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ポニーと川と夏合宿②

何をするにでも最初の一歩が
勇気いるのよねー

次々と川へ入っていく
元気な子どもたちを見ながら
わ、わ、私だってと覚悟を決めえいやと
足をつける

冷たっ!!

浮き輪でちゃぷちゃぷ泳いだり
ふわふわ浮かんでいるのが気持ちよい
しかしそんな時間も長くはない

やんちゃな子にうき輪ごとひっくり返されたり
水をかけられたり
この橋の下を潜って通れるか!なんてのも
よし行くぜなんて潜ったりして
自分のことながら、もはやスタッフのスの字も感じられない

これらを使って川で遊ぶ
私のお気に入りは黒と黄色の浮き輪

そして我にかえった
ねぇ。寒い。私、サムイ

道産子は寒いの苦手なんだよ

ふと岸を見ると誰かが火がおこしてくれていた
ここに来る子は自分で火をおこすことができる子も多い
すごいよねぇ。尊敬します!
からのあったかい焚火にあやかり~。

感謝感謝。シェシェ。

はぁぁぁぁぁ。あったかいよぉ。生き返るよぉぉ。

そこへすみれちゃんがおやつだよ~と
マシュマロを配りにきてくれた。
わーいわーい

そこらへんに落ちてる木の枝に
マシュマロさして焼いて食べる
外側は少し焦げても中はとろ~んとして
おいしーのだ

食べながら目に入ったもの
五右衛門風呂~っ!

五右衛門風呂はじめて~っ!

吸い込まれるように五右衛門風呂へ近づくと
番頭のはなちゃんがこっちから入ってねーと
教えてくれる

靴を脱いで足を洗って
ドラム缶をまたいで
そーっと入る

子どもたちがボロボロの団扇(うちわ)で
火を扇ぎながらキラキラした目で
こっちを見てる

どう?気持ちいい?

はぁぁぁ
めっちゃ気持ちいい!

五右衛門風呂で温まりながら
ぼーっとしていると鴨たちがクワクワ鳴きながら
列になって前を通りすぎていく。

なにこの眺め。感動。

五右衛門風呂
我が家にも1台欲しい

山の家には時計が無い
いや、あるけれど
9時11分で針が止まっているから
ずっと9時11分

本当の時間は分からないけれど
暗くなる頃、家へ戻り次々とお風呂へ入り
上がるとお待ちかねの夕食!

なおちゃんの作るご飯は人気があって
すぐにお代わりの列ができるのだ
もちろん私も並ぶ

夜のオリエンテーションでは
それぞれ考えた創作劇を披露したり
今日あったことを音楽にのせてお話したりと
まったりほっこりの楽しい時間が流れる

もう今日は終わりよねと思っていると
子どもの遊び力をあなどるなかれ
ポニーと一緒に夜の散歩とな

みんなでヘッドライトや懐中電灯を持ち
ちょっとした森の坂をあがって
全ての明かりを消して星を眺めた
流れ星がみえた子もいるほど透き通った空

遠くには雲海が広がり
みんなで雲の上にいるような
不思議な気持ち

牧場からポニーの嘶(いなな)きが聞こえ
空を見上げると星の見える逆方向では
雷が光っている

ここはなんていう世界だろう
なんというところへ迷いこんだんだろう

パラレルワールドというものがあるなら
きっと今だ

帰ってきて布団に入り電気を消した
川の流れる音が聞こえる
ポニーの嘶(いなな)きも

こうして眠りにつく私には
明日も楽しみしかない


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