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初心にかえって”      ”#とは

今まで私たちは”高気密高断熱”をより多くの人に知ってもらうために

健康・家事・プライバシー(音)・美容・子育て・お金 など様々な観点から

紹介をしてきました。

気付けば記事もだいぶん増えてきたので”高気密高断熱”な住宅とは
どんな住宅をさすのか、どんな違いがあるのかを一度簡単にまとめたいと
思います。

(真面目で少しだけ難しい内容になるかと・・・)


高気密高断熱 とは

高い気密性・高い断熱性を表す高気密高断熱ですが、具体的になにを見て
”高気密” ”高断熱”と言っているのかを知らないと判断もできません。

まず、高気密・高断熱を示す数値にC値・Ua値があります。

Q値:熱損失係数
 どれくらい熱が逃げにくいのかC値:相当すき間面積
 住宅全体のすき間の合計面積(㎡) / 延べ床面積(㎡)

Ua値:外皮平均熱貫流率
 どれくらい熱量が家の外に逃げやすいのか

これらを元に気密性能・断熱性能を決めており、

Q値・・・2.0以下を高気密住宅/1.0以下を超高気密住宅

Ua値・・・0.6以下をゼロエネ住宅と認定
        ※どちらも数値が低いほど高性能となります。

地域差はありますが、この数値を目安に住宅の性能を示しています。


しかし、これらは実際に目で見えるものではありません。

そして目に見えないものにお金を使うのはなかなか簡単に決められることではありません。

そこで通常の住宅と高気密高断熱住宅との違いをいくつか挙げていきます。

1.部屋ごとの温度差

2.換気の効率性

3.エアコン(空調機器)の効率性

おおまかにわけるとこの3つになります。


まずは1.部屋ごとの温度差 について

わかりやすく冬場を例にすると
昼間は陽の入る南側は暖かいが北側の部屋は寒い、
夜も暖房を入れている部屋は暖かいが、他の部屋へ行くと寒い
これが一般的な住宅だと思います。

しかし、高気密高断熱の住宅だと家全体が魔法瓶のような効果を持つため
一度取り入れた暖かさをなかなか逃がしません。
そのため、昼間に取り入れた暖かさを夜まで保つことができます。
さらに、北側で直接陽が入らない部屋でも、一度暖めれば熱をキープできるので極端に冷えてしまうことがなくなります。

これによって急激な温度変化による血管の収縮が原因で起こる
ヒートショック を防ぐことができます。
※交通事故の約3倍の人がヒートショックで命を落としている


つづいて2.換気の効率性 について

現在、日本の住宅では24時間換気の設置が義務付けられています。

これはクロス(壁紙)を貼る時等に使用する接着剤が原因で起こる
シックハウス症候群(化学物質過敏症) が問題視されたことで決められました。(他にも理由はあります)

換気扇の配置には意味があります。しっかりと家全体の換気ができるよう
計算をして配置をし、シックハウス症候群の原因であるホルムアルデヒド
などの有害物質を外へ出し、新鮮な空気を室内に取り入れるようにします。
これを”計画換気”と言います。

しかし、気密性の低いすき間だらけの家ではこの計画換気も本来の性能を発揮できません。隙間風があればその分換気の妨げになってしまうからです。

結果、部分的に空気が滞留してしまう場所が発生し、その場所には
有害物質が滞っている状態となり、問題視されていることに対しての効果が得られなくなります。

これが気密性の高い住宅だと、本来の計画通りの換気ができるため空気の
滞留を防ぎ、新鮮な空気と入れ替えることができます。


最後に3.エアコン(空調機器)の効率性 について

これは前述の1.2.からくることですが、熱を逃がさない(入れない)ことは外気の影響を受けにくいということになります。

そのため、一度室内を適温にすればその後はフルでエアコンを使わなくても
十分に快適温度を保つ事ができるようになります。

効率的に適温にできるうえ安定させることができるので夏場の冷風に
あたりすぎた時のだるさなどの解消にもつながり、室内での熱中症のリスクも減らすことができます。

なにより、その効果は”電気代”に現れると思います。

4時間以内に再度つけるなら消さない方が電力消費が少ないと言われるほど
稼働時には大きな電力を消費します。そして実際の温度と設定温度の差が
あるほど大きなものになります。

そこで、温度を保つ事ができる高気密高断熱の住宅なら温度差も少なく、
更に温度を安定をさせやすいので、最小限の電力で快適空間を保つ事が
できます。


このように実際に目には見えない気密性・断熱性ですがおおまかに見ても
これだけのメリットがあります。

しかし、高気密高断熱住宅にするには技術力と徹底した施工が不可欠です。


家を建てるにあたり蔑ろにされがちな気密性・断熱性ですが、

家を建てる時には一度どんな効果・意味があるのかを考えてみてください。


きっと、より良い家にするために必要なものがみえてくると思います。



より快適で健康的な家造り「高気密高断熱」を広める啓蒙活動を
行っています。
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岐阜の工務店、(株)エムズアソシエイツで、高気密・高断熱の家つくりを広めるための活動をしています。 私たちが作れる家の数は限られているので、一人でも多くの方が快適な家で幸せな生活を送ることが出来るよう、有益な情報を発信していきます。