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ヨーロッパのオケはハリウッド映画の音楽を演奏するのか?

ジョン・ウィリアムズ ライブ・イン・ウィーン
どちらの名前も有名でご存知の方は多いと思います。昨年の8月ですが心待ちにしていた、
CD&ブルーレイとLPレコードが同時発売されました。最初に知ったのはその4ヶ月前ほどある動画チャンネルで、帝国のマーチを演奏している動画を見た時からでした。
あのウィーンフィルの人々が、かなり髪を振り乱しながら、演奏しているのです。
恥ずかしながら私は生のウィーンフィルは未だお目にかかったことはなく、TVでお正月に見る、ニューイヤーコンサートでしかその勇姿を拝んだことがありません。
でも、映像の姿を見るとあの優雅な姿とは明らかに違うのです。私はその映像に引き込まれ、食い入るように見てしまいました。すると指揮書の顔が写り、なんとこの曲の指揮者ジョン・ウィルアムスということがわかったのです。これは、巧妙ないたずらなのか?と最初は思いました。しかし、調べてみると8月に販売予定というページにヒットしました。販売中であればすぐに購入したかった私でしたが、この組み合わせは滅多にないことだから、絶対に待とうと思い半年間を耐え忍ぶことにしました。
発売予約をしてまで手に入れようとしたのは、生まれて初めてかもしれません。
さて、この組み合わせ、普段であればまず耳にすることも目にすることもまずありません。ウィーンフィルといえば、ヨーロッパいや世界でも屈指のオーケストラであり、楽団員による自主運営ながら、世界中どこへ行っても常に満員御礼、気に入らない指揮者がくると、指揮者を置き去りにし、オケが勝手に演奏してしまうなどと、かなり美人なお嬢様だけど、並の男では扱えない。という印象があります。
かたや、ジョン・ウィリアムスというのは、あのスターウォーズやレイダースマーチの作曲者であり、ルーカスが、いや、ハリウッドが製作する映画には欠すことのできない存在です。ザ・アメリカの音楽ということもいえる存在の方だと思います。日本でもシネマコンサートなどが盛んに行われるようになったのもこの人の影響があるのでは?と思っています。ヨーロッパ対アメリカ、純クラッシック音楽対映画音楽・・
こんな単純な図式ではないだろうけど、少年時代にルーカスの映画で、演奏するオーケストラの音のかっこよさを強烈に植え付けられたトラウマからか、
今でもスターウォーズのテーマを聞くと、聞き耳を立てててしまう癖が抜けません。そんな習性の私にこのディスクはドンピシャりものになりました。今でもほぼ毎日聞いているディスクです。
ジョン・ウィリアムズが指揮するボストンポップスオーケストラのCDが長らく中心を占めていた、私の映画サウンドトラックのお気に入りディスクに、初めて、ヨーロッパの本格的オーケストラの音が仲間入りするわけです。ジョン・ウィリアムズの音楽は、映画のクレジットを見る限り、私の記憶では、ロンドン交響楽団ぐらいしか覚えがありません。ロサンゼルスフィルですら、録音に参加したという話を聞いたことがありませんでした。
どうも、大人の事情が大いににありそうです。
そんなことを知らない私は、なんで録音に参加しないのかなー売れるのに・・馬鹿だなーなどと、
とお気楽なことを考えたりしてたのです。
他のオーケストラで、
いつか、ベルリンフィリやウィーンフィルでジョン・ウィリアムスの音楽を聴きたいと思っていた私にとって、今回のディスクの販売はまさにサプライズでした。

まさかジョン・ウィリアムズの映画音楽を演奏してはいないなどということはことはないだろうとは思ってはいましたが、
多分、地元のサマーコンサートのようなものでない限り、聞くチャンスは一度もないだろうとさえ思っていました。

ですから、このディスクが発売になった時は、
「やったー」という思いと
「いつの間に・・なぜ」という疑問の両方が湧いてきました。どんな演奏が聴けるのだろうかとい思い、ブルーレイがセットになっていたので、早速機器にセットし演奏を聴き始めました。画面はあの有名な
ムジクフェラインのホールが写っています。やっぱりこれはウィーンフィルだと感動を新たに見始めました。

さて、この映像を見終わっての私の感想を申し上げますと、
こんな楽しい演奏会だったらぜひ生で見たかった。という思いです。
観客は満員で、冒頭の指揮者のジョン・ウィリアムズさんの入場時からスタンディングオベーションで、さらに1曲ごとにスタンディングオベーションがあり、たくさんの声援が飛び交い、みんなが笑っています。それだけではありません。
オーケストラ団員の演奏者の皆さんが、笑顔を浮かべながら、実に楽しそうに真剣に演奏しているのです。

最初の印象として、普段なら、
ブルックナーやベートーベンなどと言った古典作曲家の楽曲を難しい顔をして演奏しているのだろうと勝手なイメージで思っていたのですが、こんなにも楽しい音楽の時間があるのだなーという思いと、
日本ではまず聴くのは無理だろうという絶望感が沸いてきてしまいました。

演奏の内容としては、時々ティンパニーのタイミングが今まで聞いてきたタイミングとずいぶん違うなーなどと思ったり、
スターウォーズのテーマソングでは、張り切り過ぎたのか、
金管群がずれそうになったりという危ない面も聞こえましたが、
「未知との遭遇」のテーマでは、普段は聞いたことのない、ウィンナオーボエのラストのソロの音色に大変引き込まれ、目頭が熱くなったりし「あ~あ帰ちゃった」
と思わずつぶやかずにはいられませんでした。
でも、本当に演奏者と会場がみんな
ジョンウィリアムスの音楽が大好きだという思い入れの強さを感じ取ることができました。

特別ゲストとして、アンネ・ゾフィー・ムターさんがソリストで登場し、
「ハリーポッターの賢者の石」のほか2〜3曲ほど演奏していました。
コンサートの最後のアンコールの前にまた登場され、アンコール曲を演奏した後、再度のアンコールに答え、オケと一緒に
「レイダースマーチ」を演奏している姿は本当に楽しさ満開でした。
会場も大歓声のスタンディングオベーションで、最高潮の盛り上がりを見せており、いつまでも終わらないでいてほしい音楽の時間になりました。
日本だったら絶対手拍子が出るだろうなーという感じです。

このようなコンサートが普通に企画され、それを身近で聞くことができる環境はなんて素晴らしいのでしょうか?
小さなお子さんの姿も映像に映っていましたが、彼らたちは、大人になっても、こんな至宝の時間を過ごしたことを忘れないでしょうか?
本当に羨ましくてしょうがなくなりました。

日本でウィーンフィルのスターウォーズが生で聴きたいです!
まだ試聴なさっていない方、
もったいないことをしてらっしゃいますよー
買わなきゃ絶ー対に損な1枚です!

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