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非日常から日常へ

台風19号が過ぎ去り、元どおりの日常へ戻っている。
ここに11日からの記録を残しておくことにする。

11日に仕事場で、12日は台風のため電車の計画運休のため、必ず時間通りに病院には出勤すること、11時に電車組は帰るようにと通達が来た。
病院の外来の受付を10時までとし、それ以降予約の患者さんは別日に来てもらうよう事務が連絡をする。
12日の朝は駅には人が少なく通常通り電車が動き、患者さんも早く来て、いつもは遅くから診察する先生も早めに始まった。私の担当の腎臓内科は11時には患者さんが全てお会計を終えた。私は11時に病院を出て、その後友人宅へ向かう予定だったが、そこまで電車がすでに動いていなかったため、一人暮らしの自宅へ帰宅。
帰宅途中は風はそこまで強くはないが、雨は降り続けており、コンビニに食料を買い込みに行くと、まだ食べ物はそれなりに置いてあった。
母親から心配だとLINEが届き、近況報告をする。

家に帰るとお風呂場に水を貯め、キャンドルを準備し、ベランダのシャッターを閉め、テレビを久しぶりにつけて、王様のブランチなんかを見てみる。
家から動けないし、夕方くらいから夜状態なので、よし、こんまりして、沢山読書をしよう!と意気込み、ビールなんかも飲み始めるも、気圧の変化なのか喘息で息がしずらく苦しくて、落ち着かなく、やる気が出ない。ビジネス動画を見ながら、知らないうちに眠りについていた。

目が醒めるともう外は暗くなっていて、雨が激しくなっている。風も強くなってきて周りの状況が気になり、NHKをつけ、NHKの防災アプリをダウンロードする。テレビは普段見ないけれど、こんな時はやっぱりNHKを頼りにしてしまう。ずっとテレビをつけていると川が雨で氾濫している大変な地域の状況ばかり映し出され、避難して下さいと不安を煽る発言をアナウンサーが続けている。そんな状況に気が滅入り始め、テレビを消すことにする。

22時ごろ、自分の地域に台風が直撃しているとの情報が入る。風と雨がさらに強くなる。また、テレビをつけてみると、想像以上に大変な地域もあり、映画の天気の子を思い出し、映画を見ている感覚に陥る。

しかし、23時頃にはもう風は過ぎさり、停電もなく、家の外も水に浸ることなく落ち着いていた。
次の日に朝早く散歩することを決め、インターネットを見ているうちに知らないうちに眠りについていた。

13日朝6時、家を出る。空気が澄んでおり、空に雲がなく、緑がキラキラ輝いている。ローソンとセブンイレブンは閉まっており、ファミリーマートは空いていた。近くの川に行ってみると、いつもは歩けていた所まで水が溢れ出ていたが、周りの建物には全く被害が出ていなかった。川の色がドブ色になっており、潮の香りがする。消防署の方が水の量を計測にきており、マラソンコースではランニングする人が出始めていた。嵐が過ぎ去った次の日はとても気持ち良く、息がしやすかった。

駅はほぼ運転していず、それでも動くまで待っている仕事に行くであろう人達が少数いる。バスは運転しているが、車の数は少なく、まだ非日常を感じる朝であった。

その後、午前から出かけ、台風の被害と停電している地区が近くにあることを知るとともに、あまりに光が綺麗な自然の美しさと、人間には立ち向かえない自然の恐ろしさを実感する。そして、体への影響に自分も自然に影響されていて、自然の一部であるのだと確認する。


夜には銀座へ。銀座はネオンが煌めき、観光客もいる。写真展に行き、おしゃれカフェでお茶をし、みんなで遅くまで飲みながら楽しく語り合い、今日まで電車が止まっていたのは嘘のような日常があり、その日常に難なく溶け込んでいる自分がいる。

しかし、飲み会の帰りの夜中、銀座の通りに大量の大きなネズミが走り回っているのを見かけ、まだ台風の名残が都内にも残っていたことを実感する。
日常にはまだ戻りきっていなかったのだ。

今日は少し小雨。やっと気持ちも日常に戻ってきて、家にてこうやってnoteに記録を残しておこうという気になれた。
忘れないけれど、多分すぐ思い出すことは少なくなってしまうであろうこの数日を、残しておくことでいつでも振り返れるようにしようと思う。

#台風 #台風19号 #エッセイ

最後まで読んでいただいてありがとうございます。いつでもまた立ち寄ってくださいね。