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台湾へ、自殺寸前だった女の一人旅⑤2日目_台北(淡水)

こんばんは
自殺寸前だった私が問題を抱えたまま、えいやっと大好きな台湾にきて見て感じたことを書いていきます。
今回は、2日目の台北ひとりぶらり旅です。
台湾は春節の一年で一番多い人混み真っ只中。ただでさえ一人旅の少ない中を女一人かき分けて歩き回ります。

行ったところ
板橋→赤樹林→淡水→ お茶屋さん(林華泰茶行)→油化街→寧夏夜市→台北地下街→板橋の夜市
食べたもの
ホステルの朝ごはん、春巻き、かき氷、牡蠣オムレツ、台湾式クレープ
経験したこと
春節の人ごみ

始まりは、昨日泥のように眠ったホステルから始まります。
これまで台北に滞在する際は、台北駅近くのホステルに泊まるのは常でしたが、台北周辺がどこも春節でバカ高く(日本の4つ星同等の値段)、比較的値段と口コミのよい板橋にホテルを取りました。
それが大正解でいいホステルだったのであとでおススメします。
朝ごはんがついていて、台湾の安いホステルでは珍しく果物!生野菜!それだけで感激。しかも、若いスタッフが丁寧に作ってくれます。キャベツをラップで包んでいるのを見ただけで、鬱状態で料理すらままならなかった私は感激をするのでした。台湾やアジアを一括りに荒いとか言ってるバカ出てこいや!少なくとも私より丁寧に仕事してるぞ

ホステルのスタッフが作ってくれる朝ご飯

美味しい朝ごはんを頂いて、出発。昨日は暗くてドギマギした路も、台湾の明るすぎる陽射しで、まさに台湾の朝!匂い、雑踏の音、日本と似た風景なのにどこか違う。

MRT(地下鉄)にのってまずは淡水へ。
淡水は観光地として有名なので知ってる方多数とみて説明を省きますが、日本でいう江の島だと思っています。そして私は江の島に行ける距離に住んでいるので淡水が好きなのです。だがしかし、台湾に長く滞在していた時はなぜか行かなくて、なんででしょう。台北で生きてるのに必死だったせいもあります。あと、実際淡水に行ってみたら少し距離があった。
淡水のひとつ手前の駅「紅樹林」で降ります。ここから淡水まで歩き、もしくはサイクリングロードがあると話に聞いていたのですが、
それが長かった。暑かったというのもあるし、最初はマングローブの中を通る遊歩道で心地よかったのですが、半分ぐらいから一般道となり、暑い中を必死で歩きます。


遊歩道の地図
紅樹林から続くマングローブ林


そして見えてみた淡水駅のまわりにとんでもない、地盤沈下するんでは、ぐらいの人だかり。春節なめてました。
もう、息と心を殺して歩きます。

淡水は、過去、初めて台湾に来た時に訪れた思い出の場所です。
母とのんびり歩いたのでした。海沿いの町なので、海鮮が有名で、バケツいっぱいのムール貝や指差しで魚を調理してくれます。固いクロワッサンも有名です。固すぎて釘打てるレベル。あと、アーゲイという中に春雨を入れたお揚げみたいなものと、魚団子スープも有名。
だがしかし、今回は一人のため、ただひたすら人混みにまみれ歩きます。
ここでなにか食べねば暑さにやられる、と思い、市場みたいなところで、春巻き(50元)をテイクアウトして公園で食べます。
また歩きます。海沿いに渡し舟があって特に夕日時がいいらしいのですが、午前なのに、TDLのソアリンぐらい人が並んでいたので(渡し舟乗るのに3時間ぐらいかかるのでは)それを見ながらUターンして駅へ。
駅前の広場では、春節なので凧をあげる子供も、たまに大人も交じり、大勢でわいわいと歩く人出をみて、台湾の祝日の真っ只中にいるなぁと再確認します。ノスタルジックもなにもなしに、帰りのMRTに乗り込み淡水をあとに。

春節でも市場は元気
鳥を連れてる人多し

おりた先は、中山国中。目的は、油化街。

なつかしや

日本人もよく行く漢方やレトロスポットですね。これも住んでいると行かない場所でした。日本で言うとアメ横とか蔵前とかかな。
噂によるとリノベやオシャレエリアになっているとのこと。どんなもんだと行くことにしました。あと、日本でひきこもっていたから、オシャレと名前の付くところに行ってみたかったのも多いにある。
その前に、いつも行っていたお茶屋さんへ。ここはお茶の問屋さんで、日本にもファンが多く、コロナで行けないときは代行販売もしていました。春節の中やっているか心配でしたが、お店の場所も雰囲気も全く変わらず。
またお店の人も変わっていませんでした。愛をこめて言いますが、映画に出てくるような、店主のおっちゃん、おばちゃん夫妻と、デブと痩せの2人の弟子(伝われ、この愛の表現。漫画から出てきたようなファミリーなんです)がいる素敵なお店なんです。日本語も丁寧で、旅の相談にものってくれます。まだ旅は続くのでお茶を300g買って一気にテンションはルンルン。

大きな保存缶もそのまま


その勢いで、観光客あふれる油化街に行き、突っ切ります。オシャレでなにより。そのまま北へ歩くと、

寧夏夜市という、小さいけれど、日本人の多く泊まる中山駅に近い夜市に出ます。まだ4時頃でそこまで人は出ていなかったけど、有名な牡蠣オムレツのお店に入れそうだったので、一人で並んで相席で食べます。


台湾名物で、オムレツにかかってるタレは身体に悪いから食べない人台湾人もいるらしいけど、都市伝説ということにして今回は美味しくいただきます。

日本で食べれなかった牡蠣の恨みをはらすよう牡蠣を食す

この夜市も、初めて台湾に行ったときのホテルに近くて、初日に恐る恐る行ったのでした。そこのホテルの用務員のおっちゃんがいい人で、到着するといつもウエルカムドリンクとしてコーラをくれるんですね、でも、コーラの缶を開けてくれるんですよ。疲れて早く部屋に帰りたいのに、開けて机に置いてくれるから飲み干さなきゃいけない。そういう配慮無視した親切なところも大好きでした。
中山駅は、地元の駅の次か次ぐらい多く行った駅(うそ)なので寄りたかったけれど、それより大切な台北地下街に行きたくて
駅を遠目に見ながらまっすぐ進みます。

台北地下街は、その名の通り、台北駅の東西南北に広がる地下街で、K区、Z区など区分けされていて、それぞれスタバや誠品書店が入っているオシャレなエリアや、オタクの巣窟のエリア、チープな洋服エリアなどがあって、夏は暑さから逃げるためにも独特の落ち着きと個性を放っています。
地下街は全く変わっておらず、相変わらず、食べながら売ってるし服もどうしてこんなセンスになるというぐらいチープの上のチープさの服もあるし、偽物のトトロもいるし、あぁ、台北駅に帰ってきた、と思わせてくれるのでした。

地下街
200元でシャネルもエルメスも手に入る

ただ朝から歩きっぱなしの足と体は情報量の限界を迎えていたため、地上にはでず、ここで板橋に帰ることにします。

この旅で賢くなったのは引き際です。
鬱状態でいると、無理をして倒れるまで戦い続けるか、もしくは伏せるかの二択の生活をして、バランス感覚が驚異的に下手になっていましたが、
海外ということで用心深くなっていたこと、身体が本能的に無理をしなくてもいいと優しくなっていたこと、自然と引き際を無理なく選べるようになっていました。
MRTで板橋へ帰ります。台北から15分程度のため、都内を移動するのと全く変わりません。
不思議です。電車にも乗れなかったのに、台湾の地下鉄にいる。

板橋の隣の駅「府中」に着くと、まだ時間が6時頃でそのまま少し探検することにしました。グーグルさんにきくと、夜市があるらしく行ってみることに。地元感のある夜市で食べたのは、クレープ。
台湾のクレープには2種類あって、日式と台湾式。
日式は柔らかいクレープで日本と同じ生地です。
台式は、生地がパリッとしていてゴーフレットみたいなの。過去台湾旅行中、ナンパされて夜市で台式クレープおごってもらってから台湾では台式を食べるのが礼儀と思っている節があります。相変わらずものすごいボリュームです。

おっちゃんが作る
パリっとした台湾クレープ



近くのお廟のようなところを通ります。赤い。春節なので町全体が赤い。

赤い





やっとホステルに帰って、明日の切符を探します。
明日は、初日の友人が食あたりから回復したというので一緒に九分(変換が面倒なためこの文字で失礼します)
九分に行くのは数通り方法があって、よくバスをお勧めする方が多いのですが、バスは酔います。長いし、バスの匂いもきついし、相変わらず運転荒い。箱根登山鉄道のバスの100倍荒い。九分に行くときは、いつも最寄り駅まで電車と、そこからバスで行くことにしているのですが、電車のチケットがなぜか取れない。諦めて寝ることにします。

今日もたくさん歩きました。
明日の準備をして、リュックの荷物を整理して、ホステルなので音をたてないようにして、
やることが最低限だと行動がスムーズだと知っていきます。
鬱のときは、夜寝るときも後悔と息苦しさ、また明日も憂鬱な一日が待っているという希望のない夜でした。
この旅のときは、今日も一日、生きて、自分の足で歩き体験し、食べ、すべてを体で味わう満足感と感謝で眠りにつきます。
日本に帰ると現実問題に直面して寝れないこともありますが、
ふと、あのときの、息をしているだけで奇跡だということを思い出します。

もし寝れない方、明日が苦しい方、今が苦しい方、
どうか、水平線のかなた、同じ空のむこう、違う朝があり、違う夜がある。
その誰かがあなたの無事を祈っている。意識を海の向こうに飛ばしてみてください。苦しみだけが全てではありません。世界は広い。

おやすみなさい。



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