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【その4】初めてからいきなり作る同人誌-〆切までに制作する編-

いよいよ制作に入ります。
ひたすら作品を作っていく工程は、いつもの創作と同じでOKです。
大きく違うのは、印刷所のテンプレートに合わせて制作をしなければならないということです。
そこさえ間違わなければ、とてもスムーズに入稿できると思います。
もし万が一間違っていても途中で軌道修正すればいいので、まずは気楽に始めてみましょう。

入稿するものを確認する

なにもオプションがなければ、表紙とモノクロ本文のふたつを入稿することになります。
一般的な書籍のようにカバーをつけたい場合は、カバーの作成を。
帯をつけたければ、帯の作成を。
本文にカラーページをつけたければ、その作成を。

まずは〆切までに用意しなければいけないものを把握しましょう。

入稿データの形式を確認する

入稿できるファイル形式は、印刷所によってまちまちです。
.pdfで入稿できるところもあれば、.psdで入稿しなければいけないところもあります。
必ず確認しておくようにしましょう。

参考までに、私が普段データを作成するときの形式を書いておきます。
小説モノクロ本文:pdf
表紙/漫画/絵(モノクロ/カラー問わず):psd

psdはAdobe Photoshopのデータ形式です。
絵はやっぱりこの形式が一番綺麗に出る気がするので、できれば文字書きさんも表紙作るときは、クリップスタジオやメディバンを駆使してpsdデータで入稿するとpdfより綺麗に印刷できたりします。
※ちなみにaiはAdobe Illustratorのデータ形式ですが、私はあんまり使ったことがないです…

制作に使うソフトを揃える

入稿時のファイル形式を確認したら、次は制作に必要なソフトを確認します。
必要なファイル形式が書き出せるソフトを揃えておきましょう。

ここでも参考までに私が普段使っているソフトを書いておきます。
小説モノクロ本文:Microsoft Office Word(OpenOfficeなどでも代用可)
表紙/漫画/絵:CLIP STUDIO EX、Photoshop(MediBang Paintなどでも代用可)

今でこそいろいろと便利なので有料ソフト使ってるんですけど、昔は全部無料ソフトで創作活動してたので、ソフトに無理にお金かける必要はないと思ってます。

やりたいことが増えたり、もっと効率的にやりたいって思ったら、その時に買いましょう!

テンプレートをDLする

印刷所には、こういう形式で入稿してね!というテンプレートが用意されています。
自分の本のサイズに合わせてダウンロードしましょう。

印刷所によっては、文字書きさんのWordのテンプレートを用意しれくれているところもありますが、ない印刷所もありますのでお気をつけください。
※栄光さんとかだとワードテンプレあります
※他社のテンプレートで別の印刷所に入稿しても問題ないかと思います

クリスタEX使いの漫画描きさんは、無理に印刷所のテンプレートを使う必要はありません。
クリスタEXには、新規作成から入稿用のデータを作ってくれる機能があるので、それを使った方が早いかと思います。
※私はモノクロはクリスタの機能で作って、カラーページと表紙は印刷所のテンプレ使ってます

さて、ダウンロードが完了したら、テンプレートを開きます。
表紙のテンプレを例に見ていきましょう。
中身には、トンボタチキリ線塗り足し線とその他説明があるかと思います。

トンボ
印刷や裁断を行う際に必要な目印です。
これを目安に印刷していくので、消さないようにしましょう。

タチキリ線
この線の内側が実際に本になる部分です。

塗り足し線
裁断の際に、わずかなズレが発生する可能性があります。
そのため、タチキリ線より3mmほど外側にも絵を用意するのが一般的です。

念のため、書かれている説明にも目を通していくといいと思います。

これで制作の準備が整いました。
あとは、これらテンプレートやソフトを使って作品を作っていくのみです。

〆切に間に合わせるコツ

原稿には〆切があります。
これを守るために、私がやっていることや、フォロワさんがやっている良い習慣を挙げてみました。
参考までにどうぞ。

1.やるべきことを細かくタスク化しておく
表紙→表紙デザイン、背表紙デザイン、裏表紙デザイン
本文→プロット、起承転結に分けて書く、校正
…みたいに細かく分けます。
それぞれをいつまでに終わらせるか、小さな〆切を設けて取り組むと、スケジュールの調整がしやすいです。

2.自分の作業スピードを計る
例えば、千文字書くのにどのくらいかかるか、とか。
下書きを20ページ終わらせるのに何日かかるか、とか。
実際に時間で計ってみたり、日数単位で計ってみたりすると、今後計画立てるときの物差しになりました。
よく自分を過大評価して計画立てやすい私は、これやるようになってから計画があんまり破綻しなくなりました。

3.間に合わなさそうなら、人の手を借りる
表紙手伝って!ベタだけお願い!などなど。
プロの漫画家さんがアシスタントを雇うように、他の人の手を借りるのもひとつの手です。背に腹は変えられないですまじで。

4.間に合わなさそうなら、作品を削る
作品のページ数を削ったり、作画コストを落としたりして間に合わせます。
仕上がらなかった分は、無配にしたり、次回作にしたりします。背に腹は変えられな(略)

5.間に合わなさそうなら、〆切を延ばす
最終手段です。金を積んで〆切を伸ばします。背に腹は(略)
もしくは、イベントに新刊を出すのを諦めます。これが俗にいう「新刊落としました」の状態です。

さいごに

制作工程さえ終われば、入稿!晴れて脱稿となります!
あとは、本が仕上がってくるのを待つのみです。
もしデータ不備などがあれば、印刷所から連絡がくるかもしれません。
そのときは慌てずに、冷静に対処しましょう。
(筆者はよくサイズ間違いや塗り足し忘れで連絡がきますorz)

本が完成したら、いよいよ販売です!
イベントに参加する準備や自家通販についてお話ししたいと思います。
ではでは。

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