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ポニーと川と夏合宿⑨

山の家の時計はずっと9時11分だけれど
帰る時間が近づいてきた

お昼ご飯を食べた後
最後にやりたいことある人って
投げかけると劇をやりたいというリクエスト  

え。時間ないのに!?

どんなに時間が無くても
やりたいことをやりたいと言える子どもたち、
そして最大限に願いを叶えようとするスタッフがすごいと思った

ほんっとに短い時間で
それぞれの劇団が内容を考えて次々披露
もちろん私も最後の力を振り絞り参加

①マツケンサンバ
演出家の小学生タオはネギちゃんとクリオネで
マツケンサンバを踊って欲しかったらしい 

そもそもマツケンを知らないタオへ
マツケンサンバは
こんな感じと踊ってみせたのが
忘れられなかったようだ

あろうことか吉田拓郎は知ってるのに
マツケンサンバを知らないという
ネギちゃんと子どもたち

もう教えてる時間はない
みんな、私についてきて!と即興で
マツケンサンバらしい踊りを披露

ヘイッ(決めっ!

②オホーツク劇団
イタリアへ旅行へきた夫婦がクリオネとじゃがいもに再会。クリオネとじゃがいもが結婚してこどもにカボチャができていたって劇

本番1分前
俺、いやだな
アモーレとか言いたくないと
じゃがいも役のミキト
私だっていやだよ!とクリオネの私

内輪もめ(笑

終わってみると顔を見合わせて
笑顔だったからよかった

すみれちゃんのアコーディオンや
ネギちゃんのギターでみんなが歌う
ほんといい曲なんて思っていると

何か視線を感じる

はなちゃんと目があった
微笑みながら私を見るその目は
「泣いちゃうんじゃないですか?」的な…

いやいや
泣かないし!

ふと、すみれちゃんを見ると
アコーディオンを弾きながら
私の顔を見て笑ってる
「泣くんだよね、そろそろ」的な

いやいや
泣きませんよ!

よく見ると、なおちゃんも
にやにやしながらこっち見てるし!!

そこへ小学生のあおいちゃんが
「さえちゃん、(そろそろ)泣いてる~?」だって!

前回のほっこり冬合宿の帰り
車のなかで泣いてるのが見つかり
「さえちゃんが泣いてる~!」って
大きな声で報告したあのあおいちゃんだ!

泣いてないよーって言いながら泣いてる私の真横ではネギちゃんはギターをかき鳴らし
目の前では子どもが寝転んでゴロゴロしていたり「本当だ!さえちゃん泣いてる」って顔を覗き込みにくる子や「泣くことは悪いことじゃないんだよ」なんて励ましてくれる子どもがいたり

なんて世界だ!
ゆっくり泣いてもいられない
この4日間、笑っちゃうくらい最高の時を過ごしてきた。
 
心で、身体でたくさんのことを感じて
帰って参りました

そういえば
帰りの電車のなかで
吊り革にぶら下がる子はいなかったけれど
「わたしはクリ・オネ」と言いながら
ヒラヒラと踊り歩いてる子はいました

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