘ってくれる
料理本の本懐「ああ食べてみたいなぁ」と
そう思わせるための努力が全てに詰まっているのがこの本である

そして私は序文にある次の言葉に勇気をもらう

実はサラダの起源は古く、古代ギリシャやローマの人々は (中略)
今や定番、家庭の味、懐かしい味と言われるレシピも」、はじめはみんな「新しいサラダ」でした。サラダが支持され続ける一番の理由は、時代とともに人々の暮らしに寄り添い、柔軟に変化してきたからです

はじめはみんな「新しい」
そして受け入れ、支持され続けるためには
柔軟であること変化をよしとすること
尊い

そして福田さんの想いが細部にまで宿ったと思えるこの一冊に
中途半端なものを決して世に出さない
そう強い意志があるように思え
わたしもかくありたい、この一冊にそう教えられるのでした


最後に、note という新しい表現の機会をくれたdanちゃんに
心からの感謝を。
47最後を締めくくる挑戦になりました。
どうもありがとう。大好きだよ。

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